二人での初陣~VS裕希・桜、1~
「突っ込んでくるなんて、大地にしては大胆すぎない?そんなんじゃ私だって楽に仕留めちゃうよ!」
『タタタタタタタタッッッ!!』
物凄い早さで走ってくる裕希を見て、大地は一度下がった。始めから一度止まろうとは思っていた。だが、
(うっ……………!このまんま突っ込んでくる気かよ!!)
裕希はそのまま止まらずに大地に突っ込んできた。
「私の速さについてこれるかな!」
余裕を見せている裕希に、大地も軽く乗った。
「ふっ。んじゃ、これを打ち破れるかよ!!」
『ババババババババババッッッ!!!』
大河との戦いの時よりかなり早くなった大地の銃捌きは、より裕希を正確に捉えられるだけの精密さも兼ね備えていた。しかし……………
「大地、それ知ってるんだよね~。私たちは。」
『カカカカカカカカッッッッッ!!!!!!』
あたかも飛んでくる場所が分かっているかのように弾いていた。
「どう大地?すっごくやりにくいでしょ。相手のやり方を知ってる人と殺り合うのって。でもね、大地今後はずっとそうだから。ま、ここで終わってもらうけれどね。」
「ああそうかよ。俺が大河を襲ったときと同じようなこと言ってんな、裕希。俺もそんなこと言ってたらしく、結局救われたからな。次は俺が大河の代わりだ。」
大地は距離をとりながらもいつでも反応できるように神経を尖らせていた。
「ああ、大地も似たようないってたんだ。てか、言わされていた、なのかな?まあどっちでもいいよ。それに私は大河とは違って双剣だから、単純に二倍弾き返せるんだよね。何より太刀より動かしやすいし。だから、正直私を打ち破るのは無理だと思った方がいいよ。」
(施設にあった大地の資料よりかなり打つ速度も曲がり方もレベルアップしてる……………これはちょっと気を付けなきゃかも………)
口では軽く言っておきながらも、大地の成長に裕希は内心焦っていた。
(でも、少しはレベルアップしてるのも流石に分かってたし。なんとかなるでしょ。)
「大地って私に突っ込まれてきたら正直対処できないでしょ?まだ私の速さについてこれてない感じだもんね。」
裕希はまだ言葉遣いで優位に立とうとしていた。少しでも余裕を見せておくことにより、大地に通用しないと感じさせたかったのだ。
(裕希、強く見せようとしてるのがばればれだぞ……?つまり、あの速さにもどっか弱点がある…………。それを見つけるまで、耐えなきゃいけないわけだな。何が弱点か………。一番考えられるのはスタミナ切れだろうな。あんな動き永遠に続けられたらこっちもやってられねえ)
大地にはすっかり見破られているようであったが。
「ああ。やりにくいだろうね。早いとこ対処法を見つけなきゃだな!」
『バババババババババッッ!!!』
話しながらも大地は撃ち続ける。とりあえず撃っておけば突っ込んでこれないと踏んだからだ。
「大地も大変だねぇ。わざわざ曲げたりまっすぐ撃ったり。というかそれどうやって曲げてんのよ。鬱陶しいことこの上ないんだけれど。」
「それこそ伝える必要が無いんじゃないか?」
大地が返事をすると、
「へぇ~。まだ余裕そうだね。じゃあ、けりをつけさせてもらおうかな。」
『タタタタタタタタタタタタタタタタッッッッッ!!!!!!!』
先程より速くなった裕希が大地に向かって突っ込んできた。
(なっ……………!?)
大地は反応したが、あまりにも遅れすぎた。
「おやすみ、大地。」
『ザシュッッ!!!!』
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
両手に持っている刃が、大地の脇腹を引き裂いた。
……………その頃、大河側……………
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
『ブンッブンッ!!』
「ふふっ」
『カンッカンッ!!!』
いくら大河が太刀を振っていても、変幻自在な桜の剣によってことごとく弾かれていた。
「おいその剣どうなってんだよ。もう訳がわかんねえぞ。」
大河が一旦退いて問いかけると、
「離れちゃ危ないよ?大河。」
『グイイイイイン!』
「おおっっとっと。」
桜の剣がまた伸びてくるだけだった。
「そうね…………ヒントを言うと、大河と私は、根本的に違いがあるってことかしらね。」
「根本的に………?どういうことだよ。同じ剣じゃねえのか。」
「違うわよ。その違いは言ってあげないけれど。」
そしてまた短い長さに戻っていく。
(あの剣……………毎回伸ばした後はあの短さに戻ってるな。つまりあれがデフォルトの長さ……………しかしそうだとしても、やはり長さが変わる理由にはならない。あの剣、叩き割るとかは可能か…………?)
「おい、桜。その剣って何でできてるんだよ。」
「ふふっ。言うわけないでしょ?そのくらい考えてね?」
「まあ、そうだろうな。」
大河は一度退いた距離から詰められずにいた。詰めたら詰めたでまた長さ以外にもいきなり角度が変わって曲がってくるなんてことがあると困るからだ。しかし動かないわけにもいかず、大河は一つ覚悟を決めた。
「動かねえわけにはいかねえからよ。無理矢理でも間合いに入らせてもらうぞ!」
そして大河が入ろうとした瞬間……
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大地の叫び声が聞こえた。
「大地!?」
声の方を振り向いたが、
「だから、ね?」
『グイイイイイィィィン!!』
やはり剣は大河めがけて伸びてくる。大地が心配になりながらも、大河は大地の方に行くことが出来なかった。
(生きてろよ……………大地………。)
早急に桜を終わらせるため、大河は前に出た。
第19話を読んでいただきありがとうございました。次話は大河がメインとなります。




