第3章 006 謎の少女
休憩時間が終わりデュエルも中断となった。フリイヤに手招きされて大和もタートルも召喚板に配置したカードを回収してデッキを取り出し一つの束に纏めながら馬車に戻っていく。
「勝負はまた今度だな」
「勝っても負けてもどちらでもいいのさ」
タートルは勝負云々よりも楽しむことが大事だと言うのだ。
「そうじゃないとみんな使うカードもデッキ内容も同じになっちゃうだろ? それが面白いのか?」
馬車の窓際にフリイヤが座っており、隣に大和が座り向かいにタートルが座る。
「じゃあタートルは敢えてこの亀デッキを使っているというのか?」
タートルは大和の質問に対して首を縦に振り肯定した。
確かにタートルの言い分は分かるかもしれない。勝負する上で勝利を目指すことは当たり前のこと。そのうえで強いデッキが周知されればみんな同じデッキを使いかねない。
「お前の言いたいことは分かったよタートル。確かにそうだ。カードゲームにおいてデッキの強さランクが存在するのは当然のことだ」
フリイヤも話に混ざり「そんなことになったらみんな犬デッキを使いかねないわね」と言う。
タートルは首を縦に振るう。
「いやもうそうなりつつあるかもしれない。そのセイントドッグガールは大会の優勝賞品だろ? 大会で犬デッキが優勝したことが周知されているはずだ。みんな犬デッキを使うようになりかねない」
大和はタートルの言いたいことを理解はしているが、特に重要なことだとは思っていない。
「言いたいことは分かるけど、別にいいだろ。カードゲームってそういうものだ」
タートルは首を横に振るう。
「分かってない。君は。魔王を倒す勇者の真似を誰もがしやすいということだ」
「だから大丈夫なんだってば。カードゲームってそういうものなの! それに他のいたるところで大会が開かれていてそれぞれの優勝者が使っているデッキも違うの。だからそんな考えるようなことじゃないんだよ」
何となく理解したようだが、まだ不服そうだ。
「それにタートルは魔王側の人間だろ? 魔王を倒す俺を気にしてどうする?」
「気にしてないさ。別に」
馬車が出発し三人は揺れる体を背もたれに預けた。




