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孤独の人  作者: 神の恵み
現代編
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第43話 個人融資


年があけた。

元旦の初詣も昨年同様、オーナーと蘭、俺の3人で近所の神社に行った。

TVなどでも放映しているが、東京の有名な所だと酷い混雑だ。


祖母は年末から友人と京都に旅行に出ている。

父は多分、自宅でゴロゴロとしているのだろう。

俺にビールくらいは飲めるようになってほしいなどと、訳の分からない事を言っていた。


蘭は外国生まれ、外国育ちのため、初詣に対する思い入れはないが、杏子ママが昔は行っていたと聞いて、関心を持ったようだ。


正直、この世やあの世、天国や地獄など、宗教の種類は文化や料理の数ほど有るのでは?と思うほど多すぎて、何がなんだか分からず、単に生活スタイルとして取り入れているだけだ。


オーナーは2日から営業開始で忙しい。

住職の健一さんは、今頃、檀家の人達が大勢押し寄せて、大変だろう。



つまり、俺たち以外は、みんな忙しいという事だ。

資産運用は昨年11月に15000半ばで売ったあと、トルコやアルゼンチンの通貨安があり、新興国経済に関する懸念から、株価は下落基調にある。


ま~14000円の買い、15000円の売りという所だろう。


豪ドル/円は92円台で安定している。

リックトレードの10-12月期決算速報も、前期同様に良い数字がでている。


Skype会議は今回、俺の部屋とリックトレードの事務所とで行った。

杏子ママは日本料理を作って、部長職3名と秘書役を招いていた。


オーストラリアは夏。

料理はとんかつだった。


会社の取扱品は、基本的に雑貨。

そこに文具、旅行用品が加わったのが昨年の事だった。

今回は料理が出た事もあり、調味料の話が出た。


さすがに日本人は欲しがるが、現地の人間には需要は多くない。


そこで、管理職クラスが欲しいと思う物を列挙してもらい、それを自社ECサイトで扱う事にした。

どうせ、売れなくても、管理職たちは買うだろう。


短期アルバイトを募集しなくなったので、破損や変形による損失は確実に減った。

C国のアルバイトは、お金を渡せば、派遣元の人物や首謀者の情報など、何でも知っている事を話してくれた。


秘密保持契約をしても意味はない。

実質的に有効な罰金、罰則がなければ、止まらないらしい。


典型的な例として、一人っ子政策の罰金はいくらか?と関係部署に電話で確認を取ってから、その金額を払う覚悟で2人目を産むそうだ。

さすがにお腹の子を殺したりはしないから、とは、そのアルバイトの話。


今回のミーティングでは部長職の方々に情報提供をしてもらって終わった。



1月5日(日)

事前に麻衣さんと話をして、俺が弁当屋に融資をしてもいいと言っておいたら、定休日の5日に具体的な話しをしたいという事で、イートインでの会合になった。


オーナーさんは、麻衣さんの言う知り合いが、中2の義息の事だとは思いもしなかったと驚いていた。


まず、融資に関する前提条件から説明をした。

担保なし保証人なしのビジネスローンは6%~18%と金利が高い事。

個人事業主に対する融資金額は最大300万円である事。


これを月18万円の返済で20回払いなら、総額3,185,433円、実質年利7%になるという説明をした。


そして、業務用冷凍冷蔵庫が、定価150万円ほどするのは事実だが、実売35万ほどで手に入る事も説明した。


ここまでの話で、オーナーさんは明るい顔をしていたが、ここからは細かい話になる。


俺は貸金業者ではないため、個人間での貸し借りになる。

借用書は書いてもらうが、取り立てはしないので、返済は自主的に俺の口座に振り込んでほしい。


金額は限度額いっぱいの300万円で決まり、翌日に振り込んだ。

以下は俺の提案だ。


住宅詳細地図から、店の半径100m以内にある高橋HC傘下の会社に弁当の営業を掛けてはどうか?(麻衣さんが口を利く)


周囲の工事現場に営業を掛けて、11時頃にプレハブ事務所に配達をすればいいのでは?


のり弁など単価の低い物は配達対象とせず、650円の品種を対象に紙コップと味噌汁1袋をサービス。

カップ麺も限定で斡旋販売ありとする。




3学期が始まり、俺は3位に落ちて、蘭と隣同士になった。

5位だった久我こがという男の子が2位に上がってきたのだ。


話をして初めて知ったが、関西弁のイントネーションで話す子だった。

小学校5年生で東京に来たらしく、それまでは京都にいたらしい。

お父さんは有名な機械メーカーの管理職だそうだ。


俺が小3まで大阪、4年まで奈良、その後東京だと話したら、急に話すようになった。

東京は色んな所から人が集まっていて、方言なんて気にする必要はないと思う。


「そうかな~」


「それがどないしてん…」


関西弁を話すと、急にうれしそうに『そやな』と返してきた。

ま~自然に切り替えて話せるようになるさ。


面白いことに、山里と前田が隣同士になっていた。

仲良くしろよ。



1月も末になり、俺の誕生日が来た。

俺も14歳になり、蘭に追いついた。


合気道道場では、蘭は4級、俺は2級に昇級している。

有段者を目指している訳ではないが、体を動かす事はストレス発散にはなる。


教室内での勉強は、蘭と隣同士という事もあり、自然と楽しく真面目に取り組んでいる。

だけど、高校入試の過去問については捗っているとは言えない。

大学入試が目標なら、中3参考書と問題集ももっと熱心に取り組んでいたかも知れない。


基礎はしっかり固めているつもりなので、問題はないと思っている。

だけど、本当にやりたい事業が見つからないから、それが悩みだ。



時間が流れるように過ぎて、学年末テストも終わった。

今まで通り、やるべき事をやって、春休みに入った。


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