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第61話 筋肉と毒霧の魔人

ポウセンとリオン一行は、迷宮を少しずつ進んでいた。

今は竹助がいない。

だからこそ、慎重に。

確実に。

先頭はブロック。

巨大な楯を構え、罠や奇襲に備える。

その後ろにリオン。

剣を握り、右側を警戒。

バーバラ。

槍を構え、左側を警戒。

中央後方にはネイソン。

知識と観察眼で仲間へ指示を出す。

そして最後尾。

ポウセン。

後方警戒。

なおかつ全体を俯瞰し、隊列の乱れを見逃さない。

全員が役割を果たしながら、

一つ一つ、迷宮の罠を突破していく。

派手さはない。

スピードもない。

だが――

確実だった。

しばらく進み、休憩。

ブロック

「さすがに疲れたな……」

バーバラ

「筋肉の勇者が異常なだけさ。これが普通だよ」

リオン

「みんな、よくやってる。頑張ろう」

ネイソン

「ポウセンさん、あなたが後方を警戒してくれるおかげで楽に進めています。ありがとうございます」

ポウセン

「別にいいって」

軽く肩をすくめる。

ポウセン

「後ろから見てるけどよ……良いチームだな」

その言葉に、

リオンたちは少し照れる。

リオン

「この道は魔王シューベットに続いているでしょうか?」

ポウセン

「さぁな。だが、五人衆の誰かはいるだろうな」

ブロック

「えぇ!?」

ポウセン

「扉は五つあったんだ。それぞれに五人衆……そう思わねーか?」

ネイソン

「実は私も同じことを考えていました」

一同が注目する。

ネイソン

「ただ、ポウセンさんたちが倒した五人衆の担当という可能性もあります」

バーバラ

「それなら五人衆不在の道もあるってことか?」

ネイソン

「断言はできませんが、おそらく」

ブロック

「残りはパドル、ブルーウェル、プランクリンか……」

ポウセン

「どいつが一番強いんだ?」

リオン

「どうでしょうか……私たちからしたら全員化物ですから」

ネイソン

「話が分かるのは間違いなくブルーウェルでしょうね」

バーバラ

「他のやつらが脳筋すぎるだけな気がするけど」

その時。

ゴォォォン!!

重い音が迷宮に響く。

ブロック

「なっ!?」

振り返る。

通ってきた道。

石の防壁が落ち、完全に封鎖されていた。

ネイソン

「後退路が……塞がれた!?」

さらに――

前方。

ズズズズ……!!

進行方向にも巨大な防壁が降りる。

リオン

「前も……!?」

バーバラ

「嘘だろ……」

完全封鎖。

逃げ場なし。

閉じ込められた。

ポウセン

「――みんな構えろ!!」

鋭い声。

一瞬で全員が武器を取る。

ブロック

「な、なんなんですか!?」

リオン

「まさか、五人衆!?」

ポウセンは静かに周囲を見渡す。

鼻をひくつかせる。

そして――

ポウセン

「全員気を付けろ……毒だ!!」

全員が即座に口元を覆う。

その時。

パチ……パチ……パチ……

場違いな拍手。

???

「やりますねぇ。閉じ込められてなお冷静とは」

闇の中から、

一人の男が姿を現す。

長身。

痩せた頬。

不気味な笑み。

リオン

「あいつは……プランクリン!!」

男は優雅に一礼する。

プランクリン

「ほう。私の名前を知っているのですか。光栄ですねぇ」

バーバラ

「……とんだ外れだね!!」

ネイソン

「ポウセンさん、気をつけてください!」

ネイソンの声が緊張を帯びる。

ネイソン

「こいつは毒で村一つを全滅させた男です!!」

ポウセン

「……なに?」

プランクリンは薄く笑う。

プランクリン

「そんなことまで知っているのですか。あれは傑作でしたねぇ」

その瞬間。

ポウセンの目が変わる。

普段の軽さが消える。

切り込み隊長としての殺気。

プランクリン

「あなた方も運がない。逃げ場もないこの空間で、じわじわと――」

ポウセン

「おい」

プランクリン

「……?」

ポウセン

「この俺を相手にするとは。お前も運がねぇな」

一瞬。

空気が凍る。

プランクリン

「……生意気な」

ポウセン

「懺悔の言葉は、浮かんだか?」

毒殺の魔人と、魔王軍切り込み隊長。

戦いの火花が放たれた。

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