2人目の犠牲者
同じ会社の社員が2名も客と元客に刺殺された。
1人目はちゃんと人を殺せる出刃包丁だったが、今度は果物ナイフだ。普通は殺せない。
刃渡り12.3cmと短いが、若者で脂肪が少ないと内臓に達する事もあるのだ。
今回は特に肝臓。
出血量が少なくても肝臓は、身体の毒抜きをする場所なので、そこが止まると人間の身体は毒を飲んだのと同じ状態になる。
つまり死んでしまう。
地球上にある物は、人間に食べられる為にある訳じゃない。人間が身体を改良して食べて栄養に変えれる身体を作ったのだ。
だから肝臓が止まれば、やがて死ぬのだ。
本人は刺すためじゃなく、護身用に昔から持って歩いていたと言い張ってるが。
さすがにマスコミも嗅ぎ回るように取材記事が書かれた。
「あーーッ、とうとう始まったな。
昔の年寄りは泣き寝入りしたが、今時はキレる老人も増えたんだよ〜
長年、公正取引委員会や消費者庁からのらりくらりと逃げおおせたけど、吸い取った客からは逃げられないよなあ〜
昔のサラ金のドンみたいにやられるかもなあ〜これは。」と事務所のテレビ見ながら、なぜか三笠がニヤニヤする。
携帯で動画見ながら「ヨシッ!」とガッツポーズする。
「あ〜あ、マスコミが取り上げると動画再生数伸びるんだよ。特にアートハート財団の被害者家族の取材動画が伸びてるわ〜」と白田さんが嫌そうだけどやはりちょっと喜んでる。
自宅の建替えの銀行ローンの審査が通りやすくなるのだ、再生数伸びると。
嫌な話だが。
「食い物と金のトラブルは平気で殺すからな、人間。
特に年寄りは老い先短いしカッとなったら歯止め効かないし。
アートハート財団…やばいな。」テレビで役員とか追いかけ回して顔出しさせてる。
「マスコミもワザとだ。3人目を誘発してる。」三笠がニヤ〜っと画面を指さす。
「さんざん年寄りで甘い汁を吸ったんだ。よもや畳の上で死ねるとは思ってないだろう、役員共も。」と白田さんもうっすら笑う。
名前を借りた友達の家も大変みたいだ。
昔から絵を嗜む団地の紳士として有名だったおじさんだったが、今では奥さんにも愛想を尽かせて離婚され団地に一人暮らしだと。
「これで目を覚ましてくれたら、良いが。
友達は父親と縁切れないからオヤジさんが借金してると心配してたよ。」携帯で街中の人が殺された若者が杖でおじいさんの顔面怒鳴りながら叩いてる動画をマスコミが流す。
「才能なんかあるはず無いだろ!金づるらしくホイホイ金出してたら良いんだよ!おまえは!」と笑いながら杖でおじいさんを殴っていた。
「これがアートハート財団の実態なんだよなあ〜
作品を40万も出して出品してる人達、分かってるのかなぁ〜?」と原田くん公くんもテレビの画面を見る。
肝臓の話はボクサーだった従兄弟に説明された。
ボクシングがスポーツではない事の証明で聞かされた。
ジムやって新人王とか輩出してるよ、今は。
とにかく昔から人殺しに興味あり過ぎ〜なんか私まで同じ穴のムジナ扱いだったが。




