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エバー・ア・ソード・フォー・ローゼズ  作者: deki
本編2

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第92話

「これらは、万死に値する。

 よって、汝を捕縛し、その身柄を御前へ差し出した者たる内務卿に、その刑の執行を命ず」


 シャイデマンは、玉座に向けて、片膝を付いて一礼し、返答した。


「不詳、このシャイデマン、勅命を承りました。

 では、直ちに、この者に施した、我が権能を完全解除致します」


 すると、突然、皇兄は叫び出した。


「黙らぬか!!

 この聖女もわかっておらぬとはな。

 まったくなにもわかっておらぬ。

 よいか!

 弟達ではなく、ましてや、甥など、論外。

 余こそが皇帝なのだ!

 この愚かな聖女め。

 ここで、しっかりと躾けてやるわ!!」


「貴様が黙れ!

 まったく、誰が誰をどう躾けるというのか!

 貴様には、躾など、生ぬるい。

 内務卿よ、この者が殺めた聖女様方の苦痛をすべて凝縮させた、この我が剣を持って、直ちに誅せよ!」


 ジークフリートがそう叫ぶや、シャイデマンの目の前に、光り輝く宝剣が顕現した。


「き、貴様ら……、

 ああん、なぜ貴様ら如きが……。

 その玉座は余の……ぐわあああああああああ………………」


 玉座の間に、かつて誰も聞いたことがないような、凄まじい断末魔が響いた。


 しかし、シャイデマンによって、宝剣で胸を指し抜かれた後に、首を両断されると、声は途切れた。


 だが、それで終わりではなかった。

 

 信じがたいことに、両断され、絶命したはずの体が、未だに、のたうち回っていたのだ。


 しかも、両断された首が、ひとりでに浮かび上がり、元に位置に戻ろうとしていた。


「な……、まだ生きているぞ!」


 宮中伯の一人が叫ぶ。しかし、ジークフリートがそれを制し、皆に語りかける。


「その者は、すでに低位の人外を召喚させ、自らの体に取り込んでいたのだ。

 この者の側近達も同様だ。

 この者達は、滅せず、永遠に存在し続ける。

 しかし、この世に非《あら》ざる者達には、この世にいる資格はない。

 冥府に送り返し、そこで、永遠に、自ら与えた苦痛を受け続けるがよい」


 ジークフリートが宝玉を取り出し、そこから、皇兄の側近達や教会関係者を顕現させる。皆、皇兄の姿を見て驚愕する。


 その時、先程までシャイデマンに与えていた宝剣をいつの間にか手にしたジークフリートが、その宝剣を高々と掲げる。


 すると、宝剣は、黄金に輝き、青年の頭上の空間に、無数の短剣が現れた。


 そして、ジークフリートが宝剣を振り下ろすと、その無数の短剣が側近達に向かって放たれる。


 降り注ぐ短剣に攻撃された側近達には為す術もない。


 そして、無数の短剣に体を指し抜かれた途端、皆、凄まじい断末魔を発した。


「この世から、消え失せよ!!」


 ジークフリートが叫んだ瞬間、玉座の間の床に、複雑な紋様が施された円形の方陣が明るく浮かび上がり、それがゆっくりと、上昇していく。


 すると、その方陣の下からは、皇兄らの体が消えており、彼らの体が半分ほど消失した段階で、一気に方陣は一旦、天井まで登り、そこから、床に向けて、降下し、消失した。


 そして、この世に非ざる者達は、この世から消失し、冥府に送られた。


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