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平等な痛み分け その①

 時は遡り三十分前、帝国の西の門は一人の男により爆発し破壊された。


「今ユヅキ・サヤマに渡したボールを破裂させた。これであいつらもこの植民地に侵入しただろう」


 それを聞き一真がライネスに尋ねる。


「それでどうするんだ? このまま魔術研究所に真っ直ぐ向かうのか?」


「いや。しばらく待つ。あっちに獲物が掛からないと、囮の意味が無いからな」


「そうか。まあ俺に取ってはどうでも良い事だが。もう一度聞くが俺の仕事は能力を教えれば良いんだな? それだけなんだな?」


「何度も言わせるな。カズマ! 異世界転移者殺しは俺の楽しみだ! それを邪魔しないで貰おうか? …………いや待て」


 ライネスが何かを感じ取りニヤリと笑う。


「お前の仕事は無しになった。カズマ!」


「…………どう意味だ? ライネス?」


 先ほどより笑みが増しライネスが答える。


「こっちに能力者が向かって来る。数は三人だ!」


 それを疑問に思い一真はライネスに聞く。


「お前の能力は爆破だろ? どうしてそんな事が解る?」


 一真が周囲を見渡すが周りに人は居ない。


「俺の「狂気爆弾」には一つおまけの効果が有ってな。爆弾にしたヤツの大体の居場所が解る! カズマお前は馬車に戻っていろ!」


「…………異世界転移者の能力を教えなくても良いのか?」


「この三人はこの前俺が殺した奴らのお仲間だ! 中に一人こちらの位置を探れるヤツが居た。それでこちらの位置が解ったのだろうな。敵討ちに必死と見られる。そういう顔を崩すのも俺の楽しみだ!」


「研究所の爆破はどうするんだ?」


「暇を潰した後で十分間に合うさ」


 それを聞き一真は何も言わずそのまま無言で馬車に戻った。


「さて、こっちから向かいに行ってやるか…………」


 そう呟くとライネスはその三人が居る場所に向かう。その三人が居る場所に辿り着いたライネスは三人に話しかける。


「よお。久しぶりだな? 四日ぐらい前かお前らの仲間が死んだのはご愁傷様だな!」


 三人を馬鹿にする様にライネスは大笑いする。しかし三人組みは何も言わずにこちらを見る。その内の二人の女は前回の戦闘で見た顔だが一人の男の顔は見覚えが無かった。


「新顔が居るな? お前らの仲間か? 俺が両腕を吹き飛ばした男は何処に行ったんだ? ここに居るのは解っているんだぞ?」


 俺の「狂気爆弾」でのマーキングだとここには三人の反応が有る。しかしここに三人居るが一人爆弾にしているヤツでは無い。可笑しい俺は周囲を見るがそこにはその三人以外存在しない。その発言を聞くと健介は苛立ちを隠さず笑う。


「仲間? 違うな! こいつ等は俺を虐めていた屑共だ!」


「ほう? それでお前は虐めていた奴らに対する敵討ちでここに来たのか? 異世界のいじめられっ子さんは随分お優しい事でさぞ生温い虐めを受けていたんだな?」


「生温い? 僕の受けていた虐めが?」


 健介は今まで春馬達から与えられた虐めを思い返すどれも酷い記憶で忘れてしまいたい物ばかりだった。それを振り切る様に怒鳴りながら健介は俺に言い放つ。その怒声に女共は悲鳴を上げる。


「今回僕がお前に会いに来たのは復讐の為だ!!」


「復讐? やっぱり敵討ちの為じゃあないか? お優しい事だな、異世界転移者さんは?」


「違う!! 僕の名前は前田健介だ!! 異世界転移者と言いこいつ等と一緒の扱いをするな!! 僕がお前に会いに来たのはお前が殺した。葵生と舞の恨みをお前で晴らすためだ!!」


 それを聞いて俺は更に爆笑してやった。コイツは脳みそが単純な奴だ。こちらの挑発に簡単に引っ掛かってくれる。俺はそれを感じて更に馬鹿にしてやる事にした。


「ご紹介を聞かせて頂き光栄だな異世界転移者! 俺はライネス・クリューケントだ! 「墜国」のライネス・クリューケントの方が良く知られているかな? お前を殺す名だ覚えていくと言いぞ! お前のお仲間も俺に殺されたからな! あの世で俺に殺されたお仲間同士、あの世でも仲良く出来ると思うが?」


「僕は前田健介だ!! 馬鹿にするな!!」


 健介がへっぴり腰で殴りかかって来る。明らかに人を殴り慣れていない奴がする拳だ。止まって見えるぐらい遅い。俺はその拳を受け止めて掴む。


「っ離せ! この離せ!!」


「さて、これでお前は爆弾になったこれでお前が死ぬ訳だが何か遺言は有るか?」


「汚い手で僕に触るな! 離せ!!」


「ハハハ! それが遺言だな! それでは点火だ!!」


 その瞬間爆発音が周囲に鳴り響く。それと同時に俺は身体が破裂した様な痛みを感じて地面に倒れた。

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