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第17章 004 魔王の苦悩

 タートルは吹っ切れた彼の姿を見て安心していた。フリイヤも彼の様子がこの町に来てから暗く感じていたのでタートル同様安心していた。


「俺が必要な時、俺が動くだけだ!」


 元気が戻ってきた大和の横でカードを探すホエール。

 大和はホエールに何探しているのかを聞くと「犬デッキの強化カード」と言う。


「よし、なんか適当に俺も探す!」


 タートルもやってきて「じゃあ僕も一緒に探そうかな」と言ってカードを探す一行。

 大和は一枚のカードを見つけて「これいいじゃん」と言って一枚のカードの購入を決めた。


      〇


 次の日になると大和たちは一旦魔王城に戻ることにした。大和が魔王なのはトップシークレットだった。魔王代行リーリがリーシェルに大和の正体をばらしていたので、もしかしたら他の冒険者がやってきた時にもばらしている可能性がある。そのためその愚行を止めにいくのだ。

 馬車に揺られながら寄った町のカードショップで購入したカードをデッキに入れ新しく組み直す大和たち。


 大和はふとタートルに問う。


「タートル。俺がもしダークネスカード持ちともデュエルをするようになったらどうする?」


「王都の命令でダークネスカードが作られているわけではありませんからね。大和がやりたいなら、それでいいんじゃないかな」


 大和は笑顔になる。


「俺は自分が正しいと思ったことをする。もしダークネスカードが闇の力ならばなおさらだ。精神異常をきたし血の涙が出る。そんな異常な状態にさせることでしか助けを求める者として見つけられないのは間違っている。確かに、助けを求める者を見つける手段がないのは問題だ。それは健全な方法で見つけ出さないといけないし、模索していかなくてはいけない。これは社会問題で、本来みんなで考えていかなくてはいけない問題なんだ」


      〇


 魔王城へたどり着いた大和たち一行。タートルがテレパシーを使って城の中の仲間に知らせて門が開くのを待つ。タートルが目を瞑り何かをぶつぶつ唱えると城門が開いた。

 門が開くと同時に歩き出す大和。一刻も早く会いたい悪魔がいる。


 城門の内側にはドラゴンの尻尾を生やしたメイドが立っており「おかえりなさいませご主人様」とあいさつをするのだった。


「ああ、ただいま」


 謁見の間の玉座には魔王代理のリーリが座っている。手にはワインの入ったグラスを持っている。

 大和の姿が視界に入るとグラスを持った手とは逆の手を振って歓迎する。


「魔王様のお帰りですかー!」


 大和はにっこり笑って近づいていく。


「おい、お前。いったい何人に俺の正体をばらしたのか教えてもらおうか」


 リーリは「え?」と言って固まる。


「お前、正体ばらしただろ? 俺が王都から狙われることになったらどうなるか分かっているのか?」


 大和から恐怖を感じたリーリは「ごめんなひゃい」と畏縮するのだった。

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