二人での初陣~VS裕希・桜、3~
『キンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!』
桜の手首にある機械に大河の太刀が当たった。
(捉えた……………………!)
『ピキッ』
機械にひびが入った。だが完全な破壊とまではいかず、その一歩手前で終わってしまった。
「はぁ…………………………はぁ………………………今のでだめだったのかよ…………。」
「はぁ………………………はぁ…………………」
(大河、どれだけ強いのよ……………まだあそこまで動けるなんて、うちの組織でも上位に食い込んでこれるんじゃないかしら………。でも、そろそろ疲れが見えてくる頃よね。なら、次はこっちの方が有利よ!)
「大河、もう動けないんじゃないかしら。」
「へへっ…………………大地と戦った時、あいつの銃弾の嵐を打ち破った時よりは疲れてねえよ。」
未だに余裕を見せる大河。その様子を冷静に見ている桜。互いの間に謎の間ができた。
………………………
…………………………………
(相手の組織は用意周到だ……………わざわざこんなところに二人も送り込んできて、確実に俺らを仕留めるつもりなんだろう。そんな奴等がわざわざ弱点となる桜を操作する機械をはいここですよと晒すかのような場所につけておくか…………?いや、俺だったとしてもそうはしない。となると、あの機械はあそこにつけなければならないもの………………もしその仮定が通るのであれば、あの手首の機械は……………………あれとしか考えられないよな?今の状態なら、もしかしたらだが!)
『タッッッッッッ!!!!!!!』
大河が走り出した。沈黙を破るかのように。
「二度も同じ手は食わないわ!」
そして、桜が剣を伸ばそうとした瞬間………………
「あれ?どうして!剣が伸びない!?」
桜の剣は伸びなかった。
「予想通り!!!」
大河は自分の推理が当たったことを確認し、一直線に突っ込んでいった。
(やはり手首の機械はあの剣を操作するためのものだった!恐らく剣に近い部分につけておかないといけない代物だったのだろう。そしてそれを破壊できた今、ぶっちゃけ俺の方が有利だ!!)
「悪いな!桜!!」
しかし………………………………
『グィィィィィィィィィィィンン!!!!!!!!!!!』
大河が近づいていったその時、桜の剣が動いた。ひびが入っただけのため、やはり確実に破壊したわけではなかったのだ。ギリギリのところで機械が作動したのだった。
「くそっ!!!!」
更に誤作動を引き起こしているのか、これまで桜がコントロールしていた時とはまるで違う速さで伸びてきたのだった。
(避けられねぇ!!)
『キィィンッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
これまでよりも更に大きな衝撃を受けた大河の太刀は、その衝撃に耐えきれなかった。
『ミシッ………………バキッッッ!!!』
折れた刃が大河の肩を斬っていく。肩から血を流しながらも、短くなった太刀のまま桜の懐に入った。
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『ザシュッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
桜の太ももに折れた太刀が刺さった。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
桜がその場に倒れこむ。立ち上がろうとするが、とてもじゃないが歩けるような状態ではなかった。
(あれが剣をいじる機械なら、桜を操ってる機械は……………!)
桜に近づき見てみると、首の裏についていた。大地の時よりも小さなものとなっていた。
『カンッッッッ!!』
大河は機械を破壊した。
………………桜は疲労や機械の影響からか、大地同様気を失ってしまった。
「はぁ……………………はぁ…………………………待ってろ、大地。」
桜を担ぎ上げ、大河は折れた太刀を片手に声のした方向に歩いていった。
……………………少し前、大地は…………………
「くっ…………………いってぇ……………」
裕希から一撃を受け、気を失っていた。
(裕希は…………!)
大地が周りを見回すと、その周辺に裕希の姿はなかった。どうやら大地が気を失ってる隙に大河を仕留めにいったようだった。
(俺より大河が厄介に思えたか……………まあそりゃそうか。俺の場合は桜の伸びる剣でどうにでもなるからな。それよりも今のうちに少しでも傷を癒して、また俺を狙いにきたときに備えなくては…………)
そう考えていたその時……………………
『タタタタタタタタタッッッッッ!!』
(きたっ!!)
大地は気配を察知した。他のものより明らかに早い速度で近づいてくるなにかは、正体はもう丸わかりであった。
『バンバンバンバンッッッ!!!!!!!』
気配のする方向に銃弾を放つ。しかしそれは外れてしまった。
「へへっ。やっぱり目覚めちゃってたか。桜の方に言ったんだけど、だーいぶ手こずってたよー。そりゃ無理もないか。あれは相手にしにくいよ。大地もこっちで良かったね。あ、でもその有り様なんだっけ?ならどっちもどっちか。」
「よく言ってくれるじゃないか、裕希。」
「だって傷だいぶ深いでしょ?まあやるっていうなら相手するけど、私の速さに合わせて動いてたらもっと深くなっちゃうんじゃないの?」
裕希はまだまだ余裕な様子だった。大地はなんとも言えない歯がゆさを感じた。
(くそっ…………………残念だがその通りだ…………。もう正直満足な動きは無理だ。極力体を動かさずに狙うしかないか…………)
「ふ~ん。やるつもりなんだ。まあそれならそれでいいと思うけど、ね?大地をより楽に殺れちゃう訳ですし。てことで………………」
そこまで言うと、裕希は姿勢を低くした。
「殺らせてもらうよ。」
『ビュンッッ!!!!!!!』
裕希はまた物凄い速さで走り出した。
(ホントに合わせづらいんだよそれ……………!いい加減捉えさせろ!)
『バンバンバンバンバンバンバンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
大地は追えるだけ目で追って、走るであろうところを予測して撃ち続けるが、なかなか当たらない。ちょうど狙い通りにいったかと思えば、裕希が持っている双剣で邪魔されてしまう。
「正直言うと、大地じゃ私は倒せないよ。ま、さっきも言ったんだけどさ。だって今も私がどこから斬ろうとしてるか分かんないでしょ?つまりはそう言うこと。私がどこからどのように動くかが読めないんだよ。速度のせいでね。まあ狙うところは考えれば読めちゃうんだけどね。」
(無理だとかそんなのはどうでもいい。俺は自分のできることをやるだけだ!)
『バンバンバンバンバンバンバンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
「残念。私こっちでした♪」
「なにっ!?」
大地が気づいたときには、裕希は大地の裏に回り込んでいた。
「それじゃ、今度こそおしまい。」
(追い付かねぇ…………)
大地はもう諦めかけていた。
裕希が走り出し、傷の部分を切り裂いた………………と思ったが、
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
『カンッッッッ!!!!』
裕希が突きつけた双剣は弾かれ、少し離れたところに落ちていった。
「嘘でしょ!?」
そしてそこには………………………………
「なに死にかけてんだ。大地。」
肩の傷もそのままに、大河が堂々と立っていた。
21話を読んでいただきありがとうございました。
これにて桜vs大河は終了。次話で一応裕希戦も終了予定です。




