第27章 005 魔王ライオウ 後編
ライオウはふと疑問に思ったことを問う。
「お主、本当に勇者か?」
「どういう意味でしょう」
「お主から人の上に立つ器を感じる。自分よりも弱い者を守ろうとする貫禄もある。まさか実は異国で魔王をやっていたりするのではあるまいな?」
大和は唾を飲み込んで答える。
「分かるのか?」
「まさかその通りだとはな。はっはっはっはっは。お前も俺と似ていて世話焼けがすぎるみたいだからな。これはお主とはよい酒が飲そうだ」
ホエールは「城の中魔物だらけだもんね」と突っ込む。
世話焼きがすぎる魔王ライオウに何故デビルカードなんかを作ったのかを問い詰める大和。
「世話焼きなあなたが何故デビルカードなんかを作ったのですか?」
ライオウは「ん?」と顔をゆがめる。
「作ったのは我ではなく魔女たちだ」
大和はまた面倒な話になってきたと思うのだった。
「このオーシャルという王国には魔女がいる。その魔女どもが所有する工場で作ったデビルカードを我らは小売店に流しておるのだ。デビルカードの流通を止めることはできるが作られることを止めることは我らには不可能」
これには驚いた。
「いったい魔女は何のためにデビルカードなんてものを作ったんだ?」
「それは我も知らぬところよ。探ってくるがいい」
そう言うとライオウは猫に角が生えたような姿のグレムリンに魔女の工場まで案内するように命じた。
「にゃ! にゃんが客人をご案内してみせるんだにゃ!」
〇
六人乗りの馬車まで戻るとグレムリンを乗せて発車した。グレムリンは窓からの眺めを見て旅を楽しんでいる。
「にゃあ、このまま真っすぐなんだにゃあ」
馬車はグレムリンの言う通り道を真っすぐに進んでいく。
大和はやれやれといった具合でルシウェルに質問する。
「魔女の話はなかったが、そこまでは分からなかったのか?」
「はい。申し訳ございません」
素直に謝られたのだからしょうがない。
ホエールは獣に興味があるらしく窓から外を眺めるグレムリンの隣に座り体を触ろうとしている。
「グレムリンさん、頭を撫でてもよろしいでしょうか?」
「にゃ? にゃんの頭を撫でたいとは変わり者なんだにゃあ」
すると「よろしいにゃん」と許可が出たので頭を撫でまわすホエール。
「とってもかわいい」
「にゃー。にゃんがかわいいのは承知していることなんだにゃー」




