クラウディア_13
クラウディアに次々とお茶やお菓子を勧める王妃に、夫人は徐々に苛立ちが募った。
王妃に勧められたお茶菓子を笑顔で頬張るクラウディアを見て、その苛立ちは頂点に達した。
「クラウディア嬢、食べすぎは禁物ですよ。」
王妃と王子の前なので声のトーンは落ち着いているものの、扇子がなければ夫人が怒りに満ちた表情が丸見えだっただろう。
夫人の指摘に対し、王妃はクラウディアを庇うように「少しくらい大丈夫よ」と微笑んだ。クラウディアも王妃からのご厚意を断るわけにもいかず、王妃に微笑み返し「王妃様のおすすめですもの、せっかくですのでいただきますわ。」とお茶菓子に手を伸ばした。
お茶会が終わり王妃とクライシスが立ち去った後、夫人はクラウディアの腕を強く引っ張り、お構いなしにズンズンと城内へ押し進んだ。
いつも王妃教育を受けている部屋に入るとクラウディアを力任せに押しつけ、倒れたクラウディアに間髪入れず持っていた扇子で何度も力強く叩きつけた。
「何故茶菓子を食べた!!!!食べるなと言っただろうに!!!目上の人間の言うことが聞けないなんて、なんて不敬なの!!!」
扇子が壊れるまでクラウディアを叩き続け、壊れた扇子を床に叩きつけると鞭を取り出しクラウディアを叩いた。
「王妃様が勧めたものを断れるわけがないではありませんか。それこそ不敬ですわ。」
痛みに耐えながらクラウディアが反論をすると、夫人は更に怒りで顔を真っ赤に染めた。
「はっ!!母親と同じくちょっと見目がいいからって・・・。王妃に気に入られて調子に乗ってるんじゃなくて?!」
夫人はそう言って何度か鞭を叩きつけると、疲れたのか息を切らしながら倒れるように椅子に腰かけた。
クラウディアは痛みに耐えながらも床の上で体制を整え、夫人を睨みつけた。
「夫人はお忘れのようですね。わたくしが将来の王太子妃になるべくここにいるということを。」
「何が言いたいの?」
「わたくしが無事に王太子妃となって夫人の元を去ったあと、わたしが夫人に対して何もしないとお思いですか。」
「復讐すると言いたいの?」
「そうなっても可笑しくない状況だと申し上げているのです。夫人は、わたくしを思って体罰をしているのではなく、母との因縁をわたくしにぶつけているとしか思えません。」
クラウディアが真っ向からそう伝えると、夫人は大笑いした。
ひとしきり笑った後にはぁと深く溜息を吐き、クラウディアに向かって鞭を投げつけた。
「生意気なところもあの女にそっくりね!!!!さすが親子だこと!!」
夫人はゆっくりと椅子から立ち上がり、クラウディアに向かって歩き出した。
クラウディアの前髪を思いっきり掴み、顔を持ち上げ夫人は狂気じみた笑顔を浮かべた。
「将来の王太子妃?そんなのどうでもいいわ。わたしはいま、この瞬間、あなたを痛めつけられればそれでいいのよ。」
夫人は床に落ちた鞭を拾い、しっかりと握りしめてクラウディアを打った。
「わたしに口答えするなんて、100年早いわ。今日はお迎えが来るまでしっかり教育してあげなくちゃね。」
そう言って、また腕を振り上げた。




