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2025年3月X日
祖母が亡くなったのは、中学卒業を間近に控えた寒い冬の日だった。
「あんたが、マリアの孫の皐月ちゃんかい?」
祖母の墓前で手を合わせていると、背後からそんな声がした。
そのおばあちゃんに、わたしは初対面なのに何故だか妙な親近感を覚えた。
「アタシは仙姫子。学園の理事長をやっていてね」
「ああ、甲冑姫で勝負する学校の」
仙グループの話は聞いた事がある。
その会社のゲームで戦わせる無茶な学校がある事も。
「おや、知ってたのかい?それなら話が早い」
姫子がそう言って、右手を差し出す。
「……あんた、うちの学園に来ないかい?」
祖母の知り合いらしい彼女の誘いに、わたしは悩む。
この人は祖父毬亞と同じ匂いがする。
きっと親身になって聞いてくれそうな。
けど……本当に信じて良いのか、確証がない。
「マリアから聞いたよ、前世で一緒だった旦那を探してるんだって?
アタシならその手助けが出来ると思うがね」
「行く」
わたしは即答して彼女の手を握った、力強く。
あの人にまた会えるなら、悪魔に魂を売っても構わないと思ったのだ。




