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僕がこの世界で生きるワケ  作者: 京衛武百十
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納得できる選択

『リセイだけに危険な真似はさせない。私も一緒だ』


本当ならライラは指揮する立場なのでリセイと一緒に囮役をする必要はないはずだが、ここで市民の反感を買うのも得策ではないとも考えられた。


それに、


『私以外にも優秀な指揮官はいるからな……


加えて、すぐ傍でリセイに指示が出せる方がいい可能性もある。


私のこの判断が適切だったかどうかは、結果が出てからでないと分からない。


私がするべきは、どのような結果になろうとも責任を負うということだ……』


そうだ。一般的でない選択をしたことで悪い結果になればそれは批判の対象になるし、しかし一般的な対応をしたとしても悪い結果に終われば、


『もっと柔軟に対応するべきだった!!』


的な批判が出るのもよくある話だ。


逆に、一般的でない選択をしても結果が良ければ、


『さすが!』


などと称賛されることもある。


人間というのはそういう身勝手な一面がある。


ならば、今、どのような結果に終わっても、


『私自身の責任だ』


と納得できる選択をする。


ライラにはその覚悟があった。むしろその覚悟がなければ、女性の身で騎士など目指さない。で、


そして、


「リセイ、こいつの気を引けるか?」


なるべく穏やかな言い方でリセイに指示を出す。


『気を引けるか?』と言われても具体的にはなにも思い付かないものの、リセイとしても、


「やってみます……」


と応えるしかなかった。


で、


「おいで……」


フッと柔らかく微笑みながら、ゆっくりと手を差し出した。


他には何も思い付かなかった。アニメや漫画とかでありがちなやり方しか。後は、極力、丁寧に慎重にやるというくらいしか。


「……!」


リセイが手を差し出してきたことに、<魔人の少女>がビクッと体を緊張させる。


『……マズった……?』


その反応にリセイも緊張するが、敢えてそのまま待った。ここで慌てて余計な動きをしたらさらに警戒させるかもしれない。


リセイ、ライラ、ティコナ、フェミューレ、そしてドルフットら第七隊の面々が息を呑んで見守る中、長いような短いような時間が過ぎた。


と、その時……


<魔人の少女>が、差し出されたリセイの手に向けて慎重に鼻を突き出し、それからフンフンと匂いを嗅ぐような仕草を見せた。


明らかに関心を持っている反応だ。


『犬とか猫みたいだな……』


そんなことを思いつつも、敢えてそのまま様子を窺う。


その光景を見守っていた者達も、


『ひょっとして魔人の方も慎重になってる……?』


的な印象を覚えた。


そしてそれは事実だっただろう。<魔人の少女>としても、敵のど真ん中に単身で飛び込んできたのだ。実は不安を覚えていたのだとしても、何の不思議もないのだから。



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