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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第4章

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第114話 学園主催の剣術大会と魔術大会

 ◇◇◇

 ガチャ、チリンチリン~


「いらっしゃいませ……!」「いらっしゃ……!!」


 冬休みが終わる頃、リカルド様が店に来た。今日、テオはダンジョンに行って店にはいないから良かった。


「アリス、お邪魔するよ」


 リカルド様は、今年も3の月にある魔術大会に参加するので、ポーションを買いに来てくれたそうです。


「はい。リカルド様、自家製ポーションでよろしいですか?」


「ああ、アリス、今年も5本貰えるかな。そうだ……兄から聞いたんだけど、『テオの薬屋』のマジックポーションは、全てマルティネス様が買い占めているそうだね。1本、試してみたいんだけど」


 あっ……リカルド様、宮廷魔術師のルーカス様から聞いたんですね。でも、レオおじいちゃんが買い占めているんじゃなくて、リアム様とテオが……。


「あの……リカルド様、ごめんなさい。マジックポーションは数が出来ないので、宮廷魔術団のリアム副団長と店主のテオで話がまとまっているんです。だから、私が勝手に売ることが出来なくて、テオに話してもらった方が……」


 リアム様とテオは口約束だけで、契約書は交わしてないと思うけど、1本でも他の人に売ったってリアム様に知られたら……考えただけで寒気がする。


「リアム副団長と……そうか、アリス、無理を言ってすまない」


「いえ、すみません……」


 タロウがポーションを袋に入れながら、「リアム様は、自分より魔力の強い宮廷魔術師がいれば、マジックポーションを1本だけなら渡しても良いって言っていましたよ」なんて(あお)らないで!


「リアム副団長よりも……」


 あっ、リカルド様の顔がスンってなったじゃない。


「君は……確か、リアム副団長が後ろ盾になったと聞いたけど、どうしてかな? あぁ、私はリカルド・フェルナンデスと言う」


 それも、ルーカス様から聞いたんですね……リアム様が各所に通知を回すって言っていたから。


「俺、タロウと言います。『雷魔法』が使えるからじゃないですか」


「えっ、君は『雷魔法』を使えるのか!? なるほど……」


 それ以上、話をすることはなかったけど、微妙な雰囲気になってしまったじゃない……困るよ。


 リカルド様を見送ったら、タロウに……貴族相手に挑発しないように注意しないとね。


 ◇◇◇

 冬休みが終わって学園が始まると、授業の殆どは大会に向けての自習時間になった。


 魔術大会には、魔術科Aクラスの生徒全員と、Bクラスは半分ほどの生徒が参加する。私達のグループで魔術大会に参加するのはソフィア様だけで、ミハエル様やミアは参加しない。勿論、私もね。


 魔術大会に出る生徒は、みんな魔法の威力を上げようと『訓練場』や『競技場』に籠っている。


 魔法研究を展示する生徒は、研究室と図書室を行ったり来たりしていて、ミハエル様も研究の展示をするから忙しそうです。


 特に、ソフィア様は魔術大会と研究展示の両方だから大変ですねって声を掛けたら、研究内容を書いた展示物は休みの間に殆ど出来上がっているとか。


「魔法の試験で『A』を取れなかったから、魔術大会で優勝でもしない限り、宮廷魔術師の内定は厳しいと思うの。だから、研究員に選んでもらえるように、冬休みの間は王立の図書館に通って、私の研究に関連しそうな論文を沢山読んだのよ」


「ソフィア様、凄いですね。私、論文なんて読んだことないですよ~」


 ミア、私もないよ……。ソフィア様が、自信を持って研究内容を発表・展示できるわと可愛い笑顔を見せてくれる。


「僕も王立の図書館には何度か足を運んだけど、何か足りない気がして……壁にぶつかっている感じかな~。ソフィア様、時間があったら僕の研究を見てくれないかな?」


「ええ、ミハエル様、私で良ければ拝見させてもらいます。その代わり、魔術戦の練習相手をして貰えませんか?」


「フフ、僕で良ければ喜んでお相手するよ」


「えっ! ソフィア様とミハエル様が魔術の対戦をするんですか?」

「ええっ! アリス、どうしよう~?」


 ミア、「アリス、どっちを応援すればいいの!?」なんて聞かないで……私達は邪魔になるから見学しない方が良いよ。


 ということで、どっちにも参加しないミアと私は、邪魔にならないように図書室から本を借りて教室で読んでいます。


 ミアは地方の名産品が書かれている本と料理の本を借りて、私は<リッヒダンジョン>以外のダンジョンについて書かれている本を借りて来た。


 気になるドロップ品があれば、それを落とす魔物を調べているけど、今の所、ミノタウロスの肉と同等、もしくはそれを上回りそうな肉を見つけられない……。


 ◇◇◇

 3の月に入って、いよいよ大会当日。競技場の観客席で大会が始まるのを待っていると、場内がザワザワしだした。


 何事かと思ったら、来賓席に騎士団が……アルバート様と第二騎士団の補佐の騎士様をはじめとした騎士様達が席に着くのが見えた。続いて黒いローブの一団も現れて、その中央にリアム様がいる。


「「キャ~!」リアム様よ!」「おおっ、『マルティネス閣下の右腕』だ!」「カッコイイ~!」


 知らなかった……リアム様って人気があったんだ。


 リアム様は整った顔をしているけど、ツンとしていて話し掛けるなオーラがあるから、ちょっと怖い印象を受けるの……そう思うのは、もしかして私だけ?


 来賓客が揃うと剣術大会が始まる。


 騎士科の3年生と、推薦された2年生だけが参加するんだけど、この大会で騎士団への入隊の合否が決まるから、競技場で待機している騎士科の生徒達の顔が怖い……ピリピリと緊張しているのが見て分かる。


 今年の剣術大会には知っている人が出場するから、ちゃんと見て応援しないとね!


 学園長が出て来て挨拶をした後、直ぐに試合が始まった。


 剣と剣がぶつかる音がして選手の声が響くと、周りの観客席からの声援があがる。ロレンツ様やユーゴ、知り合いの試合が始まると、ドキドキして目をつむりたくなってしまう。


 そして、ベスト16名まで勝ち上がったメンバーに、ロレンツ様・イーサン様・タイラー様、そしてユーゴまで勝ち残った。凄~い!


「凄い! ユーゴって強かったんだ~!」

「ええ、本当に。ベスト16に残るなんて、ユーゴが騎士団の目に留まると良いわね」

「ソフィア様……そっか、ユーゴは優勝しなくても、騎士団の目に留まれば良いんですね」


 ベスト8に勝ち残ったのはイーサン様とタイラー様で、残念ながらロレンツ様とユーゴは負けてしまった。


 その後、イーサン様とタイラー様の対戦になり、ソフィア様が自分のパーティーメンバーを応援しますと言ったので、ソフィア様と私・ミハエル様とミアの応援合戦が始まる。


 勝ったのはタイラー様で、タイラー様は決勝戦まで進んだけど、惜しくも負けてしまった。でも、準優勝だから凄いよね。


 優勝したのは騎士科Aクラス生徒で、ミハエル様曰く「あそこの家は、武術を重んじている血筋で、剣技大会で優勝したら爵位を継げるらしいよ」と言う。へえ~。


 剣術大会が終わって、お昼からは魔術大会が始まる。



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