妄想
人間どんなに過去優秀な人であっても最後は、「私の金取ったでしょ?」と我が子さへ疑うようになるらしい。
立派な母親父親の姿を覚えてる人ほど、その落差に耐えられないようだ。
人生の終末を迎えて幼稚園でのオモチャの取り合いみたいな次元に脳が退化していくのだろう。
アートハート財団は、そんな年寄りの脳の退化に着目した良い商売だ。
もう未来もない後は死んでいくだけ。
そう思ってる年寄りに「あなたの作品は素晴らしい。
もっと沢山の人にそれを知ってもらうべきだ。」と夢を与えるのだ。
退化した脳は、客観的判断を鈍くする。
老人の恋と同じで、大変ご都合主義なのだ。
まあ、「なろう」は若くても生まれ変わって実現しょうとする話なので…老人の恋と同じかもしれないが…
老人は生まれ変わる代わりに金を払って夢を買うのだ。
たが、その犠牲は家族だ。
まず人生の伴侶を。子供を。孫を。
が、お金が尽きると途端にその夢は消える。
誰も退化した老人に囁かなくなる。
多分集められた若者は、そんな年寄り達をうまく捌くために集められてのだろう。
だが、退化した脳は目の前の若者に憎しみと才能があると囁くことを強要する。
今日も喫茶店に呼び出された若手社員がマニュアルを再度確認してる。
そこに入って来た年寄りは、若者見るなり怒鳴りつける。
「オイッ!お前が見込みがあると言うから金出して作品出品したんだろ?で、賞も取った!
そちらの勧める出版社の本にも掲載料10万払った。
なんで、絵の注文が来ないんだよ?」杖を振り上げて若者を殴ろうとする。
「危ない危ないですよ〜
本当に尾形さんの絵は才能あるんですよ!
そんな事したら、手を痛めます。やめましょう!
それより、もっとアプローチが足りないんですよ。
今日は違う絵画展の資料をお持ちしました!
こちらはプロ作家も多く出品するので、お客さまも目が肥えた方が…」と資料を出した所でコーヒーを頭から掛けられる。
資料もコーヒーに染まる。
「もう何回目だよ、その話?
聞き飽きたわ!
出品料だ掲載料だと何回ワシが払ったと思うんだ?
今日は書き出してきたぞ!全部で500万だ!
おい、お前が才能あると言ったんだぞ!
責任取って金返せ!わしの金を返せ!」と若者の胸ぐらに掴みかかる。
若者もコーヒー掛けられて頭のネジが飛ぶ。
転職活動もチョコチョコしてる。営業職で転職も決まりそうなのだ。
胸にしがみつく老人を突き飛ばした。
「オイ!このスーツ高かったんだぞ!ジジイに弁償出来るのかよ?金返せだと?
500万なんてはした金だと笑ってたのは格好つけてただけかよ?
とにかく警察に突出してやる!来いよ!」とジジイ尾形の杖を取り上げて喫茶店を多めに払って出た。
「なんだ?ワシには才能あると言ったのお前じゃろ?
そんなワシを警察に突き出すのか?
とにかく金を返せ!あの金は、ワシが若い時からコツコツ貯めた金なんじゃ!
わしの金を返せ〜っ!泥棒〜っ!泥棒〜っ!」と喚き出す。
「お前なんかに才能ある訳ないだろ?
ただのカモなんだよ?
まだ分かんないのかよ?
お前みたいなモウロクしたジーさんをだまして金出させるのがウチの会社なんだよ!
有り金出して死ねよ!クソジジイが!」と杖を取り上げて、それで殴り出した。
「ヒーーーーッ、助けてくれ〜!!」と言いながら持ってきた巾着から何かを出す。果物ナイフだ。
「ハッ、ジーさんがそんなもん持って歩くなよ!」かまわず杖で顔面を叩き続ける。
「教えてもらったんじゃ!狙うんじゃ!狙うんじゃ!
右腹を!」と肋骨の右下に果物ナイフを這いながら刺し込んだ!
「な、なんだ?なんで動けない?」と言いながら
程なくで若者は倒れて動かなくなった。
男にダマサれてウチに延々居着いて話続けて〜
今度旦那に見捨てられて電話してきても着拒すんぞ!
高校時代の友達みたいに飛ぶなら飛べ!
私も老い先短いから、もう知らんぞ!




