新しい作戦メンバー
「よお、魔女様引き籠ってないで外に出るとは珍しいな? ユヅキ・サヤマの見送りか? 魔女様とユヅキ・サヤマは仲が良さそうだったしな」
馬鹿にする口調で笑いながらライネスは屋敷から出て来たフィルナルドに話しかける。
「黙れよ狂人、今回の作戦はボクも参加する。それだけだ」
フィルナルドより二頭身くらい大きいライネスに対し物怖じもせずにフィルナルドは睨み話す。
「どういう風の吹き回しだ? 魔女様は引き籠り魔道具を作るのが仕事だろ? 前線の仕事は俺達に任せて引き籠ってるのが仕事だと思ったがね?」
「キミは作戦協力者のユヅキを気絶状態で連れ帰った。下手してたらユヅキは死んでいたかもしれない。キミは信用できないんだよ」
冷たい口調でフィルナルドは話す。
「敵地での作戦行動中だぞ、そんな事まで気にするかよ。大体ユヅキ・サヤマも危険を承知で作戦に参加したんだぞ。今回もだ! 後ろで引き籠っている魔女様に前線で働く俺達の事は解らないだろうな」
「だからボクがユヅキを守るんだ。キミに指図される言われは無いよ。それに作戦協力者がまだ欲しいと言っていたのはキミの方じゃないか? 問題は無いだろう?」
「後ろでおもちゃを作って遊んでいるお子様になにが出来るのか? いいぜ、乗れよ。魔女様が死んでも俺のせいではないからな」
「言われるまでも無いよ」
会話を終えるとフィルナルドが馬車に乗り込み俺の隣に座る。
「やあ! おはようユヅキ! 昨日は良く眠れた?」
先ほどのライネスに対する冷たい反応とは真逆にフィルナルドは俺に笑みを浮かべ話しかけてくる。
「まあ、よく眠れた」
「それは良かったよ! ユヅキ今回の作戦はボクが居るからね。前回の様な心配は無いよ! 前回もあんな奴に任せずにボクがユヅキを守ればよかったね?」
フィルナルドが俺にベタベタと絡みつく、俺はそれを黙って受け入れた。
「ユヅキ、お前は相変わらず子供には好かれるな?」
その光景を見ていた一真が言う。
「子供とは失礼だな! これだから人間は嫌いなんだ! 人を見た目で判断しないで貰いたい! ボクはキミよりもうんと年は上だよ!!」
「それは、失礼した。謝罪しよう」
フィルナルドの勢いに押され一真は謝る。
「それで良いんだよ。次ボクを子供扱いしたら容赦はしないよ」
そんな会話を聞いているとライネスが馬車の中に入って来る。
「ケビス。全員揃った! 馬車を出せ!」
ライネスは馬車に乗り座ると部下に指示を出す。
「さて、魔女様? 貴方が加わった事により作戦は変更せざるおえない」
「それは、嫌みかい?」
ライネスの発言にフィルナルドは頬を膨らませ怒る。
「そんなまさか! 人手が足りないのはほんとですからね。猫の手でも借りたい気分でしたよ」
「人を猫呼ばわりとは失礼だな! そう言うセリフは獣人族にでも言いなよ!!」
「ただの慣用句だぞ。言葉通りの意味では無い」
「そんなのボクも解っているさ! ユヅキ! でもねコイツの態度が気に食わない。いや存在が気に入らない!」
フィルナルドが嫌々としながら俺に抱き着く。
「随分な嫌われようじゃないか? ライネス?」
その光景を見た一真が口を出す。
「まあ人に嫌われるのにはなれているからな。魔女様に皮肉を言っていると時間がいくらあっても無駄になる。東の植民地まで今から二日後に到着する予定だ。到着時には俺が脅迫した日にちになる。つまりは到着と同時に作戦を開始しないと行けない訳だが…………」
「どうしてそこまでギリギリな時間設定にしたんだ? 脅迫したのはお前何だからもっと時間の余裕は作れただろう」
一真がライネスに尋ねる。
「この作戦は元々作戦失敗時用の予備の作戦だ実際に使うつもりは無かった。だがユヅキ・サヤマの戦闘不能により一度引かざるおえなくなった為、仕方なくこちらの作戦に変更した。あまり時間が経つと作戦の効果が薄くなる。それに街から一般人を避難させるのにも時間は掛かる。犠牲を出して良いなら話は別だが、今回の作戦で一般人の犠牲者は出せない。俺が一度同盟国に戻る事を考えた移動時間、それと再び東の植民地に向かう為の移動時間を含めてこれ以上時間は伸ばせないと判断しての日にち設定だ。現に部下に植民地を見張らせている所、一般市民共の避難は開始されている。俺達が到着するころには街に人気は無いだろうよ」
「納得はした。理解もだ。それで作戦はどうするんだ? そこの魔女が加わり作戦は変更する事になったんだろ? 元々の作戦はお前の能力を使い帝国の魔術研究所を爆破すると言う話だったが、そこから何か変更は有るのか?」
「そうだな。魔女様の魔法で研究所の破壊は可能か?」
ライネスがフィルナルドに尋ねる。それに対しフィルナルドは嫌々と話す。
「…………サイズはどれくらいだい?」
「ここの城より小さいぐらいだな」
それを聞きフィルナルドは考え込みそして話した。
「そのぐらいの大きさなら上級魔法で十分破壊できるだろうね」
「そうかい。それなら作戦は決まりだ!」
フィルナルドの答えを聞きライネスは俺達に作戦を説明した。




