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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編1

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8/105

第1話

――――――――――突然、空間が切り裂かれた。


 その裂け目から一瞬眩い光が発せられ、続いて躍り出た聖騎士の鎧を着た青年は、不敵な笑みを浮かべながら、光輝く長剣をゆったりと構えた。


 突然現れた侵入者に、挙式中の親聖マクシミリアン教皇国の大聖堂は大混乱となった。異変を受けて、花婿であるアドリア国王の周りに集まる近衛騎士達。中でもひときわ屈強な騎士が、侵入者を取り押さえるべく、飛びかかった。


 しかし、神聖な大聖堂内では武器の帯同は許されておらず、徒手空拳。簡単に切り伏せられてしまう。しかも、その光輝く長剣は、血で染まることなく、むしろ、更に輝きを増したように見える。


 大聖堂内に唯一持ち込みが許された武器は、婚礼の儀式に必要な宝剣のみだ。その宝剣を素早く手にしたアドリア国王は、侵入者を恫喝する。


「貴様!! たった一人でなにができる。剣を捨てよ!」


 大聖堂後方の扉からは、武装したアドリア王国の近衛兵や大聖堂の衛兵が次々と現れ、前方の祭壇に向かって突進してくる。


 しかし、侵入者は、そのような恫喝など意に介さず、近衛騎士達を次々となぎ倒しながら、花嫁の方に向かう。


「ぐぬぅ。き、貴様の目的は、やはり大聖女か。大聖女は渡さぬぞ。大聖女は余のものだ。貴様に奪われるくらいなら……」


 すばやく花嫁を傍らに引き寄せたアドリア国王は、手にしている宝剣を花嫁に突き付ける。


「二度は言わぬ。剣を捨て、おとなしく縛につけ。さもなくば……」


「……」


 侵入者の青年は、手にしていた長剣を素直に床に置くと、ゆっくりと立ち上がって両手を挙げた。直ちに衛兵達が青年を拘束しようと殺到したのだが……


「「「「???」」」」


 突然、アドリア国王の背後から現れた男が、凄まじい速さでアドリア王国の右腕に剣を振り下ろした。


 しかし、その瞬間は、何も変化がない。


「き、貴様、いったい何をした?」


 アドリア国王が、その男に向き直った時、彼の右腕が、ゆっくりと、ずり落ちた。


「ぐ、ぐぁぁぁああ……」


 皆がアドリア国王の様子に目を奪われていた、その瞬間、先程、取り押さえようとしていた青年が、素早く衛兵達の間をすり抜け、アドリア国王に飛び掛かった。


 そして、体術を駆使して、アドリア国王から花嫁を奪うと、間髪入れずに、アドリア国王を蹴り飛ばした。


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