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作戦内容

 帝国の東の植民地に向かう馬車の中でライネスが作戦の内容を話し始めた。


「今回の作戦は東と西に戦力を分けて行う。魔女様の魔法による火力、俺の「狂気爆弾」による爆破による破壊で帝国の魔術研究所を破壊する。とても簡単でシンプルな作戦だ」


 それを聞き一真がライネスに聞く。


「戦力を分けるのか? 帝国の異世界転移者はこちらが攻めて来るのを知っているのだろう? 危険じゃないか?」


 その質問にライネスは答えた。


「敵もこちらが攻めて来るのは知っている。だから研究所の守りは固いだろうな。だからこそだ、どちらか一方が守りに入っているであろう。異世界転移者を釣る。残った方で研究所を破壊する」


 つまりは囮作戦か、今回の作戦は魔術研究所の破壊が目的だ。異世界転移者との戦闘は目的では無い。それなら戦力を分けて片方が陽動を行いもう片方が破壊活動を行うと言うのも理解できる。


「さて、肝心のチーム分けだが──」


「ボクは勿論ユヅキと組むよ。お前はそこの異世界転移者と組めば良い」


「魔女様はユヅキ・サヤマにご執着の様で、まあ構わないだろう。今回の作戦でのカズマとユヅキ・サヤマの役割は敵異世界転移者の能力を教えるだけのものだ。どっちが付いても大した変化は無い。所で引きこもりの魔女様は実戦は初めてでしょう? 本当に戦えるのか?」


「敵異世界転移者なんて、皆お前でも倒せる程度なんだろ? なら何の問題もないさ」


 ライネスの挑発をフィルナルドは躱す。俺はライネスに尋ねる。


「所で作戦の開始はどうやって知らせるんだ。そのお前が持っている通信機で知らせるのか?」


「この通信機は貴重な物だ。二つしか存在しない。そんな貴重な物を戦闘中に破壊されでもしたら困る。だからコイツで知らせる」


 俺に向けてライネスが一つのボールを俺に投げる。俺はそれを受け止める。


「そのボールは俺の「狂気爆弾」で既に爆弾に変えている。そのボールの爆発と同時に作戦を開始する。ボールを破壊出来るのは俺だけだ。その為遠回りする西には俺とカズマが向かう。ユヅキ・サヤマと魔女様は東に待機して居ろ。ユヅキ・サヤマ? 前回の作戦時の抜け道の場所は覚えているな?」


 俺は前回の作戦時に使用しようとした。ライネスが予め爆破して置いた東の植民地に入る壁が一部破壊された所を思い出す。


「ああ、問題無い」


「それなら良い。そこから植民地に入れ。所でお前達は帝国の魔術研究所の場所を知っているのか?」


 その質問に対し俺は即答する。


「全く知らない」


 それと同じくフィルナルドも答える。


「そんなのボクが知る訳無いじゃないか」


 それを聞きライネスが頭を抱えて考え込み、そして話した。


「ならお前達は街中をうろつき陽動を行え、爆破は俺が行う。爆破に成功したら直ぐに撤退しろ。作戦開始から一時間経ったらその時も撤退だ一度引き作戦を練り直す。合流地点は東の山の上にある小屋だ。場所はユヅキ・サヤマが知っている。撤退後は情報を共有して作戦を練り直す。作戦の内容は以上だ理解できたか?」


 作戦の内容は東と西に分かれて行う。東は俺とフィルナルド、西はライネスと一真。俺達の作戦内容はライネスが帝国の魔術研究所を爆破するまでの帝国の異世界転移者に対する時間稼ぎ。作戦は爆破に成功するか一時間経つと撤退する。特に捻りの無いシンプルな作戦だ。


 俺は作戦の内容を頭に入れて答える。


「ああ、理解できた。問題無い」


「要するにボクとユヅキを囮にしてお前が好きにするんだろう? 良いよ乗ってやるよ」


「こっちに敵能力者が来たらどうするんだ?」


 一真がライネスに尋ねる。


「その場合は俺が戦闘を行う。戦闘が終わり時間があれば研究所の爆破に移る。時間が無ければそのまま一度撤退する。戦闘時カズマお前は戦う必要は無い。敵能力者の能力を教え次第撤退しろ。敵異世界転移者の情報を知る、お前を死なせる訳には行かない」


「そうか、わかった」


 それを最後に帝国の魔術研究所の破壊する作戦会議は終わった。馬車が帝国の東の植民地に向かう間、俺達に会話は特に無かった。(フィルナルドが俺には五月蠅い程話しかけて来たが)


 俺達を乗せた馬車は敵地に向けて少しずつ進み続けた。

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