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第2話 金閣寺と鬼宮さんの暴走

修学旅行2日目、京都。


今日は京都観光。2〜3班ずつ金閣寺《きんかくじ》と清水寺《きよみずでら》に行ってその後自由行動だ。

ということで私達は金閣寺に来ていた。


「この有名な建物は舎利殿《しゃりでん》と言い、一階が寝殿造《しんでんづくり》、二階が武家造《ぶけづくり》、三階が……」


「金ピカだ」

「金ピカだね」

「金ピカだー」


何かの資料を読みながらガイド役をしている先生の話を流し聞きしながら、私達はみんなしてバカみたいな感想を出す。

別に私が特別頭悪いわけじゃない。別の班の人も金ピカしか言ってないし、一般の観光客も金ピカと言っている。


うちの班で言ってないのは鬼宮さんだけだ。


「ほら宮っち!金ピカだよ!」


「……金ピカだー」


鬼宮さんも小宮さんにより堕ちた。金ピカがアホの感想ならここにはアホしかいない。

そんなアホ達を連れて列は進行していく。


「しかしこんなきれいな金色維持できるもんかな。何回か張り替えてるんじゃないの?」


「それさっき先生が説明してたよ。なんか一回燃えたって」


「マジ?聞いてなかった」


「一応後で感想レポートみたいなの出さなきゃいけないんだから、少しはちゃんと聞きなよ」


「マジ?聞いてなかった」


「あさひあんたねぇ……」


私が優子と話している間に先生はなんかの木の説明を終えて先に進む。


なんの木かなこれ?

木が立派だったって書いとけばいいかなレポート。

流石にダメか。


次からはちゃんと聞こうと思っていると、道の途中で止まった。

先生の指し示す方向を見ると、そこには小さな滝があった。


「この滝は龍門滝《りゅうもんのたき》と言い、鯉が滝を登る様子を模したものです。滝の下には鯉をかたどった石がありますね。何故鯉が滝を登る姿を描いたかというと、中国に鯉が滝を登って龍になる話があるからですね。登竜門という言葉の語源とされています」


なんで登りきったら龍になるのかとかそういう話はしてくれないのかな。


「宮っちなら滝くらい登れそうだよね」


「……任せて」


「えっ、ちょっと鬼宮さん!?」


小宮さんの冗談に対していいとこを見せようとした鬼宮さんが奥の滝の中に入ろうとする。

私と優子、そして別の班の子たちも止めようとするが、止められない。

すごいパワーだ。7人がかりで止められない。


「こ、小宮さん!鬼宮さん止めて!」


「宮っち待って!実際にやってほしいわけじゃないの!」


「……ごめん」


小宮さんの言葉に鬼宮さんの力が抜け、止まってくれる。

危なかった。踏み荒らして来年からうちの学校出禁とかシャレにならない。


「えっと、じゃあ、次に行くね」


先生はそう言って先に進む。つーか先生が一番に入って止めなさいよ。

あの滝なんて名前だっけ。まあいいやレポートには次のやつ書けばいいでしょ。


「ここは安民沢《あんみんたく》と白蛇《しろへび》の塚《つか》と言って、七福神の1人弁財天(べんざいてん)を祀ってある場所です。何故弁財天を祀っているのに白蛇の塚と呼ぶかというと弁財天の使者が白蛇であり、同時に蛇は水を象徴するものであると考えられ」


「白蛇かー蛇はちょっと苦手かも」


「……任せて」

「ストップ鬼宮さん!何する気なの鬼宮さん!」


「宮っちを脅かすものは排除する」


「小宮さん!お願い!」


「宮っち!私作り物は平気だから!というか別に蛇の像ないから!」


「わかった」


鬼宮さんをどうにか止めて、次に進む。

そういやヤマタノオロチも蛇だっけ。


「あれは不動堂《ふどうどう》という不動明王《ふどうみょうおう》を祀る」


「不動明王かー宮っちとどっちが強いかな」


「試してくる」


「鬼宮さん!鬼宮さーん!」


金閣寺を抜けた時には鬼宮さんの暴走以外なんも覚えてなかった。

金閣寺のレポートには金ピカだったと書こう。

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