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38 ヨナの日

オレは今…ノーパンである。

オレの頼り無いヒラヒラしたミニスカートの中が、スッポンポンで丸見え状態なのだ。

何故こんな事になったかと言うと…今日は朝から何だか不吉だったのだが。

新学期が始まって二日目、今日から通常授業なので、オレはそれなりに張り切って学校に出かけようと、履いたローファーの爪先を床にトントンと当てて居たら…カランと音がしてローファーの踵が突然取れてしまったのだ。

そんなに履き草臥(くたび)れたローファーでは無く、下ろして半年も経って居ない筈なのに。

幸いまだ玄関内だったので、直ぐ予備のローファーに履き替える事が出来て事なきを得たのだが、ちょっとオレは腑に落ちない気分だった。

ソレからバス停に行こうとして居ると、黒い猫が五〜六匹集団でオレの前を横切って行って、その上バス停の日除けの下に入る直前、目の前を何かが掠める様に落ちて来て、足元を見ると鳥のフンだった。

上を見たら数羽のカラスが電柱に止まって居て、アイツ等からのフンだと分かった、それでオレにとって何か今日はツイてない無い日…ヨナの日では無いかと予感させた。

ヨナの日とは…元居たミッション系の女子高校で、生徒間でよく言われて居た事で。

旧約聖書のヨナの書に書かれて居る予言者ヨナが、神を横切る行為いをしてしまい…不幸に身舞われると言う事から、不幸な日、ツイてない日、厄日、と行った意味で使われる言葉なのだが。

案の定その日は…何故か普段それ程混み合わないバスがそこそこ混み合って居て、それで何時もなら座席に座って学校まで行けるのに、その日は座れずに立ちっぱなしで学校までの三十分ほどを過ごした。

バスを降りて何時も通りに校門を通ろうとしたら、偶々居た風紀委員がオレの何に気付いたたのか持ち物チェックを受けた。

もちろん不審物や校則で持ち込みを禁止されてる物等は持って居無いので、程なくオレは通して貰えた。

ソレから教室で自分の席に着こうとした時、ウッカリと足の向う脛を机の足にぶつけてしまって、しばらく脛を擦りながら痛さに耐えた。

そしてカバンを開けて教科書を取り出そうとしたら、不意にチャックが開いて教科書を床にぶち撒けたてしまった。

オレはソレを見て、朝から散々だった事を思い出して、些かウンザリとしたら溜息が出た。

「大丈夫ですか、マコちゃん」

隣の席に着いた森谷千秋が、床にばら撒いた教科書を一緒に集めてくれながら言う。

「うん、大丈夫…ありがとね」

オレは一応千秋には笑顔でそう答えたが…今日は気を付けないとイケナイ日なのだろうとオレは思った。

授業が始まると特にコレと言った事も無く、普通に時間は進んでお昼休みになった。

何時も通りに森谷千秋と隣のクラスから越境して来る明里とで食堂で昼食を取り、中庭のベンチで今朝に起きたオレのツイて無かった事や、今日は前の学校で良く言って居たヨナの日ではないかと思った事を二人に話すと。

「へえー、ソレはツイて無かったわね、それにしてもヨナの日か…そんな風に言うんだ」

明里がちょっと感心した様に言う。

「マコさんは…それは大変でしたねぇ、そう言えばそんなツイて無い日って確かに有りますもんねえ」

千秋はちょっと思い返す様に言う。

それからオレ達は、そう言ったツイて無かった日の不幸自慢見たいな事を喋り合って、昼休みを過ごした。

皆とのお喋りの後、午後の授業の前にオレはちょっと用を足そうと廊下を歩いて居ると、担任の先生に呼び止めるられる。

オレはヨナの日が続いて居るのかと、ちょっと身構えて担任に向き合っうと。

小柄で何時も白衣を着て居る、中年の男の先生はオレを見て、少し口籠りながら聞いて来た。

「小鳥遊さんは部活はやって無かったですよね?」

「はい、やってませんが」

「では、今日の放課後は時間が有りますか?」

「今日ですか…はい時間は有りますけど…?」

「ちょっと放課後、図書室まで来て欲しいのですが…今日の当番の図書委員が体調不良で早退したので、新規入荷の図書に分類シールを貼って書架へ入れる整理を手伝ってもらいたいのですが、出来ますか?」

担任はやや申し訳無さそうに言って来る。

「はい、出来ます」

オレは元気良く返事をした。

実はオレは、先程に明里達と今日のツイて無い事を話し合って、何だか厄落しをした様な気分になって居たので、懸念無しに担任に応えたのだ。

「ありがと、それじゃ授業が終わった三時頃に、東校舎の三階の図書室に来てくれますか」

「はい、分かりました」

「いやぁ~助かります、他の生徒達にも声をかけたのですが…皆に断られてしまって、ちょっと困って居たところだったのですよ」

そう言って担任は去って行った。

オレはソレから当初の予定通り、一階職員室横にあるお手洗いに入った。

何故わざわざこのお手洗いに来たかと言うと、ここの女子トイレだけウオシュレットが付いているからなのだ。

ウオシュレット付きトイレで用を足して、オレは便器から腰を上げてスカートを挟ま無い様に捲り上げ、パンツも上げた時…。

ブッブーッ、ゴボゴボシャーッ、という音と共に洗浄噴射口から水が吹き出して来た。

オレは慌てて停止ボタンを押して水を止めたが、パンツはお尻からクロッチ部分までグッショリと濡れてしまったのだ。

オレは濡れたパンツを脱いで、ポケットに入れてお手洗いを出た。

オレは保健室に行けば、非常備品として急に生理になった女子用に女子パンツが置かれている事を知って居たので、そこに向かおうとした時…無常にも授業開始前の予鈴が鳴ったのだった。

オレは…保健室に行くべきか教室に行くべきか暫し葛藤した後、オレは教室に向った。

教室に向う途中の階段でオレは一瞬上るのを躊躇した。

制服のスカートはジャンパースカートで、丈は膝丈なので大丈夫のはずだと思う。

ブレザー等の制服のところでは、よくスカートをウエストを巻き込んでミニスカにして居る娘が居るけど、そう言う娘は階段でよくパンチラをしてしまうそうだ。

今のオレはパンチラでは済まなくて…モロチラしてしまうので、慎重にお尻部分を押さえつつ、一歩一歩と階段を上がって行った。

他の生徒が下から駆け上がってオレを追い越した時等は、一瞬ビクッとしてドキドキと動機が激しくなった。

何とか本鈴前に教室に付いて席に座ろうとした時も、スカートのお尻を撫でる様にして、生尻で座ら無い様に用心する。

たかだかパンツ一枚…布地一枚なのに、座席の板が何故か硬く感じた。

そして股間周り腰周りの頼り無さは…何とも言え無い不安感を感じさせた。

授業中もオレの意識は腰周りに集中して、授業には身が入ら無かった。

突然先生に教科書の指定された所を読む様に言われた時も、どこを読んでよいのか分からずオタオタして居ると、千秋が教えてくれて事無きを得たが…。

立って教科書を読んでるときも、スカート一枚しか無い事で腰周りが頼り無くてドキドキとした。

オレの挙動不審さに千秋が心配そうに見て来る。

授業が終わって、千秋が何か言って来たのも聞かずにオレは、保健室に一目散に駆け込んだ。

「ごめんなさい、今日は生理になる娘が多くてね、()()っきに備品のパンツが品切れになった所なのよね」

と言う保健の教護の先生の言葉を聞き、オレは絶望のドン底の様な顔で保健室を出た。

ウオシュレットの故障→保健室の備品パンツの品切れ…どうやらヨナの日はまだ続いて居るらしいと思えた。

後から考えれば、体育用のショーパンでも穿けば良かったはずなのだが…その時のオレは頭が近視眼的に堂々巡りをしていて、ソレに思い至ら無かったのだ。

フラフラと教室に帰って来たオレを、千秋が心配そうにどうしたのかと聞いて来るが…オレはノーパンだと云う事が恥ずかしくて、曖昧に笑って誤魔化した。

授業が終って、今日はサッサと帰ろうと思って帰り支度をして居た時…オレは放課後に担任に図書室での手伝いをする約束をした事を思い出したのだ。

オレはコレでも結構真面目な性格なので、担任との約束をすっぽかす気になれず、イロイロと危機を感じて居たがそれでも図書室に一応は向う事にした。

図書室のある東校舎に行くには、今居る中央校舎から校庭を横切って東校舎に渡る必要があるのだけど…。

中央校舎の校庭側出口で空を見上げると、雲が速いスピードで流れ上空で風が舞っている音がして、ちょっと天候が荒れ気味だと思われた。

それでもオレが校舎から校庭に出ようとしたら、突然砂塵が舞い上がって一陣の突風が校庭に吹いた。

ビユワァアーッと云う音が聴こえ、たまたまその時に校庭に居た女子生徒達のスカートが、ブワァ〜ッと盛大に捲り上がった。

「キヤーッ!」「いやぁ~っ!」「さいあく〜っ⁉」

女子生徒達の悲鳴が上がり、色とりどりで色んなデザインの女子のパンツが衆目に曝される。

同じくたまたま居合わせた男子達は、突然の女子のパンチラに歓声を上げたり、或いはニマニマと笑ったりして居た。

オレは校庭に出る寸前で、スカートを押さえつつ、それらを見て冷汗を流した。

(あ…危な…もうちょっとでパンチラどころかモロチラをしてしまう処だったな……そうなれば男子達は盛っと喜んだのかなぁ…)

オレは今の起こった事に恐れ慄きつつ…少し残念に思う自分が居る事に…自身で驚いた。

(な…何なんだこの気持ちは!)

オレは自分の気持ちに酷く困惑した。

兎に角オレはこの突風が吹く校庭を横切って、東校舎に行かなくてはならない。

オレはしばらくの逡巡した後、意を決して足早に校庭を渡り出した。

ゴオオオーッと、何やら上空で風が渦巻いている音がするが、校庭での風はそれ程では無かったが…。

オレは風が思いの外に穏やかな事に安堵しつつ、スカートの前と後を押さえて足早に進む。

後十メートルほどで東校舎への入口に着こうかと言う時…校庭の端につむじ風の砂煙の柱が立ち、ソレが凄いスピードでオレの方に向かって来た。

オレがそれに気付いた時にはもう躱せ無い程に追い付かれて居た。

(ダメだ追い付かれる、ヤバイ!)

そう思った時、渦巻く風がオレを巻き込んで上に吹き上げた。

足元から立ち上がる風がスカートの中に入り込み、激しくお尻や股間の素肌を撫でる様に吹いて行く。

オレは必死にスカートの裾を両手で押さえて、辛うじて捲れ上がるのを止めた。

普段余り外気に晒される事の無いところの素肌に、風が当たるのは何か妙に開放的な感覚になるのをオレは覚えた。

辺りを見廻すと、数人の男子がオレをを見て居て、また突風に依るパンチラを期待して居たらしく、落胆した表情をして居た。

(ふふん、そう簡単にラッキースケベ何んてさせ無いよ、ソレに今はパンチラじゃあ済まないからね…ご愁傷様だね)

等とオレは思い、そしてそんな風に思った自分にオレはまた困惑する。

ソレからオレは、東校舎に入り三階にある図書室に行くための階段のあるフロアに行くと、階段横で数人の男子達が駄弁ってたむろして居るのが見えた。

オレはその男子達に気づかれ無い様に、そっと階段を登り始める。

一段一段と階段を登って行き、折り返す踊り場まで後数段と云う所で、男子の一人がオレに気付き他の男子達にも知らせて注目される。

オレは、階段下から男子達に見上げるられる事に、酷く緊張して段を登った。

階段下から見上げられても、角度的にはスカートの中が覗ける筈は無いと分かって居るが、それでも男子達の視線がオレの股間に集中して居る様な錯覚を覚える。

そして一歩一歩と段を上がるために足を上げると、股間が素肌で曝されて居るのが太腿同士の擦れに依って感じられる。

何とか踊り場に着いて、階下の男子達を見ると、彼らは特にニヤけたりもせず、ただオレの容姿をボーと見ていただけの様だった。

そんな男子達の間の抜けた顔を見て居ると、オレはある想いが頭の中に思い出された。

オレがまだ男子だった頃、女の子の裸姿(ヌード)はある種の憧れだった…特に股間の女性器(ワギナ)は秘密のベールに隠された神秘の秘所だったのだ。

あの頃は写真や動画で一応はもうどう言う物かは見て知っては居たが、しかし生で実物はまだ見た事が無くて…兎に角若い雄の欲求と好奇心とで…見て見たいと切望して居たなぁ。

あの時のオレが見て見たいと切望したモノが…今オレのスカートの中に有る…。

階下でオレを見上げる男子達も、きっと見たいに違い無い、そうオレには思えて来て…。

(どうだお前等…女子のアソコが見たいだろう、見せてやろうかぁ~)

そんな思いがオレの脳裏を走り、どうやらノーパンだと云う度重なる緊張が、少しオレを可怪(おか)しくさせて居る様だ。

オレの理性は避諱(ひき)して居るのに、身体の奥底から湧いて来た原初的な欲望の様な物がオレの身体を突き動かして居る。

オレはスカートの裾を持って持ち上げ様としたが…オレの理性の最後の抵抗で、手をスカートの裾から離した。

オレはそのままそそくさと階段を上がり、図書室に向った。

図書室に行くと…俊が居た。

「あ…俊、お前も担任に呼ばれたのか?」

オレがそう言うと。

「ああ、担任に真琴一人で手伝う事になってるて聞いたからね」

ちょっと照れ臭そうにしながら言う。

「やあ来てくれたね小鳥遊真琴さん、雨宮俊くんにも声をかけたら、手伝ってくれるそうなので、来てもらったよ」

そう言って、図書事務室からダンボール箱を載せたカートを押して、担任が出て来た。

ダンボールの中には、数十冊の本が入って居てそれが新たに入荷した本なのだそうな。

「小鳥遊真琴さんと雨宮俊くんとで、リストに沿って分類シールを本に貼ってもらって、その後書架に納めてくれたら仕事は終だよ」

担任がそう言うので、オレと俊とでダンボールから本を出して、図書室受け付けの机でシールを貼り始める。

担任は隣の事務室で、入荷した本のデータをパソコンに入力して居る。

オレと俊とで黙々とシール貼りをして居ると、何やらチラチラとオレを俊が見て来る。

なに?と云う感じで俊を見ると、俊は慌てた様にオレから視線を外す。

(初めて好きになった女の子を見る中坊かよ!)

オレはそう思って、俊がひどく可愛く思えて来た。

三十分ほどで全ての本にシールを貼り終り、次にその本を分類に沿って書架に入れて行く事になる。

オレがカートに本を乗せて、本棚が並んで立って居る所に運んで居ると、俊が脚立を二台持って来た。

(書架の上には、脚立でないと本を入れられ無いのか…)

そんな事をボンヤリ考えて居た時、オレが今はノーパンだと言う事を思い出した。

(まずい、まずい、まずい、どうする…いま変に狼狽えてもどうしょうも無いけど、ソレに挙動不審に思われるともっとまずい事に…)

オレの思考は千々に乱れる。

本は二人で二手に別れて書架に納めて行く事になり、当面の危機は避けられたとオレは思った。

オレは図書室の左端から、割り当てられた本を本棚に納めていき。

俊は右端から本を本棚に納めて行く事になった。

オレは順調に本を本棚に納めて行き、残り十数冊を本棚の上の方に、脚立で納めるだけになった。

オレは意を決して脚立に足を掛け、脚立の上に股を開いて腰掛けて、本棚の上の方に本を納めて行く。

粗方納め終った時…俊がオレの方にやって来た。

「真琴、この本は真琴の担当の本棚の本だよ」

そう言って数冊の本を持った俊は、脚立の下からオレを見上げて言う。

オレは直ぐ様に股を閉じて、スカートの裾を掻き集めた。

オレの上気した顔と、変にスカートを押さえる仕草に、俊は怪訝な表情になる。

オレは、本棚の上に納める本を受け取り、本棚に納める。

俊は本棚の下に納める本を、オレの座る脚立の真下でしゃがんで入れて行って居た。

(いま…オレが股を開いて脚立の上に立ったら、俊が見上げた時に丸見えになるなぁ)

そんな思いが()ぎり、オレは少しずつ立ち上がり出した。

(俊にはもう何度か、オレの裸は見られてるし、今更恥ずかしがるほどじゃあ無いよな)

そう思いながら、股を開いて脚立の上に立った。

後は俊が本を本棚に入れ終わって、オレの方を見上げたら…ノーパンのスカートの中が丸見えだ…。

オレは息を呑み緊張で両手を握り締め、立って居る足の膝を微かに震えさせて、その時を待って居る…と。

「よし、コッチ側の本はコレで終りだよ」

俊がそう言って、最後の本を本棚に納め、オレの方を見上げた。

脚立の上に立って居るオレを見て、俊は最初怪訝な顔をしてソレから本能的に彼の視線はオレの足の方に行く。

俊の視線がオレの足を這い登り、薄暗いスカートのを覗き込もうとした時。

ガラガラーッ

「え~と、どなたかいらっしゃいますか?」

図書室の戸を開け、誰かが入って来た音がした。

俊が直ぐ反応して、オレのスカートから目を離して、受け付けに向う。

それを見送りながらオレは、一気に全身の力が抜けてヘナヘナと脚立の上に座り込む。

オレが脚立を降りて受け付けの方に行くと、俊の向かいに見知らぬ男子が立って居た。

「小鳥遊真琴…さん、あの…お渡ししたい物とお話があるのですが」

その見知らぬ男子はオレを見て、オズオズと些か恥ずかしそうに言って来た。

「何か真琴に直接渡さないといけない物なんだって、僕は残りの本を本棚に戻しておくから、話しを聞いてみたら」

俊がそう言って自分の担当の本棚の方に行く。

「え~と、どこのクラスの人ですか、渡す物とお話って何でしょう」

オレがそう聞くと、その男子はちょっと逡巡した風にしてから、オレを見て言った。

「ここでは何ですから…廊下に出ませんか」

彼がそう言うので、廊下にオレと彼が出て二人きりになると。

「あの、コレをお返しします!」

彼が振り返るなり、小さな紙袋を差し出して言った。

オレがその紙袋を受け取って、中を見ると…パンツだった。

「その…僕は同じ二年の一組の多田博と言います…以前、僕の部屋のベランダに落ちていて、どうやら貴女の物らしいと思ったのですが…あのそう思ったのは僕の部屋が同じマンションの一階下で、丁度真上に貴女の洗濯物と思える物が干してあったので…決して盗んだとかでは無くて、大体マンションの六階から七階に外壁をよじ登る何て僕には出来無いですし、ソレを拾った後で新たに洗ってあるので綺麗です」

その男子は捲し立てる様に、些か支離滅裂ながら一気にそう言いたてた。

オレは、彼の言う事の大まかな事は大体に分かったし、何より今一番オレが欲しい物が手に入った事に狂喜した。

「ありがとう!」

オレはそう言うと、その紙袋を渡してくれた男子を置き去りにして、近くの女子手洗いに飛び込んだ。

個室で紙袋からパンツを取り出すと…確かにオレのパンツだ、見覚えがある。

何組か同じセットで揃えて居たヤツの一枚だろう。

兎に角オレは直ぐにそのパンツを穿いた。

(ああ~っ、危うい所が覆い隠された安堵感は、何者にも代え難い)

腰周りと秘すべき所が、布一枚で隠されただけなのだが、オレの可怪しくなって居た高揚感が収まり、落ち着きを取り戻した。

お手洗いから出て来ると、あの男子は居無くなって居た。

オレはその後、図書室の手伝いを終わらせて、俊と学校を出た。

オレは帰り道で、オレのパンツを持って来てくれた男子が、パンツを渡した後で何かを言いたそうにして居た事を思い出したが…。

(まっいいか…あと少しで今日と云う不運の日を乗り越えられれば、何とかなるさ…)

ヨナの日と云う、大変に疲れた日の出来事で、オレはもう面倒臭くなって思考を放棄してそう思った。

また蛇足です。

この話しで一応プロットを起こして置いた話しのストックを使い切りました。

ですのでコレからは一週間に一話を投稿するのがやっとになると思います。

一週間に一話と云うペースはキープする積りですのでご理解下さいね。

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