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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第67話

「いえ、私は殿下のお傍《そば》を離れるわけにはまいりません」


 驚きつつも、バーデン辺境伯の誘いを断る、筆頭近衛騎士長。


「ああ……、すまぬ……。

 まずいな、殿下に叱られてしまう……」


 ジークフリートを急いで追いかけるように、バーデン辺境伯は扉の方に向かった。


 その瞬間に、その場で消失した。


「卿は、バーデン辺境伯と面識があったのか?

 随分、気安く声をかけていたが……」


 ロレーヌ公の問いに、


「いえ……、初対面でございます」


 困惑しながら、返事をする筆頭近衛騎士長。


「ええ!!

 お二人とも消えてしまったわ!

 お父さま、ニルデ!」


「公女様、あの二人に任せておけば、大丈夫ですよ。

 すぐに戻ってきますから」


 そう、ブリュンヒルデが話したところ、間もなく再び姿を現した二人に、皆が驚く。


「え、ジーク。

 もう終わったの?」


「たった、30名足らずだったから、まったく問題なかったよ。

 すまないが、そちらに控えておられる方、高位の近衛騎士の方かな。

 見覚えがある顔か確かめてもらいたい」


 そうジークフリートが言うや否や、光った紐で拘束された隊長風の男が忽然《こつぜん》とその場に現れた。


「ひ、筆頭殿! い、いえ、あの……」


「ダマー卿! あの殿下、この者は、我が近衛の、第五近衛騎士隊の副長でして、公女様の護衛責任者。

 決して怪しいものではないのですが……」


「そ、そうだ!

 筆頭殿の言う通り。

 早く、この拘束を外すように……」

 

「黙らぬか!

 殿下方の御前なるぞ!」


 バーデン辺境伯に一喝され、その副長の男は震え上がる。


「ならば、なぜ、他の近衛騎士や衛兵と、外で応戦していたのだ。

 どう見ても、貴様らがこの部屋に討ち入ろうとしており、彼らはそれを阻止しようとしていたようだが!」


「な、なんだと、貴様、どういうことだ!!」


 それを聞いたロレーヌ公が激高した。


「……、残念無念」


「させぬ!」


 瞬時に副長の男が、ジークフリートの頭上に浮かぶ宝玉に再吸収された。


「簡単に自決など、させぬ!」


「さすが、殿下でございますな。

 それにしても、今回、我、まったく出番がなく。

 ちょっと暴れ足りないですな」


 と、少々残念がっているバーデン辺境伯であった。

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