旅立ち?
「ふぁぁぁ~~~~~……………おはよう。」
大河が悩みながらも寝てしまい、起きるとそのまま朝になっていた。ドアを開けて部屋から出ると、大地が立っていた。
「大河、おはよう。遂に…………だね。」
「ああ。遂に出発だ。荷物はまとめてあるのか?」
「俺なら大丈夫だよ。大河の方が心配だよ。普段から持ち物まとめられないじゃん。」
「俺はそもそも持ってきてるものが少ないしな。大地は…………そもそも物が無いか。」
「目覚めてからずっとここにいるから、特にまとめるものはないね。気持ちぐらいじゃないかな?」
「物と気持ちをまとめるって掛けたつもりか?つまんねえよそれ。」
「んだよ。つまんなかったら悪いかよ。」
二人がそんな風に話していると、凛がやってきた。
「二人とも、おはよ。」
見ると、既に服を着替え、荷物をまとめていた。
「………………それが答えだな。凛。」
大河が確認をとると、凛は頷いた。
「うん。あの後よく考えて、やっぱり私も立ち向かわなきゃなって。私の心を救ってくれて、自分の目標への覚悟を行動で示してくれてる人がいるんだから。」
「ははっ。そんな大層なことしてねえよ。でもそんな風に相手に影響を与えられるなら俺も嬉しいからよ。ありがとな。」
「ううん。こっちこそありがと。」
「お~~~~~い?」
声をかけられて大河と凛の二人はその方向に振り向いた。
「あの………………取り込み中のとこ悪いけど、宗次郎さん来てるから、ね?」
大地が軽く呆れながら二人を止めた。その隣では宗次郎が軽く笑いながら見守っていた。
「よし、皆いつも通りみたいだな。それじゃ……………早速だが、でようか。」
「ああ。」
「はい。」
「うん。」
大河、大地、凛。三人ともはっきりと返事をした。もう誰の心にも迷いはない。そんな風に思える返事を。
「うん。いい返事だ。もう何も説明する必要がないようだな。よし、じゃあ行こう。皆、よろしく頼むよ。」
「はい。お気を付けて。」
研究所の皆から返事が返ってきた。見ると、全員集まっているようだった。
この様子からもどれだけ大変なことをしようとしているかを感じ取れた。
「うむ。行ってくるよ。」
それだけ言うと、宗次郎を先頭に出口に向かった。
「…………………ところで宗次郎?」
出口に向かう途中、大河が声をかけた。
「なんだ大河。」
「俺らこれからどこへ向かうつもりなんだ?」
「いく場所なら分かってるよ。」
「あぁ。そうだったのか?それで、どこにいくつもりなんだ?」
「それは車に乗ったら伝えるよ。………………………………大河、凛のこと、ありがとう。」
「え?」
大河が聞き返そうとしたが、宗次郎はそれ以降そそくさと進んでいってしまった。
「よし、開けるぞ。開けたらすぐに出てくれ。」
「分かった。」
大河が返事をし、残り二人も頷いた。
「それじゃ、今から開ける。」
『ゴゴゴゴゴゴゴコゴゴ』
出口が開き、四人は速やかに外に出た。
「よいしょっと。」
大河と宗次郎がこの施設に入った時と同様、宗次郎は壁を叩いて出口を閉めた。
「それじゃ、車に乗ってくれ…………」
「大河!避けろ!!!!!!」
宗次郎が指示しようとした瞬間、大地が叫んだ。
「!?」
その注意を瞬時に理解した大河は横っ飛びした。
『ビュンッッッ!!!』
その瞬間、そこを謎の風が通り抜けた。そしてそこには………………
「……………………今のをよく避けたね大河。それと気づいた大地。流石の二人ってところかな。」
「………………………お前もかよ。裕希。」
そこには、大河が研究所にくるまでかなり仲のよかった友人、清水裕希が立っていた。
「流石に大地を一度救っただけあって、昔の友人が相手側に回ってもなんら気にしてないって感じだよね。でも、これでもそうしてられるかな?」
「なんだと?」
『グィィィィィィィィィイイイン』
大河の後ろから、物凄い早さで何かが迫ってきていた。
「まさか…………!」
その場から大河が退くと、その場に物凄い長さの剣があった。
「大地、気を付けろ!!今回は……………」
「そういうことだ大河。2対2だ。」
二人が確認をとっていると、剣が出てきた方向から声が聞こえてきた。
「もう。なんで言っちゃうの。速攻で仕留められたじゃない。」
「…………………その声、桜か。」
大河すぐにもう片方の正体を理解した。もう片方……………小泉桜が歩いてきた。
(桜と裕希………………。この二人が何故向こう側にいってるかは分からないが……………。首元に大地のような機械もない。とりあえず、この二人の動きを見極めるか……………。)
アイコンタクトで大地に考えを伝え、大河は今、剣を伸ばしてきた相手、桜と向かい合い、大地は物凄い勢いできた裕希と向かい合った。
(今の攻撃を見た限り、桜の方は俺じゃ不利だ…………。剣を自由自在に伸ばせると仮定すると、間合いが関係なくなる。だが裕希のさっきの速度がずっと続くとすると…………。それも厳しいな。だがやるしかないか。大河に命を預けたからには、俺も大河を守る!)
大地は冷静に分析し、大河と戦闘が交錯しないように少し大河から離れた。
(桜は剣を自由に伸ばせるんだろうな………。なら俺はこっちの対応だろう。大地に裕希を任せるとして、俺は桜の対処法を考えなきゃな。大地の銃弾の嵐とどっちが間合いを詰めにくいだろうか。まずは離れて様子を見るか。)
大河は持っていた太刀を構えた。
大地もまた、銃を構えた。
「宗次郎!凛!中に避難していてくれ!!」
大河が叫ぶと二人は頷き、施設内に引き返した。
「やるぞ、大地!」
「あぁ。二人での初陣だ!!」
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」
声を上げ、二人は走り出した。
第18話を読んでいただきありがとうございました。
次話から桜&裕希戦です。




