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レベルが上がりにくい鬼畜な異世界へ転生してしまった俺は神スキルのお陰で快適&最強ライフを手にしました!  作者: メバル
【オスクリダド編】

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【83】ケント大人の階段上る(後)

 前回の話は凄い中途半端な所で終わったと思う。

 ここからは念願のスキル覚醒を習得した話をするね。


 最初は手探りから始まるって思ってた。

 だって自分でも分からないことを、分析を繰り返し解析していく作業なんて膨大すぎて手探りと思うじゃん。


 でもやっぱりそこは良い意味で化け物集団。マイムさんの演算領域は半端じゃなかった。マイムさんが見つけ出していくピースを奥さんがパズルの要領で型に嵌めていくらしいんだけど、それが美しいほど速く要因を特定するのに3日とかからなかった。


「うん。やっぱり僕の思ったとおりだね」


「どういうことだ?」


「簡単に言うとケントはサイコパスでも何でもない。遺伝子レベルで反応する魔物としての本能が事の顛末だね」


「つまり?」


「うん。蜘蛛の魔物。ビッチの遺伝子が組み込まれたことにより、本来ある蜘蛛のハンターとしての本能が謂わば、悪食というスキルになってるだけだね。でもこれはスキルというより本能だから、いくらココを特訓しても意味がないんだ」


「ハンターを捨てる?」


「捨てないよ。よりも自分から狩らない。蜘蛛といえば?」


「静かに待ち網に掛ける」


「そうだね。ビッチがアシダカグモタイプだったから狩りに行くスタイルになってたかもだけど、ケント本来のスタイルは罠に掛け狩り尽くすやり方。

 ケントまだ実感はないだろうけど、待ちの狩りを鍛えてみようか」


「狩りの仕方で変わってくるもんなのか?」


「そこはヒューマンと大して変わらないよ。勉強が得意な人もいれば、運動が得意な人もいる。生物には特性がある。

 僕はそこを見つけ出し消去法で答えに近づけていくやり方が得意なんだよ」


「普通消去法を行ったら、莫大な時間が掛からねーか?」


「そこはね、僕の特性にあるスキル感知で怪しい物だけ厳選出来るんだ。って色々話すより試した方が早いね。

 ケント仰向けに寝てごらん」


 少しビクビクしながらも言われたとおりに、なぜかオペ台に寝るケント。


 それを見てなぜか笑えてくるザハル。

 今から始まるのって検査だったよね?

 え?オペ始まんの?

 というかマイムって医療行為するときって人型になってた気がするが、プニプニが色々準備してる姿もウケるんだが。

 そう考えると笑いが止まらない。


「もう!ザハル、笑ってないで協力してよ」


 怒られるザハル。


「あ、すまん」


「じゃあまず遮音結界と魂魄滞留の結界を張って。僕はフルクリーンでルームを清潔にして、実際にサルベージするから」


「はいよ」


 ザハルは言われたとおりに2つの結界を展開した。展開完了時にケントは驚きを隠せなかったが、それもそのはず。

 ザハルは同時展開という離れわざを事も無く行っていたからである。

 普通はこんな高度な結界張りを同時展開など100%不可能なのだ。


 ザハルの結界張りが完了した事を探知するや否や、直ぐにフルクリーンを発動するマイム。1人と1匹の呼吸が完璧過ぎ、更に恐るべきスピードにケントはただただ感心したのであった。


「ふむふむ。えーとこれは違うから捨てて、ん?あ、いや微妙に遺伝子配列に違いがある。どれかな?」


「お前よく分かるな。そんな難しいこと」


「いま集中してるから話しかけないで」


「すんません……」


 ケントそれを見てホッコリする。

 本当に仲が良いんだなと実感できるやり取りには十分だった。


「見つけた!ケント!君は小さな暗殺者で世界最強の蜘蛛。

 ヒョウモンクモだ!そりゃあ今まで相性が悪い訳だよ!この蜘蛛はね、小型ながら強力な毒と高い成功率を持つ蜘蛛で、

 獲物を糸で拘束し、一瞬で行動不能にする狩猟法を持ってるんだよ。

 だってケントって毒が得意だし毒耐性MAXだよね?」


「はい。寧ろ色々な毒を身体に取り入れて、より強力な毒の生成もしてます」


「うん!間違いないよ!今からダンジョンに戻って、ヒョウモンクモの戦い方をしてみて。それが成功して獲物を取り込めば覚醒に繋がると思うよ」


「マイムさんありがとう」


「気にしないで。僕はやるべき事をしただけ。ここから先は君の試練だよ」


「一瞬で見つけるところが、流石ドクターマイムだな」


「えへへ。そんなに褒めても何も出ないよ」


 仲良過ぎかよ!と思い少しイラッとしたケントであった。


 古代ダンジョンへ向かう途中、ザハルはマイムから1つの仮説を話される。


「あのね、ケントは既に魔物の血が凄く濃い子で産まれてきてるんだよね。何が言いたいかというと、精神体にならなくても彼は覚醒するかもしれない。

 ただその負担や影響力は残念ながら計り知れないんだ。例外がないからね。

 だから、覚醒が始まったら念のために結界を貼って守ってあげて欲しいんだ」


「勿論だ。そうかぁ、しかし何から何まで例外な子だな」


「うん。あんなに純粋で素直な良い子なのにね。相当な思いをして生きてきたのに誰も恨まず生きてる。本当に優しい子だよ」


「そうだな。でもそれはロウガンのお陰もあるかもな。アイツが闇の力の使い方を1から教え込んだ。感謝してるよ」


「皆でサポートしてあげないとね」


「だな。たまにクソ生意気だから鉄拳制裁するけどな」


「暴力は程々にしなよ。時代的にNGだよ」


「お、おう……」


 ザハルさん、普通に怒られてるし……


「よし、ここら辺でいいんじゃないかな?さて検証を始めよう。

 まずはイメージだよ。戦い方のイメージをするんだ」


 ザハルは羊羹を貪り食いながら一服し、その時を静かに待っていた。

 マイムはそんなザハルに失笑しながらも、いざという時には頼りになり、ここでチャージする意味を理解していた。


 ザハルもまた同じくして何となく感じていた。エネルギーをチャージしておかないと、舐めてると危険なことになりかねないと。


 何度回数を重ねても祖母の戦闘スタイルを出してしまい、度々瀕死になりマイムが回復。不甲斐なさに打ちのめされようとしたとき、ザハルが動く。


「鬼気迫るものが無く、常に目の前しか見えていない。相手がこんな相手だったらどうする?」


 そう言うとザハルは異空間から化け物を出してきた。

 名をイビルジャガー。

 警戒心が強く火力も高い。堅さもあり、正面からガチンコで戦ってもケントでは絶対に勝てない魔物である。


「何やってんのザハル!?」


 あまりの蛮行に驚きとドン引きを隠せないマイム。

 恐怖のあまりうずくまるケントだったが、恐怖ゆえ常に引きの戦い方をやり出したのだ。


「ザハル!助けないと!」


「何でだよ。見ろ、戦い方が大幅に変わった。生存本能により変えるしかないと自然と理解したからだ。ここからが本番だ。そろそろ化けるぞ」


 ザハルの言うとおりケントの眼光は確実に次の一撃で仕留めるときの目をしていた。

 次の瞬間イビルジャガーには探知できないスピードで背後を取る。イビルジャガーが発見できないことに苛立ちを見せ始め、ほんの小さな一瞬の隙を見せる。


 その瞬間を見逃さなかったケント。

 小さな暗殺者。ヒョウモンクモのスタイルを会得する。


「一撃か……なるほど、完璧だな。

 ケント、戻っていいぞ」


 ザハルがケントに呼び掛けるもケントは気配を完全に消し、標的をザハルに定めた。


「やっぱり暴走しちゃったか」


「心配いらん。ケント、いいだろう。

 お前の中であの時のリベンジマッチといこうじゃないか」


 ザハルは防御障壁のみを残し全ての結界を解除。更に考え得る事態に備えていマイムの周辺に用いれる全ての結界を施した。


「ザハル!程々にね!え?あれ?遮音結界してるじゃん!もう!勝手なんだから!」


「さあ、どこからでも来るがいい。

 お前の全てを潰してやろう。そして覚えるがいい……力の制御が如何に大事かを」


 暴走モードのケントは一瞬の隙を狙っていた。しかしザハルには一瞬どころか隙しかない。全裸でライオンのサークルに居るような状態である。


 いつでも狩れる。


 そう思い俊足で飛び込んだまでは辛うじで覚えていた。次の瞬間の記憶はザハルさんがマイムさんにこっぴどく怒られながら、俺の治療を全力でしてくれていたときだ。


「バカじゃないの!?だからあれ程までに程々にね!って言ったでしょ!全身の骨が砕けるワンパンなんてする必要ないでしょ!」


「加減したわ!」


「どのくらい?」


「ちょぴっと」


「ちょぴっとって!?」


「6割くらいで」


「あのですね、はぁ……いいですか?

 化け物級の6割は普通に考えて手加減と言いません。この場合、暴走を止めるだけなら2割がベスト。僕の治癒で完治できるからいいものの、今後は気を付けるように!」


「すんません」


「ごめんねケント。目覚めちゃったかな?大丈夫。このバカな叔父さんにはお灸を据えといたから。それで自分自身の本来のスキルを手にして、今はどう?定着した感じはある?」


「はい。凄く身体も軽く視野が驚くほど広がりました。お二人には感謝してもしきれません」


「しなくていいよ。感謝なんて。

 君が物にしたんだ。君だけの力を。

 それとザハルには絶対感謝しなくていいから」


「なんでだよ!」


「当然でしょうが!怖いねぇケント。古い考えの老人は」


「好きに言ってろ。とにかく、ケント……よくやった。これでやっと大人の階段を上れるな。まだガキだけど」


「ガキではないです!成人してますもん!」


「いやそうじゃなくて、お前、童貞じゃん」


「言わないで下さいよ!仕方ないじゃないですか!エニリカス後にオスクリダドに拉致られて今に至るのですから!」


「ハッハッハ。お前が真の大人の階段を上る時を心待ちにしてるわ」


「絶対秘密にしとこ」


「それはそうとケント。スキル定着でお前は今後衝動的な行動は皆無になるだろう。一度戻ってみるか?シガレット家に」


「え!?いいんですか!?でも俺の居場所は……」


「あーそれね。気にすんな。そこは上手いことしてある」


「じゃあ是非!」


 こうして俺はスーパー荒療治で自分自身のスキルを定着させることが出来たんだ。

 ザハルさんが言うには、もう安全だから親に顔を見せろって事で、近々ザハルさんとシガレット家に戻ることになりました。

 不安でいっぱいですが、久しぶりの里帰りを楽しみたいです。


大変遅くなりました。

しかし残念ながら今後も遅くなります。

両親のことが何も落ち着いてない事が1つと、父が施設で無双しまくっていて呼び出しや苦情の電話が鳴り止まず、全くプライベートな時間が取れません。

現状仕事にも大きく影響しており、転職までしなくてはならないかもなので、ちょっと落ち着いたらまた定期的にあげていきたいと思います。

それまでどうか、ご容赦下さい。

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p>無価値と言われた人間が異世界では絶対必須でした
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