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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第4章

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第115話 剣術大会と魔術大会②

 ◇

 お昼は食堂に移動してみんなで食べた。


 ソフィア様はシチューを食べているけど、セットで付いているパンには手を付けていない。緊張しているみたいで、何て声を掛けよう……。


 ミアが「どうしよう~、私が緊張してきた……。ソフィア様、観客席で応援していますね!」と声を掛けるのに頷きながら、「ソフィア様……気を付けてください」とだけ言えた。


「ええ、頑張るわ。ミア、アリス」


 魔術大会に参加する生徒は早めに集合するそうで、ソフィア様は食べかけのシチューとパンのトレイを持って立ち上がった。


「ソフィア様、力を抜いて頑張って。僕がソフィア様の応援団長だよ。フフ」

「力を抜いて……ふふ、ミハエル様、ありがとうございます」


 ソフィア様はトレイを返却すると、ミアと私の視線に気が付いたみたいで、こっちを見て微笑んでから食堂を後にした。頑張ってください!


 ◇

 競技場の観客席に戻ると、来賓席にはもう騎士団と宮廷魔術団の方が揃っていた。


「うわ~。アリス、直ぐにでも始まりそうだよ」

「うん……ミア、ドキドキしてきたよ」

「ミア、アリス、僕達はソフィア様の応援を頑張ろう」

「「はい!」ミハエル様!」


 間もなく、審判の先生が競技場の中央に立って、魔術大会の開始を宣言した。


 ソフィア様は、『水魔法』と『風魔法』を上手く使って勝ち上がったけど、次の試合でスカーレット様と当たって負けてしまった。


 『風魔法』は『火魔法』に弱いけど、『水魔法』は『火魔法』に強いのに……ソフィア様より、スカーレット様の魔力の方が強いってことか。


 準決勝に勝ち残ったのは、リカルド様とスカーレット様、そしてAクラスのリカルド様の取り巻きの3名だった。


「ねえ~、アリス。これ……どうやって準決勝戦をするの?」

「分からない……」


 2人でミハエル様を見た。


「フフ、こういう時はね、去年大会に出場したリカルド様が有力な選手として扱われる。だから、準決勝はスカーレット様とAクラスの生徒との試合になるんだよ」


 リカルド様は試合をしないで決勝戦に進むそうです。


「「へえ~」」


 始まった準決勝、スカーレット様も相手の方も『火魔法』の使い手だった。こうなると、単純に魔力が強い方が勝つんだろうねってミアと話していたら、ミハエル様がセンスも関係すると教えてくれた。


「ミハエル様、魔法のセンスですか~?」


「ミア、そうだよ。魔力に差があったとしても、どのタイミングで、どの魔法を撃つかで勝負が逆転することもあるんだ」


「それは……戦い慣れているってことですか?」


「そうだよ、アリス。まぁ、今回は圧倒的にスカーレット様の魔力の方が上だって、みんな知っているけどね」


 ですね……スカーレット様は、3年連続、魔法の試験で評価が『A』だって、取り巻きの方がみんなに教えていた。リカルド様もだけど。


 ミハエル様の予想通りで、準決勝は余裕でスカーレット様が勝って、決勝戦はリカルド様とスカーレット様の対決に決まった。この対戦は……前にどっちの方が強いかって議論されていたよね。


 10分の休憩後、決勝戦が始まる。


 まだ、競技場にリカルド様もスカーレット様も現れていないのに、それぞれの取り巻き方の応援合戦が始まった。


『優勝はリカルド様だーー!!』

「「「キャ~!」」」「「リカルド様が1番ですわ~!」」」


『スカーレット様が優勝だーー!!』

「「「おおー!!」」」「「優勝はスカーレット様だー!!」」


「ねえ、アリス、どっち応援するの~?」

「う~ん、悩むね……」


 どっちかと聞かれたら、ポーションを買いに来てくれたリカルド様だけど、それを言ってしまうとミアに揶揄(からか)われそうだから言わない。


「ええ~! アリスはリカルド様じゃないの? 私はどっちを応援しようか、悩むな~」


 ミアこそ、リカルド様でしょ! 去年、リカルド様を応援して泣いていたし……あっ、ミアは魔法演習の授業で、スカーレット様と『火魔法』のグループが一緒だったから悩んでいるのかな?


「僕は、去年、推薦を貰えなくて悔しい思いをしたスカーレット様かな」

「「ミハエル様!」なるほど」

「あっ……ミア、アリス、2人が出て来たよ。いよいよだね」


 リカルド様とスカーレット様が競技場の中央に現れると、会場が静かになった。


「「「……」」」


 みんなが息を飲んで見守る中、2人が来賓席に一礼をして向かい合い、魔法の杖を審判の先生に見せる。


『では、始め!』


 審判の開始の声が聞こえたと同時に、2人は魔法の詠唱を始めた。


 スカーレット様が撃った『火魔法バースト』とリカルド様の『風魔法ブラスト』が、勢いよく真ん中でぶつかる!


 ドッバーーン!!


「「「キャ~!! リカルド様~!」」」

「「「うおー!! スカーレット様ー!」」」


 周りの応援する声は、魔法の爆発音に負けないくらい大きい。


「キャ~! リカルド様~! スカーレット様~! どっちも頑張ってください~!」


 隣のミアの声も大きい……。


 爆発の炎と煙が消えた後、一瞬、間が空いたかと思ったら、スカーレット様の前に炎の渦が立ち上がった。反対側のリカルド様は竜巻かな? 2人とも1発目の魔法を撃って直ぐに詠唱を始めていたんだ。


「「あれは『ファイアストーム』!?」」

「まさか! 『火魔法Ⅳ』を撃つのか!」

「「リカルド様は『トルネード』よ!」」

「フッ、『風魔法Ⅳ』とは流石だな! 風の貴公子!」

「「「何だって!」」まだ2発目だぞ、もう上位魔法を撃つのか!?」

「「「決勝戦だからな!」」」


 あちこちから魔法の説明をする声が飛び交う……解説者が多い。


 『ファイアストーム』……スタンピードの時にレオおじいちゃんが撃った魔法だ。同じ魔法だとは思えない位、火柱の大きさが違う……やっぱり、レオおじいちゃんは凄いな。


「スカーレット様は、リカルド様と違って、リアム副団長に見せつけないといけないからね」


「見せつける? ミハエル様、スカーレット様は自分が撃てる最高ランクの魔法を見てもらう必要があるんですね」


「そうだよ、アリス。MPが無くなる前に、上位魔法を見せないとね」


 そっか、リカルド様はもう内々定をもらっているから派手な魔法を使わなくても良いのか……あれ? 


 じゃあ、何故リカルド様は『トルネード』を……スカーレット様が撃つ『ファイアストーム』を相殺する為? えっ、次にスカーレット様が『ファイアストーム』を撃って来るって分かっていた……(かん)が鋭い?


 2人が詠唱した魔法は、両方ともランク『B』の属性魔法。あっ、火柱と竜巻が動き出すと、みんなが叫びだした。


「「「行けー!!」」」「「「リカルド様~!」」」


 属性魔法では、『火魔法』は『風魔法』に強いって言われている。


 つまり、スカーレット様の『ファイアストーム』が勝つってことだけど……それは、お互いの魔力(MP量や知力)が同じで、属性魔法のスキルも同じ場合だってグレース先生から聞いた。


 リカルド様の『トルネード』とスカーレット様の『ファイアストーム』がぶつかった時、大きな爆発音と共に炎と煙が立ちのぼった。


「うわ~! アリス、どっちの魔法が強いのかな?」

「ミア、分からないよ……」


 でも、余裕があるのはリカルド様みたいで、マジックポーションを飲むのが見えた。



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