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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第80話

 すぐさま、ロレーヌ公とイーセンブルク卿は、バーデン辺境伯に連れられ、この部屋から転移した。


 一人、部屋に残る筆頭近衛騎士長。


 程なく、目の前に、ジークフリートが現れ、いきなり、筆頭近衛騎士長に強烈な一撃を浴びせた。


 間一髪、高度な剣捌《けんさば》きで凌《しの》いだ筆頭近衛騎士長。


「殿下、これはどういうことですか……、な、なにを!!」


 さらに追撃するジークフリート。これは、すぐに捌くが、これほどの技量の者とは対峙したことがなく、戦慄する筆頭近衛騎士長。


 警戒を強めた筆頭近衛騎士長だったが、ジークフリートは、そこで、刀を下ろし、目を細めて筆頭近衛騎士長を凝視した。そして……、


「なんだ、心配したではないか。

 まさか、卿がその程度かと……。

 やはり、潜在的な技量は、卿が遥かに上。


 なのに……、なにをそんなに縮こまっているのか!

 そんなことだから、大事な者の危機をみすみす見逃すのだ!!」


 激昂するジークフリート。


「よいか、ダンツィヒ!

 俺がしっかり解放してやる!

 師(・)が弟(・)子(・)に敗れるには、まだまだ早いはずだ!!」


 ジークフリートの激昂を聞き、室外で待機していた近衛騎士達が入ってきた。


 いきなり、目の前で繰り広げられる、とんでもなく高度で強烈な剣の攻防に、皆、目を奪われた。


「いつまで、防戦しているつもりだ。

 反撃せよ。

 よいか、卿は舐められているのだぞ!

 あの程度の人数で、卿が守るロレーヌ公をどうにかできると、侮っていたのだぞ!」


 さすがに、防御に徹すれば、なんとか捌けるが、とても反撃できる余裕はないと考えていた筆頭近衛騎士長は、一瞬、この戦いを見ていた娘のグレタに目を奪われた。


「よそ見をするとは、余裕だな!」


 なんとか斬撃を防いだ筆頭近衛騎士長。


 戦いの最中だというのに、別のことに気を取られるとは……。


 ここで、冷静さを取り戻した。


 それと同時に、体の奥からは、この上ない喜びが湧き出てきた。


「殿下の剣には、懐かしい我が朋、今は剣聖と呼ばれるパルジファルが感じられる。


 しかし、それを土台としつつ、なぜか、我(・)が(・)剣(・)技(・)も。

 殿下と対峙したのは初めてですが、パルジファルから、なにか授けられましたかな?


 それにしても、我と剣を交えていた当時から天才であったパルジファルも、その頃は殿下と同年代でしたが、これほどの技量はなかった。


 我が生涯で、これほどの剣技と相見《あいまみ》えることができようとは……」


「ハハハ……。

 ようやく、本来の卿に戻りつつあるようだ。

 では、これを最後としよう。

 仕上げも、もう少しで到着するようだしな……、

 いざ!!」


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