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58 またまた、テコ入れ温泉回だよ

カラ〜〜ン、カラ〜〜ン。

「一等賞の三名様荒間温泉二泊三日ご招待が出ましたぁ〜」

商店街の福引所で一等賞が出た事を、ハンドベルを鳴らされながら、告知される。

オレは福引用の玉出し機の前で、金色に輝く玉を見ながら、やや茫然としながら思った。

(お…温泉回が始まるのか…ぁ?)

  ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ 

オレは電車に乗って、ぼんやりと車窓から見える景色を見て居た。

電車の迎え合わせの座席には、春物のワンピに薄手のジャケットを羽織ったオレが窓際に座り、Tシャツにパーカーの上着を着てジーンズを穿いてる俊がオレの隣に居る。

遊馬は向かいの座席にジャケットとスラックスと云うちょっと大人っぽい格好で座って居た。

俊と遊馬は何やら駄弁って居て、オレはちょっと長い時間電車に乗って居たので、少し退屈してぼんやりと車窓の景色を見て居るのだ。

車窓から見える景色は、豊かな緑を湛えた山々と、清流が流れる谷川が線路の眼下に見えている。

これから行く温泉地は、山間の秘湯として温泉好きには知られた所らしい。

「真琴…何見てんだぁ」

オレの顔の横に顔を寄せる様にして、俊が聞いて来る。

「ああ~、随分山の方に入って行くんだなぁと思って、何と無く見てたよ」

オレがそう言うと、向かいの席に座る遊馬も、車窓から外を見る。

「こんな山奥の温泉地何て、ワイは初めてだよ」

例の福引で、温泉地に行く事になったのは、オレと俊と遊馬の三人だ。

何故このメンバーになったかと云うと、まぁ成り行きだった。

オレはたまたま、商店街五十周年記念福引で、二泊三日の温泉地宿泊券三人分を当てたのだが。

最初オレは、温泉地に何て行く気なんて無かったので、恵美姉ぇに渡して旦那と行ってくればと言ったんだが。

「うちの旦那の病院は今、常勤医師不足で当分休みが取れそうに無いのよね…それに奈っちゃんは三歳になったばかりの幼児だから、旅行に連れ出すのはちょっと大変な苦労になるから、遠慮するわ」

と…言われて断られたんだ。

それでこのまま宿泊券を捨てるのも勿体無いし、どうしょかと思ってたら遊馬が、ワイ等幼なじみ三人で福引で当たった温泉に行こうと言って来たんだ。

オレもそれは良いなと思い、オレに俊に遊馬の三人で、その温泉地に行く事になったんだ。

その事を恵美姉ぇに報告すると…。

「男子二人と女子一人で温泉旅行ですって、確かマコちゃん以前は幼なじみの男子に自分が異性になった事を意識してもらい、出来れば子作りに協力してもらいたいって言ってたわよね…それでいきなり3Pでもするつもり!?」

恵美姉ぇにそんな風に言われ、オレは否定するが信用してもらえず…。

「高校生で妊娠出産は早すぎるし、お父さんが聞いたら卒倒するわよ!」

「イヤ、だから…オレ達はだだ幼なじみ同士で温泉旅行をしょうと言っているだけで、そんな事する気無いから」

「そうは言っても、若い男子二人と女の子一人で旅行何て…男子が我慢出来るはず無いじゃな無いの、仕方無いからシッカリと避妊はする事!」

そう言って恵美姉ぇがオレにコンドームやアフターピルが入った箱を持たせて来て…その後一時間以上も、避妊具の装着の仕方からアフターピルの効能まで、恵美姉ぇから延々と聞かされたのだった。

その事を思い出して、オレはヤレヤレと言った溜息を吐いた。

(まったく恵美姉ぇは気を回し過ぎだよ…確かにコッチに帰って来た当初は、オレは女として受け入れられる男は、幼なじみの俊と遊馬くらいしか居無いだろうと思って居たから、二人にはオレを異性として意識してもらって、出来れば何時か子作りに協力してもらおうと思ってたけど……今は…)

そんな事を考えて居ると、突然目の前が真っ黒になった、どうやら電車がトンネルに入った様だった。

外の景色が見れ無くなったので、オレは車内に向き直ると、俊と遊馬が何かバカ話をして盛り上がって居る様だだった。

「なに、何の話をしてんだ?」

オレも話に加わろうと話掛けると。

「遊馬の奴が、新しく見つけた無修正エロ動画で何発抜いたかって自慢するから僕だって…」

オレに俊が面白そうに、遊馬のオナニー話を言いかけて、途中で言うのを止めたのだ。

「何だよ、途中で言うの止めて」

オレが怪訝な顔になって、俊に言うと。

「あっ…いや、女の子にこんな話はどうかと思って」

俊がオレから目線を外し、ちょっと恥ずかしそうにしてそう言った。

「はぁ~っ、何言ってんだよ…オレはお前等と秘蜜基地でチン“ピーッ”を見せ合いっこした仲だろう、エロ動画で何発抜いたかって話、オレは何とも思わ無いよ」

オレがちょっと呆れ気味に言うと。

「だけど…今は、真琴は女の子だし…」

俊はますます恥ずかしそうにしながら、ちょっとモジモジして言い。

「ハハッまあ、俊は意識し過ぎだとワイも思うけど、でもやっぱりこう言う話は女の子にはちょっと、話し辛いかなぁ」

遊馬も頭を掻きながら言った。

オレはその時、今まで感じた事の無い隔たりを俊と遊馬に感じた。

  ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ 

そこは山間渓谷の間に有る、鄙びた温泉地だった。

谷川の両岸に十軒程の温泉旅館が建って居て、所々から温泉の湯気が立ち昇って居るのが見えた。

午後早くに温泉地に着いたオレ達三人は、その中でも比較的新し目の建物の旅館に入った。

受付に居た女将さんに、宿泊券を見せると、ちょっとオレ達を見てそれから言った。

「いらっしゃいませ、当館を御利用ありがとう御座います…お客様は男の方二人と女の方一人で一部屋と伺ってますけど、今からでも二部屋に出来ますが?」

別に追加料金は発生はしないそうだけど、オレ一人だけ別の部屋と云うのも嫌なので、三人で一部屋にして欲しいと念を押した。

女将さんはちょっと怪訝な顔をしたけど、直ぐに中居さんに部屋に案内する様に指示した。

(男と女混合で一部屋を取るのは変なのか…)

部屋に案内されるまでの間、オレはそう思ってちょっと困惑する。

案内された部屋は、如何にも旅館の部屋と云う部屋で、広さは十畳位で部屋の真ん中に座敷卓が置いてあり、窓側にも一人がけソファー二脚が置いてあった。

オレは座敷卓の横に、浴衣が三人分置かれて居るのを見つけて、早速浴衣に着替えようと服を脱ぎ出す。

「うわっ、ちょっと待って、真琴ぉ」

オレが春物のワンピを脱ぎ、キャミソールとパンツ一枚の姿になったところで、俊が慌てた様に声を上げた。

「ぼ…僕達は部屋の外に出てるから、その間に着替えてよ」

そう言って、俊は遊馬を連れて部屋から出て行ったのだ。

一人残されたオレは、ちょっと気不味い感じになったけど…しょうが無いと思いそそくさと浴衣に着替える。

その後は、今度はオレが部屋から出されて、俊と遊馬が浴衣に着替えた。

それからオレ達は、早速に温泉地の散歩に出掛ける事にしたんだ。

オレを真ん中にして、左右に俊と遊馬に挟まれる様にして温泉地を漫(そぞ)ろ歩いた。

オレは浴衣を着るとき、ブラジャーをして着るのは些か無粋な気がしてブラジャーを外したんだけど、だから今オレはノーブラの上に浴衣を着てると云う状態なんだ。

ブラジャーの締め付けが無くなって、オレとしては解放感を感じていい気持ちなのだが、チラチラと左右の俊と遊馬からの視線が、オレの胸元を彷徨うのを感じる。

ブラジャーの保持力が無くなっても、フルフルと揺れるほどの豊かさが無いオレの胸では、物足りないんじゃ無いかと、ちょっと二人に済まない様な気になった。

だけどオレは、少しウキウキして居て燥(はしゃ)ぎたい気分でもあった。

それは俊と遊馬とで、修学旅行にでも来てる感じがするからだ。

今行ってる学校では、修学旅行は二年の一学期に行くのが恒例らしく、オレが転校して来た二学期ではもう終わって居たんだ。

それを聞いた時、正直オレは落胆した。

仲の良いクラスメイトや俊に遊馬と、修学旅行でしか得られ無い思い出が作れ無い事に、正に慚愧に耐えないと思えたから。

だけど今…オレは幼なじみの友達の二人と観光地を散歩してる。

出来なかった修学旅行をしてるみたいで、オレのテンションは上がりまくり、鼻歌を歌いつつふざけて俊に抱きついたり、遊馬の背中をバンバン叩いたりした。

その都度、俊は慌てたり遊馬は笑いながら、オレを叩き返して来た。

気の置けない友人達と、じゃれ合いながら歩くのは、今しか無い得難い経験なんだなと思った。

しばらく歩いてアチコチ見て周ると、それ程大きな温泉地では無かったけど、それでもお土産屋や郷土料理を出す食べ物屋がそこそこ軒を連ねて居た。

それから谷川を渡る橋からは、遠くに釣りをしてる人を河原に見かけたりする。

「おい、河原の方に露天風呂が有る見たいだぞ」

遊馬が河原の一画を指さして言う。

遊馬の言う方を見ると、河原に囲いがされた所が有り、そこからモクモクと温泉の湯気が立ち昇っていた。

「ホントだ、露天風呂だよ、オレ達も入れないか行って見ようぜ!」

オレはそう言うと、近くにあった河原に降りる護岸の階段を降り始めた。

俊と遊馬も、慌ててオレの後を付いて来る。

案の定、河原にあった囲いは、露天風呂だった。

入浴料200円と云う札を見つけて、オレは早速中に飛び込んだ。

オレは中に居た管理してるらしいおじさんに200円を渡して、浴衣の帯を解こうとしたら。

「おいおいちょっと待って、女の入浴時間は午後五時から七時までだよ、未だ今は女は入れ無いよ」

管理してるらしいおじさんにそう言われて。

「え~っそんなぁ〜」

オレはそう言って、落胆で肩を落としたのだった。

オレは俊と遊馬に慰められながら、旅館に帰って来た。

帰って来てオレは、露天風呂に入れ無かったリベンジとばかりに、旅館の温泉の大浴場に俊と遊馬とで一緒に行く事にする。

大浴場は、宿泊客の居る本館棟からちょっと離れた建物の中にあり、そこに向かうのに細長い渡り廊下を渡って行く。

渡り廊下からは、五月のまさに新緑が競う様に芽吹いて、萌立つ様な山々が見て取れた。

そして大浴場には、当然の如く男性用と女性用に分かれて居た。

ここでもオレは落胆した、女性用にオレ一人で入らなくてはならないからだ。

出来れば俊や遊馬と一緒に温泉に入って、背中の流し合いとかしたかったなぁと思う。

それに彼奴等のチン”ピーッ“がどれ程成長したか、また見せ合いっこがしたかったなぁとも思った。

もっともオレには、もう見せ合う物が無くなってしまったけど、代りにオッパイくらいなら揉ませてやっても良いかなぁと思った。

オレはタオル一枚を身体の前に垂らして、オッパイと股間を辛うじて隠しながら、大浴場に入った。

木の香りと温泉成分と思われる、独特の香りが漂う大浴場はソコソコの広さで、壁から温泉の掛け流しの出湯口が開いていた。

幸いと云うか大浴場にお客は、オレ一人の様だった。

オレは五メートル四方くらいの、木の湯船にゆっくりと入る…すると。

「はうぅ…いい気持ちだなぁ」

オレは思わず、おじさん見たいな声を出しってしまったのだ。

しばらく温泉を堪能して耳を澄ますと、隣の男性用に入ってる俊と遊馬の声が聞こえて来た。

二人ともオレ見たいに、おじさんの様な声を出して温泉に浸かって居る様だ。

「お~い俊に遊馬ぁ、男湯はどんな感じだぁ」

オレは、男性用と女性用を隔てている仕切り板塀越しに、二人に声を掛けた。

「あぁ~いい湯だよ、お客がオレ達だけなので、貸し切り状態だよ」

遊馬が返事を返して来た。

「こっちも貸し切り状態だよ…オレ一人だけで温泉に入ってる何て、ちょっと寂しいなぁ〜」

オレがちょっと寂しい気に言うと。

「あぁ~そうか…でも僕達が女性用に行く事は出来ないからね」

俊が同情する様な声音で言った。

それから仕切り板塀越しに、オレと俊に遊馬とで何時もの下らない会話をしたが…やはりオレだけ一人と云うのは、ちょっと擬(もど)かしく思う。

「なぁ…男性用の浴場に、他のお客が居無いのなら、ちょっとオレがそっちに行っても良いか?」

オレがそう言うと、仕切り板塀の向こうから慌てた様な声が聞こえて来て、バシャバシャと水音が聞こえて来た。

「ぼっ、僕達はもう温泉から上がるから、真琴はこっちに来ちゃダメだよ!」

そう言って、仕切り板塀の向こうから、出入口のガラス戸を開け締めした音が聴こえて来たのだった。

「えぇ~っ」

オレは俊達の素早い行動に、不貞腐れた顔になり、湯船に浸かりながらブツブツと、愚痴をこぼした。

大浴場から出ると、入口の廊下に俊と遊馬が待って居てくれた。

「おい…男湯に突撃して来る何て、勘弁してくれよ」

遊馬が頭をガシガシと掻きながら、オレに言って来る。

「真琴ぉ…他の男のお客さんが入って来たら、どうするつもりだったんだ?」

俊も困惑を滲ませた表情で、オレに詰め寄って言って来た。

「えぇ~そんときゃそん時で、何とかなるだろう」

オレが如何にも脳天気な答えを返すと。

「「なるかーっ!!」」

俊と遊馬二人同時に、突っ込まれた。

  ーーーーーーーーーーーー

大浴場から帰る途中に、自動販売機が置かれたホールの様な少し広い場所があり、そこには卓球台が置かれて居いた。

「おい皆んな、コレやらないか?」

オレが卓球台を指さして言うと。

「おおぉ~卓球かぁ、温泉旅館で卓球をするのは、日本国憲法にも書かれてる日本国民の必須義務だからなぁ」

そう言って、遊馬が腕をグルグル回しながら、備え付けのラケットとピンポン玉を取った。

オレと遊馬との卓球は、最初は穏やかに玉を打ち返すだけのラリーで始まった。

遊馬は、水泳部の部長をしてるだけあって、中々に運動神経が良いのだ。

そしてオレも、球技全般はあまり得意じゃな無いのだけど、卓球だけはちょっとやり込んだ事があり、そうそう負ける気はしない。

因(ちな)みに俊は…卓球と言わず、運動全般があまり得意では無い様だ、だから何時も俊は点数を数えたり審判見たいな事を、したりして居る。

ある程度オレの身体が温まり、遊馬も額に薄っすら汗をかき始めたら…。

「いくぞ!」

掛け声と共に遊馬は、強烈なスマッシュを打って来た。

オレも素早く横に飛び、その玉を打ち返す。

カコン!カコン!カコン!カシュイーン!

オレと遊馬との卓球のラリーは、非常にスピーディーで中々に見応えが有るものになった。

やがて同じ宿泊客と思しき人達が、オレと遊馬の卓球を見物に集まり出した。

「おおっ、スゲーなぁ、あの二人何処かの大学の選手かぁ」「ジュニアのオリンピックの強化選手とかじゃあ無いかなぁ」「こんな白熱するラリーは、最近の大会でもあまり見ないよな」「二人とも、いいとこ高校生くらいなのにスゲーなぁ」

等などと観客(やじうま)達は思い思いの事を言い合っていた。

オレは更にラリーのスピードを上げようと、今以上に身体のスピードを上げた…すると。

「おい…あの女の子、浴衣の下はノーブラ見たいだぜ」「激しく動くから、浴衣の胸元が開(はだ)けて来て、もう後ちょっとで乳首が見えそうだぜ」「胸もそうだけど、素早く動こうと両足を大きく開いて居るから、浴衣の裾が大きく開いて今にもパンツが見えそうだぜ」「オッパイは大きくは無いけれど、胸元に光る汗の輝きが何とも言えない艶っぽさを、醸し出して居るなぁ」「はぁ~眼福、眼福、良い物を観させてもらった、寿命が数年延びた気がするね」

観客(やじうま)達は卓球のラリーよりも、別の物に気を惹かれて居た。

そして俊が、周りの客達が卓球以外に注目して居る事に気付く。

オレはその時、珍しく遊馬がミスショットをして、フラフラと飛んで来たピンポン玉を、強烈なドライブショットで打ち返そうと腕を振り上げた時。

「真琴、ストップ!」

そう言って俊が、オレの前に立ち塞がる様にして、止めて来た。

「ええ~っ何だよう、勝負の邪魔しないでよ」

オレが俊に文句を言うと。

「真琴、浴衣の胸と足元を見て」

そう言われて自分の浴衣を見ると、胸元が開(はだ)けてもう二~三センチで乳首が見えそうだった、そして浴衣の下の裾は盛大に捲れ上がり、もうちょっとでパンツをご開帳する所だったのだ。

オレは浴衣の襟と裾を直しつつ、俊と遊馬の三人で部屋に飛んで帰ったのだった。

蛇足です。またR-18の書き足しを火曜日にノクターンノベルズに投稿します。今度は響也に真琴が犯されるそうになった時の、R-15では不適切な部分の書き足しと、if展開として、あのまま真琴が犯されたらどうなって居たかのマルチバースです。

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