二度目の作戦前
自室に戻った俺は俺の部屋で眠りに来るムツキを待った。何時もの寝る時間になるとドアが叩かれた。俺はドアを開けてムツキを部屋に入れる。ムツキは何時も通りに部屋に入りベッドに横になる。それに合わせ俺もベッドに横になった。
横になりしばらくたった後、俺はムツキに明日の作戦で屋敷をしばらく開ける事を伝える。
「ムツキ俺は明日からまた作戦でしばらく帰って来れない」
俺がそう言うとムツキが心配そうに聞く。
「…………ご主人……大丈夫? ……また……倒れたら」
「確かに作戦は危険な物だ。だけど約束する。必ず無事にムツキ。お前の元に必ず帰って来る」
俺のその言葉に何の根拠も無い。それでも俺はムツキに言った。それは自分に言い聞かせる為にでもある。俺は無月と両親が死んで以来、死んだような人生を生きて来た。でも、そこから俺を救い上げてくれたのがムツキだ。
ムツキが俺に直接してくれた事は何も無い。だが俺に取ってはそこに居るだけでいい、そばに居るだけでいい存在になってしまった。ムツキは俺に取っての新しい光だ。それを守る為にならどんな事でもする。ムツキが望むなら何だってしよう。横に居るムツキを見て、俺は自分に誓った。
「…………信じてる……ご主人」
ムツキのその言葉を最後に俺達は眠りにつく。不思議だあれほど怖かった見たくなかった夢もムツキがそばに居ればまた見ても耐えられる様に思える。俺は安らかに眠りにつくことにした。
悪夢は見ずに変わりに白髪の女の子と遊ぶ夢を見た。その夢は現実感に溢れる物で。とても不思議な夢だった。
朝になると爆発音で俺は目を覚ます。ライネスによるものだ。爆発音で眼を覚ました俺は出発の準備をする。それを寝ぼけているムツキが見送る。
「…………ふわぁー……行ってらしゃい……ご主人」
「行ってくるムツキ。必ず無事に帰って来る」
そう言い俺は外で待っているライネスの元に向かう。
「よお、お目覚めかい? ユヅキ・サヤマ?」
「朝早くに爆音を鳴らすのは止めてくれないか?」
今はまだ朝の五時じ日が昇ったばかりだ。
「今回の作戦は時間ぴったしに行わないといけないからな、余裕を持って行動したい。さっさと乗れ」
俺はその言葉を聞き馬車に乗る。馬車の中には一真も居た。俺を見ると一真は話しかけてくる。
「有月? 今からでも作戦を降りても良いんだぞ? お前は面倒事が嫌いなはずだ。だからこんな面倒な作戦参加する必要は無い」
「仕事だからな。お前も仕事だから戦うんだろ?」
俺の言葉に一真は少し黙る。
「仕事か……。お前一人なら別の道もあるだろ? こんな仕事しなくても、あの女のせいか? お前が変わったのは…………」
「変わった? そうか? 俺にはお前の方が変わった様に見える。お前は裏でコソコソ何かを企てるのが好きでも、俺に何も言わずにここまでするとはな」
「ここまで? 帝国を裏切り、同盟国に着いた事か? 俺は目的の為なら手段は択ばない。当然のことだ」
「目的ってなんだ? お前は何を考えている? 異世界に来て何も解らないのはお前もだろ?」
それを聞き一真は再び黙った。
「…………異世界に来て何も解らないか……。確かにそうだな」
それで俺達の会話は終わった。一真が何かを目的に動いているのは間違いない。長い付き合いだからそれは解る。だが内容が解らない。帝国を裏切り同盟国に入って作戦に参加している意味が解らない。
帝国を裏切ったのは恐らく帝国の言いなりになるのが嫌だったのだろう。一真は何かに縛られて生きるのが嫌いな性格だ。だから何事も調べて、情報を得て。そこから一人で行動する事が多い。その為裏でコソコソしていると捉えられる事が多い。
今回も何かを目的に行動をしているだろう。だが情報を得ようにも一真が異世界転移をし帝国を裏切ったのは半日も経たない。その短い時間でしかも転移されて直ぐに行動出来るとは思えない。
まるで最初から何かを計画している様に一真は行動をしている。俺には一真の計画は解らない。だがそれでも良いだろう。一真は俺が損をする事をした事は一度も無い。きっとその計画は俺には関係ない事だろう。
そんな事を考えていると屋敷からフィルナルドが出て来た。




