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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第60話

 その場には、残った5名以外に、公宮侍医長のクスマウルと彼を補佐する侍医2名、その従者達5名、さらに、近衛騎士5名と侍女3名の合計16名がいたのだが、彼らが瞬時に消失したのである。


 ロレーヌ公とニルデは、驚愕した。


「な、殿下、これは……」


「ロレーヌ公、緊急事態です。

 このままでは、公女殿下の命が……。

 この部屋を一時封鎖し、我が国より、聖女を連れてくる許可を頂きたい!」


「まったく異存ございませぬ、ぜひとも!」


「バーデン!

 至急、ここに、シャルか、アビーを連れてこい!!」


 叫んだ青年が頭上に浮かんでいた宝玉を床に置く。


 すると、宝玉が再び輝き出すと、一筋の光が天井に向けて放たれた。


「ここだ!

 申し訳ない、ロレーヌ公と侍女の方、少し離れていてください」


 やがて、宝玉から発せられた一筋の光が消えた。


 その瞬間、宝玉の光も消失したが、まもなく、再び宝玉から光が漏れ出し、やがて眩しい光となった瞬間、その場に屈強な戦士が現れた。


 そして、その後ろからは、2人の女性が現れた。


「ジーク、いったいどうしたの?

 お出かけする時間には、まだ早いと思ったのだけれど……」


 絵筆を右手に持った少女が話しかける。


「ああ、シャル、すまない。

 え、伯母上!

 伯母上もお越し頂けたのですか?」


「シャルが絵を描いているところを眺めていたら、突然、バーデンが現れて、シャルを連れて行くって言うものだから。

 私もご一緒させて頂いたの」


 先程までの緊張感とは、まったく異なる、およそ場違いな雰囲気で話しかける女性。


 しかし、ロレーヌ公と、ニルデは、瞬時に悟った。


 この女性こそが、大聖女ブリュンヒルデ、その人であることを。


「ああ、大聖女様……、どうか、姫様をお助けください」


「ええ、ご安心なさい。

 我が娘も、それに、ジークもいるのだから。

 ところで、ジーク、もしかして、この倒れている方も……」

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