前へ目次 次へ PR 2/65 2026年X月26日 ――焼け死ぬって、苦しいんだな。 言継卿記を抱えながら、俺はそう思うのだった。 もしも生まれ変われるなら、今度こそ俺は彼女を救いたい。 それが叶わぬなら、せめて困っている誰かを救いたい。 一人でも、多くの人を。 それも叶わぬなら、そうだなあ……もう火は見たくないなあ。 防火の神、愛宕権現にもなって見かけた火事を片っ端から消して回るか。 ――その願い、叶えよう ふと、そんな声が聞こえた気がして。 煙に包まれながら、俺は意識が遠くなるのを感じるのだった……。