↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/105

第74話

 直ちに、ザルム侯らは、近衛騎士達に拘束された。


 彼らは、特に抗うことなく、素直に連行されていった。


 ロレーヌ公の隣で、筆頭近衛騎士長が鋭い睨みを効かせており、その只ならぬ威圧に圧倒されたためである。

 

 その場に残ったのは、宰相・ビドガワ伯と宰相派の重臣達。


 彼らを代表して、ビドガワ伯は、ロレーヌ公に、不手際を詫びた。


「陛下。直接、お手を煩わせてしまい、臣下として、お詫び申し上げます」


「良いのだ、宰相。

 先に申したように、余も承知していなかったのだ。

 余こそ、この国を導くものとして、卿らに対して、これまでの不備を詫びよう」


「不甲斐ない我らに対し、もったいないお言葉でございます」


「さて、先のザルムの言にもあったが、公国が揺るぎないことは、内外にしっかりと示さねばならぬ。

 よって、建国祭は予定どおりに開催する。

 間もなく建国祭の開始だ。

 そこで、余の後継となる“公世子”を皆に紹介することとする」


 ビドガワ伯も含め、他の重臣達も一気に緊張する。


「しかし、イザベル公女殿下は、難を逃れたとは言え、ご体調に鑑みますと、とても、建国祭にお出ましになられるのは困難では……」


 重臣の一人が、恐る恐るロレーヌ公の様子を伺う。


「控えよ。

 殿下のお言葉を途中で遮るなど、不敬だぞ」


 ビドガワ伯は、その重臣を制し、ロレーヌ公に、話の続きを求めた。


「殿下、失礼いたしました。

 続きのお言葉を賜りたく存じます」


「うむ。まず、イザベルについては、体調は回復しておる。

 建国祭に参列させるべく、今、身支度を整えておる最中だ。

 まあ、待て、皆が動揺するのはわかる。

 しかし、イザベルを“公世子”として紹介するのではない」


 後ろの扉を振り返るロレーヌ公。


 その扉の奥から、フリードリヒ公子が出てきた。


 そして、手招きするロレーヌ公の傍らに控える。


「フリードリヒ、ここに」


「このフリードリヒを、余の後継、“公世子”とする。

 皆、異論はなかろう」


「「「御意!!」」」


「イザベル可愛さで、皆にも迷惑をかけたな。

 まあ、全快したとは言え、もう、イザベルは22歳だ。

 これまで後継としての教育をまともに受けておらぬ。

 今更、この国を導く立場になど、とても無理であろう。


 それよりも、フリードリヒだ。

 フリードリヒには才があって、将来、見込みがある。

 これは、余の欲目ではないぞ。


 ある御方が看破されたのだ。

 真(・)に(・)女(・)神(・)様(・)か(・)ら(・)ご(・)加(・)護(・)を(・)授(・)け(・)ら(・)れ(・)た(・)方(・)からのお言葉だ」


「おお!! なんと!!」


「ただ、才あれど、まだまだ幼い。

 将来、我が公国の君主になるには、フリードリヒ自身の研鑽はもとより、卿ら重臣達の導きが不可欠。

 皆で、フリードリヒを盛り立ててほしい」


「承りました、殿下。身命を賭して」


 ビドガワ伯が応じ、フリードリヒに臣下の礼をとる。他の重臣達も、すぐにそれに従った。


「皆、若輩の身ながら、よろしく頼む」


 フリードリヒ公子も、堂々とした態度でそれに応じた。


 その様子を見て安堵したロレーヌ公。


 そして、再び振り返り、扉の方に向くと、そこに一礼した。


 それを意味することに気づいたフリードリヒ公子とビドガワ伯ら重臣達も、扉の奥に向けて、一礼した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。