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31 好きにしていいよ、オレの初めてをあげるよ

オレが朝目覚めて窓のカーテンを開けると一面の銀世界だった。

オレはそれを見てちょっと厳重に防寒対策をして学校に行く事にした。

下着にシュミーズ厚手の黒タイツ…JKなら冬でも生足と言う諸兄も居ると思うが、オレにはそこまでの根性は無い…カッターシャツにジャンパースカートと云う制服は仕方無いけど、その上からカーディガンを羽織って、丈の長いダウンコートを着てマフラーを巻く。

ソコソコこんもりとした格好でオレは学校に登校した。

キュッキュッと新雪を踏む足音をさせてバス停に行きバスに乗ると、乗客の数は何時もと変わらないのに、皆んな着膨れして居るので車内圧力が半端無い。

(ラッシュ時の山の手線ほどでは無いが、それでも結構キツいなぁ…)

学校前のバス停で、バスから降りた時の開放感は中々の物だった。

「おはよう」「おはーっ」「おはようちゃーん」

朝の挨拶が飛び交う教室に、オレは入って来た。

「まーちゃん、おはようーっ」

最近オレをまーちゃんと呼ぶ様になった森谷千秋が、隣の席から朝の挨拶をして来る。

「チヤちゃん、おはよう」

オレも最近呼ぶ様になった森谷の愛称?で応えて挨拶をする。

それから、森谷の二つ向こうの席に居る俊と、目が合う。

するとオレの顔が火照り出すので、慌てて視線を外す。

俊も居た堪れない様に視線を外して俯く。

オレ達二人のそんな様子を森谷千秋は目敏く見て居た。

席に着くと一応教科書を出して今日のテスト範囲を復習する…そう今日から期末テストなのだ。

********************

「やったーっ、期末が終わった、後は冬休みとクリスマスとお正月だあぁ〜っ」

期末最終日にテストが回収された後、クラスの誰かがそう叫んが。

クラスメイトの大部分は、その叫びに同意するだろう。

「マコちゃ〜ん、テスト打ち上げでカラオケ行こうよ」

明里がいつの間にかやって来て、オレに抱きつきながら言う。

「カラオケですかぁ、マーちゃん私も行きたいですう」

森谷千秋もそう言って来る。

「おう、カラオケか行こうぜ、俊も来るだろう」

遊馬もやって来て、そう言ながら俊も誘う。

「あ…うん、行くよ」

俊もカラオケに行く事に同意した。

オレは今日、出来たら俊と二人になって話したい事があったのだが、俊もカラオケに行くと言うなら仕方無い…。

「うん、分かった皆んなで行こうカラオケ」

オレがそう言うと、何時ものメンバーは盛り上がった。

すると、オレ達の盛り上がりを遠巻きに見ていた、他のクラスメイト達からも声が上がった。

「あの、小鳥遊さん達のカラオケに、私達も参加させてもらえないかなぁ」

「えっいいよ、クラス皆んなで打ち上げカラオケパーティをしょうよ!」

明里がいつの間にか取り仕切る様に言って、クラスの大半を引き連れてカラオケに行く事になる。

駅前の繁華街にある、大手チエーンのカラオケ店に入ったが、さすがに二十数人を一室に入るのは無理があったので、二組に別れる事になった。

クラス皆んなでワイワイガヤガヤと喋り合い、カラオケで盛り上がり、まさに学生時代の青春と言う雰囲気だ。

遊馬はパフォーマンス入りで、流行りの歌を歌って皆んなを盛り上げた。

俊は最初歌うのを固辞して居たが、無理やりマイクを持たされて歌う事になった。

俊が唯一のレパートリーだと言う、クラスの誰も知らないマイナーなアニメソングを歌い出して皆んなをドン引きさせた。

俊が周りが引いて居るのに気づき、居た堪れな無くなって少しずつ歌声が小さくなって行った時…オレが飛び入りでデュエットする事でその場を何とか納めた。

だけど歌い終わった俊は、自分の席に戻って小さくなってしまった。

オレはそんな俊を、カラオケ室の外に連れ出して、入口ロビーのベンチに二人で座った。

「ハハッ…また場の空気を壊しちゃったね」

俊が自嘲気味に言う。

「そんな事気にしなくていいさ、カラオケで自分の好きな歌を歌って何が悪いってんだ」

オレは俊の肩を叩いて言う。

「ボクは何時もそうだ…周りの空気を読まずオタクな発言をしてドン引かれる」

「そんな事は無い、第一他の者達が無理やりマイクを持たせて歌わせたんだろ」

「……」

「俊…?」

「ボクの好きだと言った告白に…真琴まだ返事をしてくれて無いよね、また空気を読ま無い事真琴に言っちゃったかな」

「な…!」

俊はひどく哀しそうに、それで居てドコか縋る様な目で、オレを見た。

オレはそんな俊の表情を見て、自分の中のモヤモヤに答えを出すべく頷いた。

「うん、分かった、俊一緒に来てくれ」

オレはそう言って俊の腕を取って、カラオケ店から出た。

オレは俊の腕を掴んだまま、繁華街の奥に進む。

「ま…真琴、ドコに行くんだよ」

「いいから付いて来て!」

そしてオレと俊は一件のラブホの前に立つ。

「ま、ま、真琴ぉ…ココは、どう言う事ぉ⁉」

「入るよ、俊!」

そう言って強引に俊を連れて、オレはラブホに入って行った。

ラブホの部屋は一見普通のシティホテルの一室の様で、昔見たいな回転ベッドや派手な装飾はされて居ない様だった。

もっともバスルームがベッドから見える様にガラス張りだったり、備品にコンドームや潤滑ローションと言った物が置かれて居たりするが。

俊は困惑して、部屋の真ん中で立ち尽くしてしまって居た。

オレはコートを脱ぎ制服も脱ぎ出す。

それを見た俊は、ますます混乱して口をパクパクさせながら、(うろ)が立ってしまった様だ。

オレはそのまま下着も脱いで、裸になる。

「俊…一緒にシャワーを浴びる?」

オレが、自分の裸体を俊に見せつける様にして、言うと。

俊は手で顔を隠しながら横に降った。

オレはちょっと溜息を吐き、それからバスルームに入ってシャワーを浴びる。

ガラス張りのバスルームから見ると、俊は所在無気にベッドに座り、外方(そっぽ)を向きつつも(しっか)りと横目で、オレのシャワーを浴びる姿を見てる様だった。

オレは(わざ)と時間をかけて、身体をくねらせてお湯が乳房の間を流れてお臍を経由し股間の僅かな翳りを濡らして落ちて行く様を、更に優雅な曲線を描くお尻に水滴が這い落ちて行く様子を、これでもかと見せ付けた。

シャワーを浴び終わり、身体にバスタオル一枚を巻いただけでバスルームから出て来て、ベッドに横たわる。

オレの横では目を白黒させて狼狽える俊が居た。

「俊…好きにしていいよ、オレの初めてをあげるよ…」

「えっえっ、どう言う事何だよ真琴!」

オレは俊の戸惑った問いに、やや哀し気な微笑みで答えた。

そのオレの微笑みに何かを悟った俊は、俯きかげんになり言った。

「ボクの好きには答えられ無いって事?」

「そうじゃ無い…オレは俊の事好きだよ」

「それじゃ…」

「俊も好きだし遊馬も好きだ…幼なじみの友達として好きだし、この気持ちは変わらない」

「幼なじみの友達として…なんだ」

「俊の求める女の子としての好きは…まだオレにもよく解らないんだ、だから今は女の子の心で男の子を好きと言う恋人にはなれない…でもオレは、女の身体としては俊の男の物を受け入れる事は出来るから…俊が…その…したいんだったら…」

「ボクは真琴を…そんな風には……イヤ嘘はよそう、確かにボクもDT男子だから…真琴を思ってマスターベーションをした事も何度もあるものな」

「どうする…避妊さえちゃんとしてくれたら、オレは俊とSEXしてもいいと思ってるんだ」

オレがそう言って、俊を見ると。

「じ…純情DT男子を舐めるなよ!」

俊は、半分泣き笑いになりながら、そう言ってオレが脱ぎ捨てた下着や制服を、寝て居るオレの上に被せて来た。

********************

新学期編…終

冬休み編…開始へ

新学期編終了に伴い、ちょっと蛇足を付けたいと思い、初めて後書きを書きます。

新学期編を終わらせる前に、真琴と俊と遊馬の性格、立ち位置、関係性、等を整理明確化させようとしたのがこの三話程ですが…正直難産でした。

ちゃんと事前に設定したつもりでしたが、イザ書いて見ると自分でも知らずに不明瞭になっていたり曖昧にしていたりして居た所がボロボロ出て来て大変困りました。

一応、何とか感とか再設定は、出来たのかと思います。

さてこのお話ですが…鈴木雅子さんと言う少女マンガ家が50年近く前に描かれた「フィメールの逸話」と言うマンガに触発されて、大分昔にプロットを書いた物が元になっています。

この「フィメールの逸話」と言うマンガはTS物の隠れた名作だと筆者は思っています。

普通TS物と云うと、突然性別が変わりその事で主人公が戸惑ったり、元に戻りたいと抗ってドタバタを繰り広げると言うのがお約束ですが…。

「フィメールの逸話」の主人公の“和音(かずね)”は女の子になった事を喜び受け入れ、そして女の子としての生活を謳歌すると言うそれまでのTS物の主人公とは違うキャラクターでした。

最近では「お兄ちゃんはおしまい」と言う女の子を楽しんでる主人公も居ますが。

筆者はその女の子を謳歌するキャラクターに随分感化されて、何時かそんな主人公を自分も書いて見たいと思い出来たのが真琴です。

なおこのお話にはかなり際どいエッチな表現がありますが、一応Rー15以内に留める様に努力しています。

目指せ矢吹健太朗大導師です!

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