第20章 007 負けられない戦い
大和は不安な彼に語る。
「俺のとこの魔王城では皆、元は天涯孤独の者たちの集まりなんだが。その割には皆けっこう勝手しまくっているぞ。この間なんて勝手に魔王城の四天王決めたり勝手に倉庫からクライカード出したり。皆好き勝手さ。だから、ある程度なんとかなっちゃうものなんだと思うぞ。俺は」
大和は手を出して「握手をしよう」と言う。
「まずは君から救われてもいいはずだ。それに君の気持が本当なら浄化しても寄り添える心は変わらないはずだ。そうだろ?」
リーシェルは大和から差し出された手を掴んだ。
〇
フリイヤによって浄化を受けているリーシェル。流れる涙は透明へと変わっていた。今彼が何を思い浄化されているのか。きっとダークネスカードを持つ者ならば分かるのだろうか。没収したダークネスカードのデッキを広げて眺める大和。ダークネスカードが大事にされていたことが分かる。ダークネスドラゴンはお気に入りだったのだろう。このカードを中心にデッキが組まれているのだから。彼のために父親が作ったのかもしれない。
だが彼のために作ったとしたら、あまりにも非情な愛だ。普通親なら子どもの精神の健康も望むものだが。
今度は父親のラースも止めに行かなくてはならない。彼を止めなければ永遠にダークネスカードが作られ続けることになる。
浄化を受けるリーシェルは大和に問う。
「僕にも合うセイントカードあるかなあ」
「ああ、きっとあるさ。よければ一緒にカードショップ行こうぜ。友達として」
「ありがとう」
リーシェルが浄化されていく様子を彼のパーティーメンバーも見守っている。眼鏡をかけた二十代の男アルケムは大和に「ありがとう」と言う。
「こちらこそ」
大和は手を組んで上に伸ばし体を伸ばした。




