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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第49話

「朴念仁のフリ……」


「まあ、当時は、あのように仲の良かったお二方の一方にのみ、特別なご好意を示されるのは差し障りがあったのでしょうし、そのようなご態度をおとりになられたのも、無理からぬことかと……」


「……」


「お話を続けてもよろしいでしょうか、殿下」


「う、うむ……」


 恐ろしいものでも見るような目で、従者から後ずさるジークフリート。


 もはや、帝国の絶対権力者とは思えない、ただの青年である。


「その後、シャルロッテ様がご無事であったならば、遠からず、殿下は、その思いを告げられたはずです。

 しかし、あの襲撃の際に、アビゲイル様は身を呈して、シャルロッテ様を殿下の元に送られたものの……、残念ながら、シャルロッテ様は、その途中でカレンベルク伯爵の手の者に捕えられ……、最終的には、お亡くなりになられました」


「今さらだ。そもそも、生きておればという、仮定の話ではないか……」


「しかし、この世では、殿下がお救いになられたことで、シャルロッテ様はご無事でおられるのです。

 ならば、その思いを告げられるのは、とても”自(・)然(・)”ではないですか。

 しかも、今の殿下は、アビゲイル様にも特別な感情をご自覚されておられる」


「……、だからこそだ……、俺は……、二人を同時に愛するなど……」


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