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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第64話

 一気に頭上の宝玉から、細かな光の粒子が多数発生し、それらが一斉にイザベル公女に向かう。


 やがて、イザベル公女の全身を包み込んだ光の粒子は、イザベル公女に吸収される。


 少し苦しみだすイザベル公女。


「すみません、伯母上。

 ご助力ください。

 分解しても、別の毒性が生じるようです。

 体に負担がかかりますが、ここで一気に完全分解したいので」


「わかりました。

 シャル、かなり精密に癒しの権能を行使できるようになったのね。

 良くできていましたよ。

 でも、少しだけ、あなたの手助けをさせてね」


「はい、お母様。

 助かります。

 修復しているそばから、損傷しているみたいなの」


「ええ、わかったわ」


 ブリュンヒルデが、娘と同じ所作で、両手を広げ、イザベル公女に向ける。


 その後、直ちに、シャルロッテよりもひと際強い光が放たれた。しかし、常時ではなく、断続的に。


 すると、苦しんでいたイザベル公女が落ち着きを取り戻した。


 さらに、数十秒後、一気に生気が溢《あふ》れてきた。


「よし。大丈夫だ。シャル、ありがとう」


「ええ、こちらこそ。

 ここまで細かな制御をしたのは初めて。

 良い経験をさせて頂いたわ。

 それにしても、お母様って、本当にすごい……」


「シャル、次は、かなり練習したから、本来なら、君だけでも大丈夫だとは思うが、先程の影響もあるかもしれないので、万全を期すために、伯母上に主体になって権能を行使して頂く。

 伯母上の行使は極めて精密だし、得難い機会だ。頑張ってくれ」


「わかったわ」と、シャルロッテは真剣な表情で答える。


「では、伯母上。

 今度は、伯母上が主体となって、遅効性がある、やっかいな毒の方を対処します。

 こちらは、以前と同様に、分解しても体に悪影響が残るので、分解した後は、吸収して、体外に排出します」


「ええ、わかったわ。いつでも大丈夫よ」


「ありがとうございます。では、再開します」


 すると、ジークフリートの頭上に、さらに別の宝玉が現れた。


 これをジークが一気に握りしめて粉々にする。


「では、伯母上。これを。

 私の権能だけでも、できなくはないのですが、伯母上の権能と合わせて行使してくだされば、この前のように短時間で排出できますので」


「ええ、この前の要領ね。大丈夫よ、任せて」

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