第25章 003 デビルカード
大和は額に手を当てて下を向く。
「そうかもしれない。でもタートルが言うようにクライカードは魔王の愛と言われていた。生きるつらさを抱える者を探しだす術として。デビルカードもきっとそんな感じなのかもしれない。それを奪って何の責任もなく……」
「大和!」
急に強い口調で名前を呼ぶフリイヤの方を向く。
「大和。あなたがやってきたことで人間の世界は救われているわ! それを忘れちゃいけない。あなたのやるべきことは成されているわ! それに今魔王城の皆も救われている。そんなあなたが悪い結果を出すはずがない。自分をもっと信じて」
大和はにっと笑う。
「ありがとうフリイヤ。自分を信じるよ」
〇
次の日のこと。王都へ向かいデビルカードの流通を阻止するべく隣国のオーシャルへ向かうことをラグナロール王に報告した。
王は許可し馬車を出してくれることになった。
大和は頭を下げ必ず隣国の治安を元に戻してくることを約束したのだった。
一台の六人乗りの馬車が用意され大和とフリイヤとタートルとホエールにルシウェルが乗り込んだ。
大和はキューブ型のチョコレート菓子を食べると、ホエールも欲しがっていたので分けてあげた。
出発する前に魔王代理のリーリや四天王たちに留守を頼んでおいたのできっといつものように冒険者たちを相手にしながら楽しんで帰りを待っていてくれていることだろう。
〇
その頃魔王城ではやってきた冒険者たちを相手に魔族たちは遊んでいた。
剣を手に持って呪文を詠唱する男の剣士が炎を纏って四天王であるシルキーというドラゴンの尻尾があるメイドに突撃していくも、メイドたちが壁となり防御の呪文を唱える。
「――闇で我らを守りたまえ、ダークウオール」
突如目の前が真っ暗になる剣士。
「くっ、どこだ! どこにいるんだ!」
すると後ろから仲間の女の弓使いが「戻って!」と叫ぶ。
戻るにしてもどっちの方向に行けばいいのか分からない。
――あはははは!
笑い声がどこからともなく聞こえてくる。
「卑怯者め!」




