第26章 001 魔王ライオウ 前編
大和やリーシェルの魔王城が存在している国アーケルドの隣国であるオーシャルという国の王都へやってきた大和とフリイヤとタートルとホエールとルシウェル。この一行は王との面会をするため城の客室にて待たされていた。
ホエールは「いつまで待たされるんだろうね」という。
衛兵にはアーケルド王国の魔王を倒した倉間大和とその連れがデビルカードの件で面会を求めていることを伝えた。だいたい客間に待たされて30分が経つ。
タートルは腕を組み右手の指を顎につけて思考している。
「もしかしたら、隣国にばれると困ることでもあるのでしょうか」
彼女がそう言うと自然と皆の視線がルシウェルへと向けられる。
困ったように両手のひらを広げる彼は「どうでしょうね」と言った。ルシウェルの話だとこの国のデビルカードの対処はおざなりだと聞いている。
または国の弱みを掴まれてしまうことにもなってしまうことから面会してもいいか躊躇しているのかもしれない。
それぞれがいろいろな思考を巡らせていると近衛兵がやってきて面会の準備ができたことを告げられた。
〇
謁見の間の玉座に座るオーシャルの王オッセル・カーラジン。そしてその脇にいるのは宰相や大臣といったところだろうか。
オッセルの御前であり大和一行は立膝をして頭を下げる。
宰相が彼らの説明をした。
「この者たちはアーケルドの魔王を打ち破り治安をもたらしたとされております」
「そうか、なにゆえこのオーシャルに参った」
オッセルの質問に大和が頭を下げたまま答える。
「この国がデビルカードによって蝕まれていることを聞き、この国の治安をよくするために参りました」
王は「そうか」と言い続ける。
「ではお主たちはデビルカードの流通を指揮する魔王を討伐しにやってきたのだな?」
ルシウェルは頭を下げながら大和の方を見る。
大和は「いいえ。話し合いで解決するつもりです」と言うと、オッセルは笑い出した。
「異国の勇者が来たと思えば、話し合い、はっはっはっは」
大和は頭を下げたままだ。
「いいか、若い者たちよ。魔王はそんな生易しいものではない。話が通じるのならば、デビルカードなんぞがこの国では流行っておらんかもしれぬぞ」
大和は「確かに、その通りでございます」と応える。
ルシウェルは心の中でやはりそうなるかと呟いた。
「では魔王を討伐してくれると見て間違いはないか?」
「……一応、話し合いで解決しなければ、その手も考えます」




