幕間 『灼熱のバトル(後編)』
休みの日の日が沈んだあと、私はヒカリの家へと向かっていた。
流石に7月ともなれば、もう夜でも暑い。
今日は小宮さんと鬼宮さんにカードゲームを教えてもらって、私もデッキをいくつか買ってしまった。
これを使ってヒカリと遊ぼう。
ヒカリの家に着くと、ヒカリがいつものようにドアを開けて出迎えてくれた。
しかし、ヒカリ顔は赤く、何かとても体調が悪そうだった。
「あ、あさひちゃん……いらっしゃい……」
「ちょっと大丈夫!?あつっ!熱あるんじゃないの!?」
「大丈夫だよー。いつもこんな感じだし」
「大丈夫じゃないでしょ!涼しい場所で横になって……」
私はヒカリを連れて部屋に入って驚愕する。
エアコンが付いていない部屋に、茹でたての蕎麦があった。
―――
「そうなれば治療費はエアコンの電気代など比較にならないほどかかります」
「はい……」
「むしろ治療費で済めば御の字、最悪命の危険があります。わかりましたね?」
「はい……」
「じゃあどうすればいいか答えられますね?」
「おうちにいる間はずっとエアコンつけてます……」
私はヒカリにガチ説教をしていた。
電気代ケチってエアコン付けず蕎麦を茹でて熱中症。
天然で済ませていい範囲じゃないよ本当に。
「ふう。分かったならよし。蕎麦食べよ」
私がいつもの口調に戻るとヒカリの表情にも笑顔が戻る。
さては熱中症より怒られることのほうが堪えてるなこいつ。
「ていうかまだ蕎麦あるの?賞味期限とか大丈夫なの?」
「うん。スーパーで新しく買ってきたやつだから大丈夫だよ」
「……なんて?」
「スーパーで新しく買ってきたやつだから大丈夫だよ」
「……なんで蕎麦追加してるの」
「……?あさひちゃんがよく食べてくれるから」
「消費するために食べてるんでしょうよ……」
私が気付かなかったら永遠に蕎麦が出てたという事実に頭を抱えてしまった。
「えっと、お蕎麦嫌いだった?」
「嫌いじゃないけど、他のものも食べたいっていうか」
「あさひちゃん私の手料理食べたいの?」
なんかすごい恥ずかしい聞かれ方をして、私は黙りながら頷くしかなかった。
「ふふっ、じゃあ次からお蕎麦じゃない美味しいもの作って待ってるね」
そうして、私とヒカリはその後カードゲームをして楽しんだ。
とても楽しかったが、その日以降特に積極的にカードゲームを遊んだりはしていないのだった。




