表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポーション屋の事情  作者: Rapu
番外編:エリオット様とダンジョン攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

131/138

番外編:4 翌朝

◇◇


翌朝、テントを片付けて朝ごはんの準備をする。


昨日のシチューが残らなかったので、朝からスープを作った。野菜とウサギ肉を『風魔法』で細かく切って、『火魔法』で焼いてから水を入れて煮込む。仕上げにヤギのミルクを入れたスープ。魔法を使うから時間は掛からないのよね。


出来上がったスープをエリオット様達とテオ達に配ると、精鋭部隊の皆さんがスープ鍋の前に並んでいる。えっと……スープは皆さんの分もありますけど、パンは自分のを食べてくださいね。


「おはようございます」と挨拶をしながら、騎士様が差し出すお椀にスープを注いでいく。おかわりはないですからね。


朝食が終わると野営を片付け、今日の攻略についての作戦会議? が始まった。エリオット様の話を、私達は皆さんの後ろで聞く。


56階からは、騎士団が探索していないエリアで地図がないそうです。だから、下層への階段を見つける事が最優先で、セーフティエリアを出たら右壁伝いに進むんだって。各部隊で、簡単な地図を記録するように言っている。


先頭に精鋭部隊A、次にエリオット様のパーティー、後ろに精鋭部隊Bの順番は変わらないけど、デーモンはエリオット様達が引き受けるから手出しをしないようにと、エリオット様が釘を刺している。


そうだよね。普通の剣で攻撃しても、大きなダメージを与えられない。


魔法も、『光・聖・雷魔法』じゃないとデーモンにダメージを与えられないし、魔法の詠唱を止める事も出来ない。


あっ、話が終わったらエリオット様にネックレスを渡そう。エリオット様達とダンジョンに入ると思っていたから、ネックレスは3個しか作らなかった。皆さんに渡せないけど良いよね。


話が終わって各部隊で集まって確認しているので、急いでエリオット様に駆け寄った。


「あの……エリオット様、このネックレスを付けてください」


「ん……アリス、これは?」


他の人に聞こえないように、小さな声でエリオット様に説明をする。このネックレスは、攻撃や魔法で弱体異常になると、自動で『聖魔法』が発動して治す魔道具だと。


「何だって……まさか、アリスが作ったのか?」


「はい。テオとタロウもつけているんですけど、50階までの魔物には上手く発動しました。マンティコアとデーモンの『呪い』も治せるか試したいんです。これ、アルバート様とロペス様のネックレスもあります……」


色はバラバラですが効果は同じですと言って、エリオット様に黄・赤・青色のネックレスを渡した。


「そうか……。おや、これは髪の色に合わせてくれたのかな? フッ、アリス、ありがとう」


そうなんですけど、先に言われたら何か恥ずかしいな。


「いえ……エリオット様、ネックレスの『聖魔法』が発動しなかったら教えてください。直ぐに魔法を掛けますので」


「ああ、分かった」


エリオット様は、アルバート様とロペス様に「アリスが作った魔道具のテストだ」と説明しながらネックレスを渡してくれた。


アルバート様とロペス様が驚いた顔でこっちを見るけど、エリオット様の言った通り、魔道具のテストですからね。


セーフティエリアを出発して、右の壁に沿って進んで行くんだけど、攻略されていないフロアのせいか魔物の数が明らかに多い。


精鋭部隊Aがオークキングとジェネラルオークの2体と戦っている向こうから、マンティコアが現れ雄叫びをあげて突っ込んで来た。


『ガアアッ――!』


ダンジョン50階からの道幅や天井が高いのは、このマンティコアみたいな大型の魔物が動きやすいようになっているとか……そうだとすると、ダンジョンに意思があるの? まさかね。


「セドリック」


「ハッ!」


エリオット様がセドリック・フォレスター様に声を掛けると、後ろにいた精鋭部隊Bが一斉に私達の横を走り抜けてマンティコアに突っ込んで行った。


フォレスター様ともう1人の騎士様がマンティコアに『挑発』を入れて攻撃を始めると、精鋭部隊Aがオークキングとジェネラルオークの3体組を倒し終えた。


「ライオット、セドリックと交互に……」

「エリオット副隊長! デーモンです!」

「副隊長、行きます!」


エリオット様の話を(さえぎ)るようにアルバート様が声をあげて、鞘から片手剣を抜いて走り出した。同時にロペス様も走り出す。


「何! テオ殿!」


「おう! タロウ行くぞ!」

「うん!」


テオとタロウも剣を抜いて走り出した。ええっ! テオ達の剣が少しキラキラしている。上の階では光ってなかったよ……上の階より暗いから? 良く見るとエリオット様達の剣も……考えるのは後かな。追いかけないと。


マンティコアと戦っている精鋭部隊Bの横を走り抜けて、テオ達を追いかける。


前方に、暗闇から浮き出るように黒い片手剣を持ったデーモンの姿が見えた。スタンピードの時より大きく見える……。


艶やかな長い黒髪に全身真っ黒な姿が、真っ赤な目と白い肌を際立たせている……蝙蝠のような翼がなければ大きな人間にしか見えない。


しかも良く見たらイケメンとか! 魔物なのに……サキュバスもだけど、勿体ない! あ~、『魅了』するにはありなのかな?


エリオット様とアルバート様が『挑発』を入れて斬りかかった。ロペス様とテオがデーモンの両脇から攻撃し、タロウも続いて剣を振りかざす。


『……!』


攻撃が効いているようでデーモンの顔が歪んだ。デーモンがエリオット様を睨んで口が動いた瞬間、


「『雷』行けー!」


ビリビリ! ドバ――ン!!


タロウの撃った『雷魔法』が、デーモンの口元と言うより顔面に命中した。


タロウ……デーモンはA+の魔物だから、強めの魔法じゃないと魔法の詠唱を止められないかも知れないけど、ちょっと魔法が強いと思うよ。味方に当たったらどうするの……。


そう考えた瞬間、エリオット様とアルバート様が突っ込んでデーモンに止めを刺した。


『……! ……』


デーモンは、大きく口を開けてそのまま地面に倒れた。5人掛かりとは言え、倒すのが早いよ!


デーモンの声って、スタンピードの時も聞かなかったけど……声が出ないのかな?


みんなの片手剣がキラキラと、宝石を砕いて散りばめたみたいに綺麗だ……精鋭部隊の皆さんは、何も言わないけど絶対に気付いているよね。


あっ、騎士団が53階~56階を探索した時に、既にアルバート様達の剣を見ていて知っているのか……キラキラした剣を持つ人が増えたなって、思っているだけかもね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ