第18章 001 ゴリラデッキの猛攻
とある朝のこと、大和は四天王を招集しある任務を命じた。それは、
「この魔王城に来たリーシェルとそのメンバーのいる場所を特定してほしい」
このままではいられなかった。やはりクライカードも同じことであるが、ダークネスカードも心の闇が表に出てしまう作用がある。つまりそれを持っている間は苦しみから逃れることができずずっと苦しんでいることになる。心の平穏のためには持っていてはいけないカードなのだと思った大和であった。
リーシェルと彼の父親の考えでは苦しみがある状態が常であるのが当たり前でそのままでよいと、そのままの状態が許容されるべきだという考え方になる。でもそれでは苦しみから逃れる術がない。それを普通にしてはいけないのだ。
「皆、頼んだぞ」
四天王のハープという白い修道服のような恰好をした金髪の女悪魔にレンダという黒騎士、さらにオウープというボロボロな黒い布を纏った悪魔にシルキーというドラゴンの尻尾があるメイドに命令を下すのであった。
〇
命令を与えられそれぞれ動いていく四天王たち。大和はというと、ダークネスカードを持つ者を探し出し浄化する旅をすることにした。
これをフリイヤとタートルとホエールに告げると、三人とも許容してくれた。
フリイヤには「あなたらしいですね」と言われる。
「皆ありがとう。いつも。きっとこれからやることはこれでいいんだと思う。リーシェルの言っていることは間違っていないと思う。だけどみんなで生きていくのに負の感情を膨らませるダークネスカードは余計な物だと俺は思うんだ。誰かと一緒にいることが楽しめなくなっちゃうからね」
フリイヤやタートルやホエールは首を縦に振るう。
「俺は仲間といれる時間が楽しいからさ。それが正解なんだと思う」
〇
再び旅に出ることにした大和一行。魔王代行の悪魔リーリには仕事がある。リーシェルの魔王城が分かった時点で大和に教えることだ。
リーシェルには母親がいない。その寂しさや寂しかった時間を誰かのダークネスカードを持つ精神反応で自分と同じような仲間がいることを実感したいのだろう。彼もまた救われたい存在に違いない。ラースも妻を失っているのだ。寂しさは寂しさで何か別の物に変わることはない。
リーシェルには旅の仲間が3人もいる。心の寂しさを埋めることに必死になってその楽しさすら実感できなくなってしまっているのかもしれない。だとしたら彼も助けないとならない。ダークネスカードに頼る時点で自分の心の闇を仲間に相談したこともないのだろう。彼は「病んだ者は病んだままでいい」と言っていた。彼の本心は理解されない心の闇ごとそんな自分を誰かに受け入れてほしいという願望があるのだろう。




