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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第47話

「殿下のおかげで、歌姫様がご回復し、2日後に延期されるものの、無事にご公演も開催されることになり、なによりでございます」


「何が、なによりだ!」


不満げに、ジークフリートが答える。


「我々が、あそこまで妨害したにも拘《かか》わらず、あの王太子が、自ら、他国の要人が少なからず居る、あの場で、直接あのような暴挙におよぶとは、私には想定外。

 やはり、運命に抗《あらが》うのは大変でございますね」


 一方で、イーセンブルクは飄々(ひょうひょう)と答える。


 とは言え、あくまでも、イーゼンブルクは、バーデン辺境伯の臣下であり、陪臣の立場で、主の主君である皇太子に対し直言するなど、厳密な封建貴族社会の帝国では本来は許されないことであった。


 実際、かつては、ジークフリートの従者であった時でさえも、都度、直言の許可を得ていたのである。


 しかし、女神によって、共に、この世に転移してきてからは、ジークフリートからの許可もあったこともあるのだが、それよりも、ジークフリートの内なる思いに応え、あえて直言を心がけていたのだが、最近は、二人だけの場合には、本当に遠慮がなくなってきた。


 さて、先のイーセンブルクの言を受けて、ジークフリートは追及した。


「確かに想定外だが、貴様が備えておらぬはずはない。

 そもそも、あやつの劇場への侵入を防げば、このようなことは起きなかったのだ。

 わざと見逃したな!」


「まあ、“終わりよければ全てよし”と、言うではありませんか、殿下。

 アビー様だけでなく、歌姫様からも絶大な信頼を得られたのですから」


 イーセンブルクは悪びれる風もない。その態度を見て、ジークフリートがさらに語気を強める。


「ひとつ間違えれば、どうなっていたことか!

 あのような、いたいけな少女を危険な目に合わせるとは!」


「お言葉ながら、殿下は、女性に甘すぎます。

 いや、そもそも、女性に対して、弱腰なことが、根本原因かもしれませんな。

 殿下は、”こ(・)の(・)世(・)”では17歳ということになっていますが、実際は”2(・)2(・)歳(・)”なのですよ。

 5年余り先の世から女神様にこの世に送られた私達は、身も心も、その分、年齢を重ねております。

 そのような立派な青年、しかも、帝国の皇太子殿下ともあろうお方が、夜な夜なご自身で、その火照りをお慰めになられているのは、とても看過できません」


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