陽葵の家
陽葵の父親は電気工事店を営んでいたらしく、事務所として使われていた建物には『近藤電気』と大きく看板が掲げられていた。
「危ないから、陽葵さんは車で待っていてくれないか? 僕と奈緒は、こういうの慣れているから」
「はい……」
僕たちが何に慣れているのか、陽葵はあえて深く尋ねなかったが、その言葉の裏にある意味を察したようだった。
僕と奈緒は慎重に事務所の入口から中へと足を踏み入れた。
内部は無人で、奥のドアを開けるとそのまま自宅の居住スペースへと続いていた。長い廊下を抜け、キッチンを過ぎたその先にあるリビングルームのソファのあたりに、不気味な気配が佇んでいた。
僕たちの足音に気づいたのか、そこにいた2体の人影がゆっくりと立ち上がった。
よく見ると、男性のゾンビの手には包帯が巻かれていた。
(おそらく、父親がゾンビに噛まれてしまい、母親が手当てをしてやったのだろう……そして、そのまま母親も……)
「お父さん……お母さん……っ!」
僕たちがその悲惨な光景に言葉を失っていると、いつの間にか後を追ってきたのだろう、陽葵が入り口に立ち尽くしていた。
その大きな瞳からは、堰を切ったようにとめどなく涙が溢れていた。
「二人を……安らかに眠らせてください……」
「ごめん……まだ、どうやったら動きが止まるのか方法が分からないんだ」
以前、首を切断しても再生して身体が動き続けた一件があった。このゾンビたちがどうすれば完全に活動を停止するのか、僕には本当に分からなかったのだ。
「……そうだ、どこか二人の身柄を隔離できる部屋はないかな?」
「……お父さんの、資材倉庫があります」
僕と奈緒は、うつろな目をした2体のゾンビをモップで優しく促し、奥にある倉庫へと誘導した。陽葵の両親だったそれは、生前の名残なのかそこまで狂暴ではなく、これまで何度もこうした修羅場を潜り抜けてきた僕たちの誘導に素直に従い、すんなりと倉庫に入ってくれた。
重い扉を閉め、鍵をかけたのは、ほかでもない陽葵自身だった。
「いつか……人間に戻せる日が、きますかね……」
震える声で呟く陽葵に、これまで静かに黙っていた奈緒がそっと寄り添った。
「来ますよ。ねえ、マサキさん?」
無責任な気休めを口にすることはできなかった。一度変異してしまった人間を元に戻すことなど、今の医学では到底不可能に近いことだ。
それでも──。
「……ああ。僕も、いつか必ず元に戻せる方法を見つけたいと心から思っているよ」
「……ありがとうございます。少しだけ、待っていただけますか? 私、着替えたいので……」
陽葵は昨日、避難先から救助されたときの運送会社の制服を着たままであった。
彼女が一度自室へ戻った後、僕と奈緒は車に戻って待つことにした。
家を出て車に近づいたその時、突然、奈緒が僕の胸に強く抱きついてきた。
「おいおい、どうしたんだい?」
「……やっと、二人きりになれました」
両親のことで奈緒も悲しんでいるのかと思いきや、どうやらそうではなかったらしい。
「そう言えば、最近は奈緒と別行動が多かったからね」
「はい……すごく寂しかったです」
奈緒はそう言って見つめると、両手で僕の頬を包み込み、そのまま熱い唇を押し付けてきた。
僕は優しく抱き返しながらキスに応えた。奈緒の鍛え抜かれた肉感的な身体を抱きしめていると、不思議と心が安らいでいく。
奈緒は僕の顔をなぞりながら、首筋、胸元、腰へと滑らかに手を滑らせベルトを外そうとしてきた。
「ダメだよ、こんなところでやっていたらまた逮捕されてしまう」
「ん~……じゃあ、車の中ならいいですか?」
少し困ったような表情で提案してくる奈緒がたまらなく愛らしく思え、後部座席のドアを開けて二人で乗り込んだ。
「車の外を警戒しているから、大きくしてくれるかい?」
「はい……私も雪乃ちゃんにやり方を聞いて、上達していますから」
雪乃と奈緒はルームシェアをしているが、二人でそんな会話をしているのかと思うと、少し呆れたようなおかしさが込み上げてきた。
しかし──僕はすぐに余裕を失うことになった。奈緒の技術は、僕の予想を遥かに超えて上達していたのだ。
奈緒は、まだ柔らかい状態の僕の肉棒を口に含むと、舌を高速に動かして舐めまわしてきたのだ。
(うおお……っ、なんだ、この感触は……!?)
ザラりとした舌が縦横無尽に動き回り、全体を舐め回しながら敏感な部分を強く刺激してくる。
僕はあっという間にカチカチに勃起させられてしまった。
「れへすか……きもふぃいいれふか……?」
「ああ……すごく気持ちいいよ。フェラの腕をかなり上げたな……っ」
「むふふ……っ」
以前に下手だと言ったことを気にして練習したのだろうか、奈緒は嬉しそうな笑みを浮かべると、今度は肉棒を深く押し込み、浅く引き抜く動作を何度も繰り返した。唇をきゅっと窄めているせいか、まるで締め上げられて絞り取られるような強い圧力を感じた。
「待って、出そうになるじゃないか…… 狭いが下を脱いで四つん這いになってくれ。後ろから入れるから」
「はい……っ」
奈緒は僕の指示通り、ジャージとショーツを太もものあたりまで引き下げると、後部座席のシートの上で四つん這いになった。
ワレメを覗き込むと、すでに溢れ出た愛液で湿り気を帯びており、指で軽く広げるとトロリとした雫が太ももを伝って垂れ落ちていく。
僕はズボンを脱ぐと自らの肉棒で愛液をすくうように馴染ませると、じわじわと挿入していった。
「ああんっ……! き、気持ちいい……っ!」
「僕のチンポが欲しかったんだね。ごめんね、最近あまり構ってやれなくて」
「はぁんっ……欲しかったです……! だけどマサキさんは忙しいから……仕方ないんです……っ」
奈緒は本当に健気でいい子だなと思う。もっと優しく愛してあげたい──そう思う一方で、目の前に差し出された彼女の肉感的な尻を見つめていると、どうしても意地悪な衝動が突き上げてきた。
「誰のでも良かったんじゃないのか? 大場や他の警官に色目を使っているんじゃないのか? 困った女だ。お仕置きが必要だな」
パシンッ! パシンッ!
「ひぃ……っ! はあ、はあ……痛い……けど、気持ちいいです……っ! もっと叱ってください……っ!」
パシンッ! パシンッ!
「よく覚えておくんだ。奈緒は僕の女だ! 僕だけのものだ! 分かったな!?」
パシンッ! パシンッ!
「はぁぁぁんっ……嬉しい……っ! 私はマサキさんのモノです……好き……マサキさん、大好き……っ!」
この鍛え抜かれた美しい肉体を持つ女を、自分の手で完全に支配している──その実感が強烈な興奮となって脳を焼いた。
僕は奈緒の肉感的な尻に向かって、夢中で激しく腰を打ち付け、そのまま一気に彼女の奥深くへと射精した。
「ふぅ……君は最高だよ、奈緒」
息を整えながら何気なくフロントガラス越しに外へ目をやると──そこには、呆然とこちらを覗き込んでいる陽葵とバッチリ目が合った。
「……っ!?」
僕と目が合った瞬間、陽葵は顔を真っ赤にして脱ぎ捨てるように逃げ出し、そのまま家の中へと走り去っていった。
奈緒の体から離れて車の外へ出ると、未だ熱の冷めやらない身体のまま、吸い寄せられるように彼女の背中を追って家の中へと足を踏み入れていった。




