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第19章 009 少年の城

 リーシェルは血の涙を拭って首を横に振るう。


「違う、こだわりなんかじゃない。それが普通の状態なんだ。だから、そうじゃない者と差別化するためにもダークネスカードは必要なんだ」


 大和は「なぜ差別化する必要がある?」と問う。


「そんな人が存在しているという証明が必要なんだ。そうすることによって自分だけじゃないという誰かにとっての孤独感が埋まることに繋がるから!」


 言いたいことは分かるのだが、それでもダークネスカードを使うことを認めてはいけない。


「ダークネスカードがなくてもきっと心が同じなら分かり合えるはずだ。そうだろ?」


 リーシェルは首を横に振るう。


「ダークネスカードがなきゃダメなんだ。苦しみを抱えている人とそうじゃない人との差別化に繋がっているんだから。それによって苦しみの理解ができる者同士で安心や安全を皆で共有できるんだから。所詮、苦しみを抱えている人というのはそうじゃない人から見ればうざいんだよ」


 大和は「目から血が流れているぞ」と言う。


「だから何だっていうんだ!」


「君は自分を大事にすることを学ぶべきだ」

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