表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
143/239

第19章 008 少年の城

 少女とのデュエルが終わるとずっと待っていたリーシェルのところへ向かう大和。


「いやー待っててくれてありがとう。律儀に感謝」


「あなたは何をしに来たのですか?」


 二人が会話をしている間もタートルやホエールはダークネスカードを持つ者とデュエルをし続けている。


「いや、何しに来たって。笑顔を届けにきた」


 にっと笑う大和に訳が分からなそうなリーシェル。


「ここにいる皆楽しそうだろ?」


 先ほど大和のデュエルをしていた浄化を受ける少女の姿。なんだか気分が晴れたような表情をしている。


「俺はさ、いや、俺たちはさ。同じ苦しみを抱えるのは無理だけど。苦しみを抱えている人たちと一緒に楽しむことはできる。それはリーシェルがそれぞれ違う人生を送っているはずの仲間と一緒にいることと同じことさ」


 留守番を頼んでいたアルケムにリーシェルが視線を移すとピースサインをしてくる。


「何がしたいんだあいつは」


「笑いたいんだと思うよ。皆。リーシェルもそうだろ?」


「そりゃあ、沈んでいるよりかはそうだろうけれども」


 大和は「じゃあ、それでいいんだよ」とリーシェルに手を差し出す。


「握手しよう。魔王同士。きっと君みたいな人は必要なんだと思う。君自体は間違っていない。むしろ偉い。でもダークネスカードは必要かというとそうじゃない。苦しみが増幅される物を持って皆で苦しよりも、そんな苦しみがありながら皆で笑い合えることがある方がいいと思う。そう思わないか?」


 リーシェルは「それでも」と言い出す。


「苦しみがない存在として扱われたらどうする。本来は明るくないのに、どっちかというと苦しみがいつも心の中にあって本当は苦しくて泣きたくてしょうがない時はどうするんだ?」


 リーシェルの眼から血の涙があふれ出てくる。


「そんな日もある。苦しみから解放されずに、ずっと心の中によくないもやもやした気持ちが晴れないこともある。それはそれでいいんだ。それが人間だ。そんな日もある。だけど、そういう状態にこだわる必要はないんだ。そうだろ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ