第20章 006 負けられない戦い
フルダークネスドラゴンは他人を寄せ付けないリーシェルそのものだと大和は感じた。
「そのドラゴンと、リーシェルってなんか似ているよな」
「どういう意味だ?」
「君は怖がっている。ダークネスカードを持っていない人の人生の豊かさを恐れている。だからダークネスカードを持っている人を探しているんだ。自分が怖がらなくてもいいように」
リーシェルは血の涙を流しながら「君に何が分かる?」と訴えた。
「君なんかに何が分かるっていうんだよ! この女神付きの運がいいお前なんかに何が分かる!」
「分かるよ。寂しいんだろ? ダークネスカードは君の心の殻だ。俺が今、解放してやるからな」
「やめろ」
「ニューセイントドッグマンとニューセイントドッグガールで直接攻撃! いけ! ニューセイントフラッシュ! ニューセイントフレア!」
「やめろおおおおおおお!!!」
ニューセイントドッグマンとニューセイントドッグガールの手のひらからの光の波動を受けるリーシェル。
※デッキ枚数。リーシェルのデッキ枚数0。大和のデッキ枚数9。
この勝負、大和の勝利となる。
〇
勝負がつき浄化させようとリーシェルの手を引こうとするが嫌がって動こうとしない。
大和は「君は負けたんだ」と言うも言うことをきかない。こんなことは初めてだった。
「駄目だ。僕が浄化されたら、誰がダークネスカードを持っている者と本当の意味で繋がれるというんだ。誰もできない。僕がやるしかないんだよ」
そう言いながらも血の涙を流すリーシェル。
浄化をする女神フリイヤから近づいていく。
「やめろ、来るな」
「大丈夫ですよ」
「来るなあああああ!」
するとリーシェルの3人のパーティーメンバーが近づいてくる。唯一のメンバーの中では女でピンク髪のイーネイが彼に「私たちのこと、怖い?」と聞く。
「怖くないっ。でも君たちは家族を失ったこともない人たちだ! 君たちではダークネスカードを持つ者の心の拠り所になれない。だから僕がならなくちゃいけないんだ! それを皆分かってくれ!」
仲間の一人である筋肉質な茶髪の男オーライが優しく語る。
「我々はいつも思っている。力添えできなくて申し訳ないと。人の心の闇から救われる理由になれず申し訳ないと。仲間なのにリーシェルの心の闇から救うことができずに申し訳ないと、思っている」
リーシェルは「そんなこと言われても」と言い唾を飲み込む。
「これは僕の使命なんだ。ダークネスカードを持つ者たちを救わないといけない使命なんだ。だから浄化はされない。できない。そんなことをしたら寄り添えなくなってしまう」




