突き抜けた快楽と、極長の双頭ディルドでの探求
30代に突入した頃、私のアナル開発はさらに一段上のギアへと入っていった。
この年代になると、周囲の友人たちは次々と結婚し、家庭を築いていく。
年齢的にも「そろそろ自分も世間一般の『普通のセックス』に目を向けるべきなのではないか」と、ふと頭をよぎることもあった。
しかし、私の身体と脳は、もうとっくに後戻りのできないところまで侵食されていたのだ。
世間の男性といえば、自分の陰茎をしごいて快感を得るのが当たり前だ。だが、私にとっての絶頂は、お尻の穴を奥深く掘られ、主導権を完全に奪われることの中にしか存在しなくなっていた。普通を知ってはいる。理解もしている。それでも、歪みきった快楽の味をしめてしまった男に、今更「普通」など入り込む隙間はなかった。
その頃の風俗通いでは、女性の指3本を入れてもらうのが限界であり、同時にそれが最高の刺激だった。だが、慣れとは恐ろしいものだ。快楽の閾値が上がるにつれて、私の中の欲望はさらに肥大化していった。
「もっと拡張したら、一体どうなってしまうんだろう?」「もし……女性の手がすっぽりとお尻の中に入ってしまったら、どんな世界が見えるのか?」
そんな狂気じみた好奇心が膨らみ、ある日デリヘル嬢に指5本(拳)での挿入をねだってみた。しかし、案の定途中で引っかかってしまい、到底入るものではなかった。無理をしてお尻が切れ、しばらく遊べなくなってしまうのだけは絶対に避けたかった。だからこそ、私は決意したのだ。自宅での「セルフ拡張」を。
それからは、ネットで買い求めた太いディルドを使い、夜な夜な一人でお尻を開拓する日々が始まった。無理は禁物だ。ローションをたっぷり使い、ミリ単位でじっくりと時間をかけて広げていく。
指5本を受け入れられる身体になるまで、実に2〜3ヶ月の期間を要した。(体質やリスクを無視すれば1ヶ月でやる猛者もいるかもしれないが、私は怪我でこの快楽を奪われるのが何より怖かったのだ)。
そして、ついにその時が訪れる。
30代も半ばに差し掛かった頃、何度目かの風俗プレイでのことだった。その日ついてくれたデリヘル嬢は、小柄で比較的手の小さな女性だった。
お尻を弄られながら、私は半ばダメ元で「……指、もう少し増やしてみていいですよ」と呟いた。すると次の瞬間――「スポッ」という感触とともに、彼女の手首の手前までがお尻の中にすっぽりと収まってしまったのだ。
「えっ……入っちゃいました……」
女性側の驚愕の声。そして私自身も、まさか本当に入るとは思っておらず、激しい衝撃を受けた。
普段は「排出する」ためだけに存在する場所に、他人の手が丸ごと収まっているという現実。身体の奥底を侵食されている背徳感と惨めさが怒涛のように押し寄せ、私は陰茎に一切触れられることなく、お尻を掘られているその事実だけで絶頂を迎えていた。
手首まで入るプレイを何度か経験するうちに、人間の欲望というものはどこまでも貪欲になっていく。
「手首の先……この体内の奥には、どこまで進んでいけるのだろう?」
抑えきれない探求心が、私を新たな行動へと駆り立てた。そうして手に入れたのが「双頭ディルド」である。
本来はパートナー同士で使うための大人のおもちゃだが、私にそんな目的はない。市販の一般的なディルドでは「長さ」が決定的に足りなかったのだ。「極太」ではなく「極長」を求めた結果の選択であり、完全に自分一人のセルフ拡張のためだけに購入した。女性に使う気など毛頭ない。
少年時代、教室の真ん中で全裸を晒されたあの夏の日から30年近く。私の変態性はついに、人体という未知の奥深くを目指す領域へと足を踏み入れていたのだった。
(EP.5に続く)




