浸食されし精神 その④
「無ツキィィィィィィィーーーーーーーーーーー!!!!」
その大声と同時にユヅキ・サヤマが木刀を構え春馬に切りかかった。
「へへへ、そんなの当たるかよォォォ!!」
木刀は春馬にかすりもせず回避される。それと同じくユヅキ・サヤマが再び倒れた。同時に春馬も何故か倒れる。
「…………何だよ! 何でだよ!! おい!! 俺は切られてねェー! 何で俺の足の感覚が無いんだァーーー!!」
春馬が叫びながら立ち上がろうとする。しかし春馬の足は切られた様に動かなかった。
「蒼生ィーー! 俺の足がどうなっているか確認しろォーーー!!」
蒼生が春馬に駆け寄る。何が起こったか解らないがこれはチャンスだ!
俺はポケットからクインの実を一つ取り出す。勿論爆弾に変えてだ。
クインの実には特徴が有る。クインの実はクインの木から生るその速度は速く一週間で一つの木に百以上生る。実の中心には液状胚乳となっておりとても甘い。冒険者の間では保存が簡単なため携帯飲料として使われる。実が着くのが速く銅貨一枚で買える為一般人にはジュースとしてとても愛されている実だ。クインの実はとても丸く地面にコロコロと転がる。繁殖方法は木から落下し割れた時に辺りに液体を飛ばしそこで種を遠くまで撒くという方法だ。破裂した液体は十メートル程まで届くと言う。
俺はクインの実を敵に向けて転がし液体が全員に付着する場所で破裂させる。実だけが破裂し中の液体が周囲にバラ撒かれこの場に居る。全員に付く。
俺はそれで全員を爆弾に変えた事を確認すると先ず俺を重くする舞と言う女を爆死させた。重くされた能力が能力者が殺された事で解除された為俺は立ち上がる。
「さて、先ずは一人と言ったところだな! 諸君らに伝えて置こう! お前らは既に爆弾に変えた俺に近づけば自動的に爆破する!!」
俺は異世界転移者共にそう言い。高笑いする。勝負は着いた、この殺し合いこれで俺の勝ちだ。
「テメェーーーー!! 舞を殺しやがったなァ!! 許さねェ!! 殺す!!」
「許さない? その足でか? 動かせないんだろ? どうやって殺すんだ?」
俺はそのまま春馬に近づき両腕を掴む。
「な、何しやがる?」
「知っているか? 戦場では死者よりも負傷者の方が足手まといになるんだよ!!」
「は、離しやがれェーーー!!」
春馬の抵抗は虚しくそのまま両腕が破裂する。
「グギャァァァーーー!!」
「逃げるなら逃げて良いんだぞ? まあ無理だろうがな。さて残りだが女共は逃げていいぞ。お前らは利用価値が有る。だがそこの蒼生とか言ったな? お前はダメだ! ここで死ね!」
「イヤだ! 死にたくない! 春馬さん! 助けて下さい!! 春馬さん!!」
蒼生は春馬に助けを求めるが春馬は両腕を失った痛みで気絶している。
「ハハハ! 愉快だな! 異世界転移者ァ! 諸君らは異世界から俺に殺される為だけに召喚されて来たんだなァ!!」
「春馬さん! 助け──」
巨大な爆発音と共に蒼生は内側から破裂した。それを見て残った女達は春馬を置いてその場から慌てて逃げ去る。
「さて、ユヅキ・サヤマ! 起きろ!」
俺は今だ横になっているユヅキ・サヤマを蹴り飛ばす。しかしユヅキ・サヤマにダメージは無く意識を無くしたままだ。
「おい、回収地点まで、徒歩一時間だぞ! 俺がコイツを運ばないと行けないのかよ。精神に影響を与える能力者は殺したんだぞ」
しかしユヅキ・サヤマに返事は無い。俺はその場にユヅキ・サヤマを置いて行く訳にも行かずに仕方なくおぶり回収地点まで歩くことにした。
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「酷い様じゃないか春馬! 僕を虐めてた時とは全然違うじゃないか?」
戦いの一部始終を見ていた健介が春馬を蹴り起こす。
「テメェーー! 何しやがる健介ェ! 俺達に虐められるだけの価値しか無い癖に!!」
「腕も足も使えない癖に僕に対して生意気じゃないか! 春馬ァ!」
健介が再び春馬を蹴り飛ばす、春馬は声を上げて地面を転がる。
「春馬! この異世界は良い所だよ! 僕を虐める君たちは死に春馬、君は手と足を失った! そして僕は誰にも負けない力を得た! これは今まで耐えた僕に対する祝福だよ!」
「健介? もう良いだろう? サッサと始めようよ!」
「ああ頼むよ! 佑治!」
佑治が何処からか手術器具を取り出す。
「さて君の能力に合わせて改造すれば良いよね? 健介?」
「任せるよ。佑治!」
佑治が春馬の身体を器具を使い必要のない部分を切り取っていく。
「な、何をしているんだァーーーー!! テメェらーーー!!」
「仕方ないよね。健介が虐められ続け不登校になってたら、次は僕の番だったからね。異世界で健介の方が強くなったから次は僕が虐められるだろう? なら君がもう二度と動けない様にしないとね」
佑治は春馬の身体の生命活動に必要の無い部位を切り取る。
春馬は悲鳴や助けを求めるが、二人は聞かず淡々と春馬の肉体の改造を続けた。




