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浸食されし精神 その①

 壁の爆破された箇所から五人の男女の集団が現れた。髪色は金髪や茶髪それに黒髪だった。年齢は十五歳ぐらいであろう。


 俺は直ぐにそいつらが異世界から呼び出された連中だと気が付く。異世界転移者共は何やら話しながらこちらに近づいて来る。


「……春馬さん! 能力を掛けるのに成功しました!」


 黒髪の男が金髪の男に話しかける。


「よし。良くやったな! 蒼生! でかしたぞ!」


 金髪の男が蒼生と呼ばれた男に褒める様に話す。続けて金髪の男、春馬は女に向けて話す。


美輝(みき)! お前も良くやったな。お前の能力のおかげでコイツらの位置が解った!!」


 そう言い春馬は美輝を抱き寄せる。


「春馬くんのたのみぢゃあ仕方無いぢゃん」


 美輝は春馬に媚びた様な声を出した。


 理由は解らないが、先手を取られたか…………。


 敵能力者は五人! 予定とは違うが俺の「狂気爆弾」で問題無く対処は可能な範囲だ。敵の能力が解ればの話だが。


 俺はすぐさま後ろに居るユヅキ・サヤマにコイツらの能力の詳細を聞く為に話しかける。


「おい! ユヅキ・サヤマ! お前の出番だぞ。こいつ等の能力を教えろ!!」


 俺はユヅキ・サヤマに聞く。だが後ろからは何の返事が無い。


「なにボサッとしている! 早く能力を教えろ!!」


 俺は後ろを振り返る。そこには地面に倒れるユヅキ・サヤマの姿が有った。


 俺は舌打ちをする。ユヅキ・サヤマ、コイツもカズマと同じで肝心な時に使えないな。コイツをわざわざ連れて来たのはこういう時の為だ。自身の役目を果たさずに戦闘不能とはな。


 俺は再び舌打ちをした。能力戦はもう始まっているって事か。敵は五人、能力は全員不明、それに対しこちらは一人。とても不利な状況だ。一度引くか? いやそれはユヅキ・サヤマを置いて行く事に成る。

ただでさえ同盟国での俺の立ち位置は低い。この作戦は同盟国内で協力して行われている物だ。その協力者の一人が帰らず死亡したとなると同盟に亀裂が入る。


 戦闘以外の道は無い。俺は瞬時に状況を理解し嬉々とポケットに手を突っ込む。


「おい蒼生ィ! 一人無事だがどうなっているんだァ!」


 春馬が蒼生に対し聞く。


「可笑しいっすよ。春馬さん! コイツ俺の「浸食されし(イロウシェン・)精神(マインド)」を食らっても立っていられるなんて……」


「お前の能力は人のトラウマをほじくり返す能力だろ? コイツにトラウマが無いんじゃあないか?」


「トラウマが無い人間なんて存在するんですかねぇ? 春馬さん?」


「お前の能力を食らって立っているなら存在するんじゃあねぇか? 俺に聞くなよそんな事!」


 そう言い春馬が蒼生の頭を叩く。有り難い事に敵は能力をこちらに教えてくれた。これで能力が解らないのは残り四人! 黒髪の男の能力は人のトラウマを思い出させる能力らしいが俺には通用しないみたいだな。特に体の異変も無い。この黒髪の男は戦力には成らない、なら残り四人だ! 先ずは能力の解った黒髪の男以外を殺す。俺はポケットから石を数個取り出し爆弾にして連中に向けて投げようとする。


その瞬間俺の手が、いや全身が地面に向けて倒れる。身体が重い! 立っていられない! 俺は耐え切れず手から石をこぼれ落とす。

 

(まい)! 良いぜェ! これでコイツも戦闘不能だァァァ!!」


 春馬が舞と呼ばれた女にそう言う。


「美輝がコイツの能力を一度見て爆弾にするって言ってたからね。ならコイツの身体を重くして動かせなくしたらいいだけじゃん」


 コイツは身体を重くする能力か、これで能力の解らない奴は三人。俺は地面に伏せながら考える。この身体を重くする能力は厄介だな。


 殺すのならば先ずはこの女からだ。そんな事を考えていると春馬が俺に近づいて来る。春馬は俺の頭を思いっきり蹴り飛ばそうとして来た。


「おっと! コイツは触れた所を爆破するんだったなァ! ならこれだァ!」


 春馬は俺を蹴るのを止め落ちている石を一つ拾う。


「俺の「怪力」で石を投げればよォー。弾丸みたいに飛んでいくんだぜェー」


 春馬が思いっきり石を俺に目掛けて投げる。その速度は凄まじく立っていても回避は不可能だろう。回避する必要は無いがな。


 俺は飛んでくる石を「狂気爆弾」の「自動防御」で防ぐ。石は俺に触れると同時に爆発した。俺に傷は無い。


「どいつもこいつも馬鹿ばかりだな。異世界人ってのは馬鹿しか居ないのか?」


 俺のその言葉に春馬は激怒する。


「ああん!? テメェー俺が馬鹿だとそう言ったのかァ!?」


 春馬は再び怒りのまま石を投げてくる。無駄だ。何度やっても俺の「自動防御」は突破出来ない。石は俺に当たらず破裂した。


「フハハハハ! 何度やっても学習しない、これでは馬鹿以下だな!」


 俺は連中を纏めて笑ってやる。春馬は舌打ちをして地面を思いっ切り蹴っ飛ばした。地面には巨大な穴が開き辺りに砂が巻き散らかる。


 これで能力が解らないのは後二人、いや一人だ。この春馬と言うのは怪力の能力で間違いなし、そして最初の会話から一人は俺のいる場所を把握できる能力。


 それを使い俺達に奇襲を仕掛けたのだろう。それでユヅキ・サヤマは使い物にならなくなったが。敵の能力は理解できた。


 身体を重くしてくる女さえ殺せば他は敵じゃあ無い。俺は地面に押さえつけられたまま連中の様子を見る。


 連中は俺に対する攻撃手段を無くし何やら話し合っている。こちらも今の所攻撃手段は無い。連中の最後の能力を確認したら、他の連中が来る前にこいつ等を何とか、殺しユヅキ・サヤマを連れ一度下がるか。


 俺がこれからの事を計画していると連中は能力がまだ解らない女を一人を前に出してくる。俺はそれを確認するとソイツが能力を出す様に馬鹿にしてやる。


「自分では粋がってる癖に最後は女だよりか!? 情けないなぁハルマとか言ったか? それでも男か?」


 俺が馬鹿にしてやると予想と反し春馬が笑う。


「地面に突っ伏して土を舐めてるヤツが良く言うぜェ。(けい)お前の力を見せてやれェェェ!!」


 春馬が圭と呼んだ女に指示を出す。圭は春馬の指示通り何らかの能力を繰り出したと思う。思うと言ったのは俺にはその能力の正体が解らなかったからだ。


 俺の身体は何かの塊に思いっきりぶつかり身体が宙を舞い。そして地面に落ちた。

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