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クラウディア_12


夫人の行動は早かった。

翌日には夫の知人の伝手を使って自ら教育係に志願し、認められた。


本来であれば身分や経歴をしっかり調べられるはずだが、夫が長年王室に努め信頼を得られていたことと、夫の知人である紹介者も王室にとって身元がしっかりしている人物であると判断され、且つ、王子の婚約者がまだ幼いということもあり、誰もそこまで気に留めなかったのだ。


喪が明けてすぐ、クラウディアと夫人は対面を果たした。

初めてクラウディアを見たとき、夫人は怒りでどうにかなりそうだった。

母親譲りの色が薄いプラチナブロンドの髪は絹の糸のように美しく、父親譲りのガラスのように透き通った水色の瞳は紛れもなくシャルリーヌとレオナードの子であることを示していた。

そして、子どもながらに溢れる気品は、シャルリーヌと変わらなかった。


クラウディアの美しいカーテシーを見たとき、シャルリーヌと瓜二つだと感じた。

憎たらしい、そんな憎悪が夫人の体を駆け巡った。


翌日から始まった妃教育は、まだ11歳の子どもには厳しいものだった。

語学に歴史、他国の皇族・王族の氏名と役職、マナーやダンスのレッスンなど、毎日王城に通い夫人のレッスンを受けた。

だが、クラウディアはどのレッスンも大したことはなかった。幼いころより劣らない量の勉強やレッスンをこなしてきたのだから。


すべての授業を難なくこなすクラウディアに、夫人は苛立ちを募らせことあるごとに難癖をつけた。

10分まえに教えたことが答えられないと鞭でクラウディアの足を打った。

本読みでは少しでも言葉が詰まると尽くしかり、鞭で打った。


その様子に王城の人間が苦言を呈そうとすると、「彼女は将来の王妃になるのですよ、こんなの他国の妃教育では甘い方ですわ」とほらを吹いて誤魔化した。


ある日、婚約者であるクライシスと王妃とのお茶会が催されることになった。

通常であればクラウディアには両親のどちらが同席するが、今回は夫人が同席することになった。


「クラウディア嬢、このケーキとっても美味しいですよ。さぁ、召し上がって。」


王妃は長年子どもに恵まれず、ようやくクライシスが誕生したが、女の子を育てたいという夢が捨てきれなかった。

容姿や礼儀作法が完璧なクラウディアが婚約者に選ばれたことに大層喜び、クラウディアをとても気に入っていた。


仲睦まじい二人の様子が夫人は気に入らなかった。

口元を扇子で隠し、苛立ちから何度か唇を嚙み締めた。

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