二人での初陣~VS裕希・桜、4~
「大河、お前……………なんでこっちにきてるんだよ………………。」
大地が息を整えながら大河に質問した。
「あれを見ろ。」
大河があそこだ、 とでも言うように指を指すと、そこで桜が横になっていた。
「へぇ……………………。 大河、あそこから逆転したって言うの。 これは正直予想外だよ…………。」
裕希が一度真剣な表情を見せた。 それだけ桜の力を理解しており、その桜を倒してこっちに来た大河を警戒しているようであった。
「大河、正直言って俺はもう厳しい。 脇腹をやられた。 なるべく援護はするが、あんま期待しないでくれ。」
大地が小声で大河に自分の状況を伝える。
「なら撃つな。」
「は?」
大河の答えに、大地は一度聞き返してしまった。
「そんな体で無理して今動いて、後から使い物になりませんじゃどうしようもないからな。 それに、お前の銃弾の雨の中を動けるほど俺ももう体力が残ってない。」
「いや、そこまで終わっちゃいないんだが…………………。」
「じゃあ、そうだな。 俺が太刀を防御に使いだした時だけ援護頼む。」
「了解。 てかそれ、もはや太刀と呼べなくなってるだろ………。」
大地が突っ込むと、大河は少し苦い顔をした。
「大地、そこに突っ込むなよ。 俺だって言わなかったんだから。」
「何をだらだらと話続けてるの二人とも!!」
『ビュンッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
「やるぞ!」
「了解!」
大河と大地が左右に走り出す。
(追うのはどうせ…………)
大河が考えていると、大地が初めから知っていたかのように叫んだ。
「やっぱこっちか!」
裕希はまず大地を標的にした。
(だよな……………んじゃ、その標的変えてもらうぞ!)
『ダッッッッッ!!!』
大河は裕希に向かって駆け出し、短くなった太刀を振った。
『キンッッッッッ!!』
だが裕希はそれにしっかりと反応し、双剣で弾き返した。
(これでいい…………)
大河は心の中で思い通り、と感じた。
「はぁぁ!!!」
『カンカンカンカンカンカンッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!』
(くそっ…………!)
裕希の連撃は大河の想像を上回っていた。
(でも…………………このぐらいの速度なら!!)
確かに裕希の攻撃は大河の想像を超えていた。しかし、対処できないほどではなかった。
『カンカンカンカンカンカンカンカンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
更に今回は一対一ではない。
「大地!!」
「ああ!!!」
『バンバンバンバンバンッッッッッ!!!!!』
大地が大河の援護に回る。脇腹の負傷から大きく動くことはできないが、今回は大河がうまく立ち回っているので、大地が動かなくても済むようにしていた。
(ありがとう、大河。)
心の中で大河に感謝しつつ、大地は撃ち続けた。大河の立ち回りのお陰で普段のように銃弾を曲げることもせずに撃てていた。
「もう!! うっとうしいな!」
裕希は双剣を巧みに使いこなし、片方で大河、片方で大地の相手をしていた。
『カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!』
しかし、流石に限界があった。
『バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!』
「きゃっ!!」
右手に大地の銃弾を受け、裕希の動きが一瞬止まった。その一瞬が裕希にとって終了の合図だった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!!」
大河の折れた太刀が裕希の左手にある剣を捉え、弾いた。やはり大河、大地両者が負傷しているとはいえ、ニ対一では早々に決着がついた。
「 はぁ…………………………はぁ………………………まだ………………………これから…………………………」
右手から流れ出る血を抑えながら、弾かれた片方の剣を取りに行く裕希。
「もう終わりだ、 裕希。」
大河はその剣を取り、遠くに投げ飛ばした。
「くっ……………………大河、あんたも少し黒い部分あるね……………………………いたっ。」
裕希が抑えた部分を見ると、どうやら足にも大地の銃弾を受けたようだった。
「でも……………………………やらなきゃ………………………」
裕希がゆっくりと立ち上がろうとした瞬間………………………………
「もうやめて!!!!!!!!」
声の方に三人が顔を向けると、そこには目覚めたばかりの桜がよろめきながらも立ち上がっていた。
22話を読んでいただきありがとうございました。
次回でこの戦いにも決着がつきます。




