第14話(※残虐表現あり・ご不快な方は、第15話へ)
-----------------------------
【作者コメント】
※この第14話と、前の第13話は、残虐な表現の記載がございます。
この話でご不快に感じられ、離脱されるのは、作者の本意では、ございません。
よって、そのような話がお好みでない場合、この第14話は、読み飛ばして、次の第15話にお進みください。
読み飛ばしても、ストーリーが追えるように配慮しましたので、安心して読み続けていただけるはずです。
なお、このために、逆に、この第14話と、この前の第13話をお読みになった方々には、第15話は、少し冗長な説明だと感じられるかもしれませんが、上記の理由によるためであり、ご容赦いただきたく存じます。
-----------------------------
そんな中にあって、政治権力に無頓着な皇弟にうまく取り入り、一介の侍従補佐から侍従長となり、伯爵位まで叙爵され、様々な権益をもとに多額の蓄財を手にしたオイゲン伯であったが、その政治的な基盤は脆弱であった。
「そろそろ潮時かもしれんな。
皇弟、誰が一番高く買ってくれるか……」
「誰も買うことはできぬ」
先程、皇弟が出てきた一画から、長身の男が出てきて、語りかける。
「何者だ!」
「5年ぶりだな、ジョドー」
「も、もしや、皇太子殿下!」
「とても直視できぬ所業だ。
あれを放置するだけでなく、積極的に手引きまでしていたとは。
貴様は万死に値する!」
「お、お待ちください。
皇弟殿下のご命令で致し方なく……」
「問答無用だ!」
すぐさま切り伏せられるオイゲン伯。
警護していた近衛兵達は、その場に立ちすくみ、誰一人動けずにいた。
「私は、皇太子のジークフリート・フォン・アウグステンブルクだ。
これから、逆賊の皇弟を誅する。邪魔すれば、卿らも逆賊とみなすぞ」
近衛兵達は、その場にひれ伏す。
その横を通り過ぎ、皇弟の後を追う。
すぐに皇弟を見つけたジークフリート。
「叔父上、逃しませんよ。あなたには相応の報いを受けてもらいます」
「お前は誰だ……。まあ、いい。余の目を見よ」
ジークフリートが皇弟ゲオルクと目が合った瞬間、目から光が飛び出してきたが、ジークフリートの手前で弾き飛ばされる。
「なぜだ。余が移れんとは……」
「なにか小細工をしたようだが……、無駄です、叔父上」
「んんん?
お前、何か、嫌な気配のものを隠し持っているな……。
一旦、引くか……」
「叔父上……、あなたは本当に叔父上なのですか?」
「むぅ、気づかれたのか……、仕方ない。
まあ、とりあえずは誰でもよいわ」
騒ぎに駆け付けた多数の近衛兵の一人に、目を向け、先程と同じく、目から光を発した皇弟ゲオルク。
その光が兵の目から他の兵の目へと次々と飛び移っていく。
しかし、近衛兵達には、特に変化はない。
「何をしたのかはわからぬが……」
皇弟ゲオルクに向き直ったジークフリートだったが、すぐに異変に気付く。
「うああああああああ!!」
頭を抱えて、狂乱した皇弟ゲオルクは、その場に崩れ落ちた。




